このまえインストラクターとして参加してきたBLS for ヘルスケアプロバイダーコースは、受講生8名のうち3名が一般市民(非医療従事者)でした。
こんなにも一般市民率が高いコースは私にとってははじめて。
自然とインストラクションに使う言葉も選んでいる自分に気付いて、とてもいい刺激・勉強になりました。
これまでの受講生は医師や看護師が中心でしたので、ついVFと言ってしまったり、「挿管されている場合」といえばふつうに通じるたのですが、市民相手ではそういうわけにはいきません。
そうやっていわば「専門用語」を翻訳しながらの解説、自分が多いに試されているのを感じました。
一般市民といっても、やはり話を聞いてみると、いきなりBLS for Healthcare Providerコースを受講したというわけではなく、皆さんそれなりのヒストリーはお持ちでした。
日本赤十字社やMFAの講習を受けていたり、プールの監視員をしているといった必要に迫られる環境にいたり。
数ある心肺蘇生講習の中でもAHAのヘルスケアプロバイダー・コースは、きっと値段的にもいちばん高いと思います。まったく知識がない人だったら、たかだか心臓マッサージを教わるのに数万円! と驚くのがあたりまえというのが現状かも。
そんな中、敢えて医療者が中心のコースに飛び込んでくる市民の皆さんの意識はすばらしいと思います。
おそらく、市民の受講生の皆さんは、医療者にまぎれて自分が入って大丈夫だろうかとドキドキしながら来ているんだと思うんです。そんな人にも、受講して良かったと思ってもらえるように援助するのがインストラクターの仕事。
「ハイレベルで自分にも難しすぎた」とマイナスイメージで帰ることがないようにということを考えながら、自分なりに工夫して過ごした5時間でした。
通常だと行なわない生体での頸動脈触知の練習とか、挿管チューブの現物を見せて挿管の仕組みの説明、プロが仕事で使う換気は主にバッグマスクである点の説明などなど。
日本ではAEDと一緒にバックマスクが配備してあるなんてことは、町中ではあまりないかもしれませんが、聞くところによるとアメリカでは医療現場以外でも普及しているのだとか。
そもそもBLSは、「医療行為」ではありませんから、市民であろうと医療従事者であろうと関係ないはず。医療資格を持っていてもできない人は何もできませんし。
要は資格や職業に関係なく、きちんと訓練を受けているということが重要。
「ヘルスケアプロバイダー」とはなにか? という日本人には理解しにくい命題があります。逆説的かもしれませんが、ヘルスケアプロバイダー向けのBLSを習得した人が「ヘルスケアプロバイダー」という話もあります。
一般市民のヘルスケアプロバイダー、つまり意識の高い市民の方がプロでも通じる技術を習得したという証。
2年間の修了カードの期限が切れる前に、是非また受講してもらって高い意識と技術をキープし続けてほしいものです。(その頃にはリニューアルコースも開催されているはずですし)
さらに言えばタスク参加などで常にブラッシュアップを図ってほしい!
きっとこういう方たちは、職場や地域に戻ったとき、周辺の人たちにCPRを広める良いきっかけを作ってくれるんでしょうね。
2007年08月03日
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一般市民の方がHCPコースに申し込まれると言うのはすごいですね。言葉に気を遣うのは簡単なようで難しいですよね。さらに受講生が増えると良いですね。
関係ないですが、手洗いと言う言葉で昔勘違いがありました。医療事務の学生さんが手術の見学に来られていて、私は手術に入る予定でした。学生さんが、手を洗っても良いでしょうか?と聞くので、何て積極的な学生さんなんだ!と思いました(釈迦に説法ですが、手術室で手を洗うと言えば、清潔な服を着て手術の直接の手伝いに入るという意味です)。しかし、その学生さんは、本当にただ手を洗いたいだけだったのでした(^.^)。
言葉と言うのは難しいです。
このまえお会いした方も某サイトに申し込みをしたけど医療資格を持っていないということで門前払いされたなんておっしゃってました。近隣の別サイトもあたったけど同じ返事だったとか。
日赤指導員の方の間でも、自分の勉強のためにということで希望をされることもあるみたいですね。教育手法やインストラクションを学ぶという視点でもAHAコースはおもしろいですよね。
話は変わって「手洗い」の話。手術室で手洗いといったら、そりゃ滅菌状態になるってことを意味しますよね。医療事務の学生さんというのが微妙なところですけど、kimさんのおっしゃるのわかります。昔はオペ室のナースを直接介助、間接介助と言い分けていましたが、最近の流れでは手洗い(器械出し)ナース、外回りナースというのが一般的になってきたようです。手洗いナースって、ふつうの人が聞いたら??な感じに聞こえるんでしょうね。語源はというとおそらくアメリカの scrub nurse の直訳なんだと思います。ちょっとしたコネタでした(^^)
# これ、FAには書いてあるんですよね。一般市民向けだから。
福井では,一般というか医療資格でない人の受講は少なくなってきました.HS-AEDなどの講習は勧めずにいつもいきなりHCPを勧めていますが,“消防がタダで講習を行っているのに,なぜ有料?”という考え方が強いようです.中身の濃さ,カードの効力を考えればその差は歴然としているのですが,なかなか受け入れられません.
ある方が会社ぐるみ(10名程度)で消防に講習を依頼したところ,30人程度で平日昼間じゃないとダメだと言われ,こちらに相談されました.そういう中途半端なスタンスはやめて,有料の講習を提供する人達に完全に任せてもらいたいと思います.
私が所属しているのは(今のところは)某協会系サイトですが、既に数人の非医療従事者のBLSインストラクターがいます。ですから別に協会系では非医療従事者のBLSインストラクターが認められないのではないです。今後は成人・幼児・乳児のフルコースのハートセイバーコースを予定しています。
AHA会員でもある心臓屋としては某協会がAHA日本支部とHPで称しているのは心外ですし、協会に限らず各ITCの幹部が利権争いをしているのは見苦しいです。また循環器学会のITCだって一部の幹部が勝手に独走しているだけです。循環器学会ITCになって逆に学会補助がなくなって受講料が上がってしまいました。内科学会も独自のコースを始める予定ですが、今後が心配です。
ところでAHAという組織はあくまでも「米国の循環器学会」であり、世界で最大かつ最高峰の専門医学会です。「心肺蘇生法の研究団体」ではありません。世界中の心臓屋がここの学術集会に参加して、いくつもある学会誌に採択されようと必死です。学術集会の採択数は日本が2番目です(採択率は15%程度と低いですが)。「AHAについては情報がない」といわれると心臓屋としてはヘコみます。きちんとした病院の図書館には「Circulation」が必ずあるはずです。
AHAの学術集会では、率直に言って心肺蘇生法のセッションは人気もなく、発表者も自信なさげでやる気がなさそうなのは気になります。米国の心臓専門医(カテ屋)に聞くと心肺蘇生法のインストラクターを医療従事者がやるのは公式見解的には医療資源のムダであるし、ぶっちゃけ自分達の時給の数パーセントの収入になってしまうのでできないとのことでした。
日本の医師特に公的病院の勤務医はこの点はもともと収入は少ないので(大学よりはましですが)気にしませんが、土日に遠方に行く時は緊急心カテで部下に負担をかけてしまい、気に病むことになります。AHAのやっていることなのに心臓屋が少ないのはこのためと思います。
普通の主婦で医療従事者ではありません。
目標はBLSのインストラクターになることです。
以前から読ませて頂いておりましたが、今回の記事はとても興味深かったです。
消防などの講習内容に頭打ちになっていて、これからどうしてゆこう・・と悩んでいたときに、極めて親しい友人の内科医の勧めがあり、受講を決めました。
一次救命救急を広めていくことは私のライフワークでもあるので、今後が楽しみです。
どうぞよろしくお願い致します。
市井の一内科指導医様,福井BLSのmimimiです.以前は福井の板にカキコしていただきありがとうございました.貴サイトには非医療資格者のHCPインストラクターがいらっしゃると言うことで,驚きであり,すばらしいことだと思います.
私の知り合いも非医療資格者でタスクを数多く熟してインストラクターを目指していたのですが,結局なれずに別のトレーニングセンターでインストラクターになりました.
また,医療資格者でインストラクターになってもコース開催時に参加できず,結局更新できないと言う人もいました.
サイトによってバラツキが激しく,待遇が全然違うんですね.
HSを予定されると言うことですが,教科書はコースビデオは英語版のままですか?私が協会をあまり好きではない理由の一つが,“一般人に優しくない”ことです.HCPよりもHSを先に日本語化してバイスタンダーによるCPR率を上げるのが理想のはずです.ですがACLSを受講する人のためにHCPがあり,それを先に日本語化しています.ACLS協会ですから...(協会が好きではない最大の理由は,いわれのないひどい仕打ち,嫌がらせを受け続けているからです)
ですから福井ではHSはほとんど行わず,どの方もHCPで受講していただいています.医療資格でも非医療資格でも英語が理解できなければ,英語の本とビデオで日本語解説付きでコースをされても意味ないと思います.
ご指摘の通り,各トレーニングセンターの人達が利権争いやいがみ合っているのは良くありませんね.そんな事を続けている以上,受講生も混乱し,知識が普及しないと思います.
頑張りましょう.
mimimiさん、PALSコースお疲れさまでした。その日、私は通信大学の単位認定試験とかぶってしまって参加できませんでした。福井の皆さんとお会いできると思ったのですが、残念です。少数精鋭で密度の濃い講習だったみたいですね。需要に合わせていくつかの講習を展開できるというのが理想なのかも。AHAでもfamily & friendとかありますよね。テキストやDVDの日本語化はおそらくあり得ないとは思いますが。。。
市井の一内科指導医さん、コメントありがとうございました。非常にいい視点を頂いたなと思います。AHA日本支部と名乗るであればECC以外の活動もあってしかるべきですよね。それを考えれば、明らかにウソor悪質な誇大広告というレベルの話だと誰もが気付くと思うんですけど、あそこまで堂々とやられると返ってわかりにくいのかもしれませんね。
Ricoさん、インストを目指されているということで、がんばって下さいね、応援しています。日本蘇生協議会トレーニングセンターでは市民インストの養成にも力を入れていますので、身近なところに活動拠点があれば、そこの門を叩くというのがいちばん近道かもしれません。今のところは埼玉、東京、横浜と関東が中心です。九州の方でもやってるみたいですがまだ公募体制ではない模様。。。
mimimiさん、市民向けであるHSコースのマニュアル&DVDこそがまっさきに翻訳されるべきものと私は思っているのですが、いかがでしょうか? ある程度モチベーションのある医療従事者であれば英語であっても勉強する人はします。しかし市民でそこまではあり得ないでしょう。日本ではAHAは医療従事者向けの専門コースという認識が強いですけど、もともとは家庭から職場、ナースから専門医まですべての層の人々を対象にコース展開している組織。お金を払って救命講習を受けるというのがあたりまえと思うような国民意識にならないかぎり、AHAコースが日本でメジャーになるというのは難しいのかもしれません。
ご指摘の通り,HS-AED,HS-CPRこそ最初に完全日本語化して,広めるべきコースだと思います.救命率を上げるには,医師などによる二次救命処置よりも,一般市民のバイスタンダーによる一次救命処置法を行っていただくことが重要ですので.
残念なことに,HSコースとHCPコースの両方を日本語化する力は福井にはありませんでした.そのためHCPを日本語化することを最優先し,医療関係者も一般市民もHCPを受講していただく方針にしました.HS-FAは他の団体では行われていませんので,福井で日本語化するしかありません.FAの教科書とDVDの日本語化は,本業そっちのけで3か月かかりました...
HS-AED,HS-CPRは,一番需要があるのは協会ですので,協会が力を入れて日本語化して欲しいと考えています.でもBの教科書に記載されていた今後の日本語化予定には含まれていませんでしたね.
めっつぇんばぅむさんのサイトでは,HS-AEDの需要は高いですか?需要があれば,日本語化に取り組んでみようと思います.
現実的にはmimimiさんのところと同様、市民の方にもいきなりHCPを受講してもらうという形になっている感じです。本文中でも書きましたが、それはそれで決して悪いことではないと思ってます。教える側としては医療の前提知識がない方への個別フォローは必要になると思いますが、それさえしっかりすれば市民にとっても満足度の高い講習になるはず。だいたいの方が日赤等の講習のステップアップとして参加されていることを考えれば、HSよりはずっと満足度が高いはず。
あとHCPとHSでは講習時間を考えればHSの方が長いくらいで、使う器材もバックマスクの有無が違うだけで、コスト的にもHCPとほとんどかわらなくなってしまうという現実。これもHCPコースがメインになってしまう理由になっている気がします。
異様に安い値段でHSコースを提供している協会さん、どういう原価計算をしているのか気になるところです。あの値段ゆえに積極的には開催できない理由になっているのかなという気もするのですが。
中山書店の近刊案内にはHS-AEDコースもしっかり載ってましたよ。順番的にはACLSプロバイダーマニュアル、ACLSインストマニュアルの次です。その後にはPALSプロバイダマニュアルが控えているようです。HS、PALSが出る頃には新しいガイドラインが出ちゃってるんじゃないでしょうか。。。
mimimiさんの力作でもあるハートセイバーファーストエイドの翻訳マニュアルとDVD、私も活用させていただきました。あそこまで完成度の高いものを個人として作られる技術には正直驚きました。mimimiさんあっての福井BLSなんだなと思った次第です。HSコース、今後は増えていくと思うのですが、現段階ではHCPをきっちり教えられるインストラクターの育成に力を入れている段階ですので、組織としてはもうちょっと後になりそうです。