2019年01月01日

ACLS受講にBLS資格が必須であるとの迷信を解く

いま、日本国内にはACLSプロバイダーコースを開催していると公言しているトレーニグセンターが5つあります。

(5つには含めていませんが、国際救命救急協会、日本救急医療教育機構、ACLS JAPANも、ACLSトレーニングセンター格は持っています。しかし公募講習の形跡がなく、その活動実態が明らかではないので除外しました。)


・日本医療教授システム学会
・日本循環器学会
・日本ACLS協会
・福井県済生会病院
・日本BLS協会


これら5つのトレーニングセンターのうち、

・日本循環器学会
・日本ACLS協会
・日本BLS協会

の3つは、ACLSプロバイダーコース受講条件として有効期限内のAHA-BLS資格、もしくはBLSプロバイダーコースの受講歴が必要であると定めています。

逆に言うと、BLS資格・受講歴不要でACLSを受講できる余地を残しているのは、

・日本医療教授システム学会
・福井県済生会病院

だけです。


AHA的にはBLS受講歴・資格は不要!


いまさら言うまでもなく、アメリカ心臓協会としては、ACLSプロバイダーコース受講にBLS資格が必要であるとは定めていません。

これは、ACLSインストラクターマニュアルに書かれているとおりで、インストラクターの皆さんは当然知っていることですし、市販書籍に書かれている以上、公然の事実と言えます。

しかし、トレーニングセンターは、要件としてそれを定めることができる、ともインストラクターマニュアルには書かれています。

つまり、ACLS受講にBLSが必要だというのであれば、それはAHAの言っていることではなく、トレーニングセンター(日本国内の提携法人)が定めたローカル・ルール、ということになります。

ですから、ACLS受講にBLS資格が必須とすることは、間違っていませんし、なんら非難されるべきことではありません。

この点は、まずははっきり確認しておきたいと思います。



じゃあ、なにゆえにBLS資格を求めるのか?


その上で、ACLS受講にBLS資格や受講歴が必要であると独自ルールで定める団体があるのはなにゆえなのか、という点を考えてみたいと思います。


仮説1 昔の名残り


まず、考えられるのが昔のAHAルールの名残なのでは? という説。

これについては、私も正しくは知らないのですが、どうやら昔は、ACLS受講には有効期限内のBLS資格が必要だとしていた時代があったようだ、という話は聞いたことがあります。

ただ、あくまでも伝聞で、根拠は持ち合わせていません。

私がAHAインストラクターになったのはG2005に切り替わる前後の頃で、かろうじてG2000時代を経験しています。少なくともその時代のAHAルール(PAM)には、BLSが必須という規定がなかったことは、はっきり覚えています。

ですから、あったとしたらG2000以前の話。

ただ逆に、少なくとも2005年以降は、ACLS受講にBLS資格は不要だったとは言い切れます。今は2019年ですから、過去14年くらいは、AHA公式としてはBLSは必須でない時代が続いているのは確かです。



仮説2 ACLSはBLSができる前提で成り立っているから、受講すべき


この意見は、まあ、うなずけます。このこと自体は私も否定しません。

しかし、BLSができることと、AHA-BLSプロバイダーコースを履修していることはイコールではありません。

ACLSで求められているのは成人への一人法BLSとAED操作、バッグマスクスキルだけであり、それらは4−5時間のBLSプロバイダーコースでなくても習得できる一般技能です。

そしてその程度の訓練は、いまは病院の職員トレーニングとして普通にやっています。

さらに言えば、この程度のCPR技術は、仮にBLSの素養がまったくない人であっても、ACLSプロバイダーコース中のBLSセクションで十分に習得可能であるという点です。

ACLSコースの中で、いきなりBLS実技試験が行われるわけではなく、質の高いBLSの科学的背景に関するDVD解説や、ビデオを見ながらのPWW練習を経た上で、BLS試験に臨みますよね。このプロセスを考えてもらっても、ACLS受講者に完璧なBLS習得を求めているわけではないことはわかります。

ほんとに条件であるなら、つべこべ言わずにいきなり試験をして落とせばいいわけですから。


成人の不整脈起因の心停止や救急対応に限定したACLSコースでは、BLSプロバイダーコースで必須とされている小児や乳児の蘇生、窒息解除などはオーバースペックです。

医療従事者たるもの、これらも知っておくべきであるという点はまったくもって同意しますが、だからといってBLSプロバイダーコースを経ないと成人の二次救命処置を学ぶ資格がない、と言うのは暴言に近いでしょう。



仮説3 米国の医療者でBLS資格を持っていない人がACLSを受けることはありえない


米国の一般事情として、病院で働く以上、BLS資格を持っているのは当たり前で、その資格がなければ働けないというのは実態としては事実だと思います。

だから、制度上、ACLSを受ける医療者であればBLS資格を持っているのはあたりまえという意見を聞くこともあります。

このもっともらしい主張も下記の2点で私は懐疑的です。


1.ACLSコース受講と同時にBLSプロバイダー資格を取得できる制度がある

ACLSインストラクターマニュアルに書かれていますが、ACLSプロバイダーコース内で、オプションとして乳児BLSの実技試験と、BLSプロバイダーコースの筆記試験を実施すれば、それだけでBLSプロバイダーカードを発行できることが規定されています。

DVDを見て、段階的に練習して、、、という4-5時間をかけなくても、BLSの試験に合格すればAHA-BLS資格を取れるのです。

こんなオプションが規定されているということは、そもそもACLS受講に資格としてのAHA-BLSは不要であるということの証左です。


2.ここは米国ではない

米国の医療者が職業義務としてBLS資格取得と維持が求められているのが事実だとしても、ここは日本です。米国の慣習を真似る必然性はありません。

AHAが定める範囲内において、日本の事情、慣習に合わせて運用すればいいので、アメリカではそうだから、というのはなんの強制力もありません。

日本でもBLSを必須とするのであれば、それはACLSコースを主催する団体やインストラクターの強い思い、考え、判断ということになります。



結局、なぜ?


ということで、結論とすれば、なぜ日本のITCがACLS受講にBLSを求めているのか、納得できる理由はあまり見いだせないのですが、ここから先は私の勝手な想像、というか邪推です。

日本にACLSが入ってきた2003年頃だと思います。ACLSはBLSを受講した人でないと受けられないという話が浮上して固まってきたのもこの頃です。

当時からAHAの運営マニュアルであるPAMには、BLSは必須ではないということは書かれており、日本にAHA講習を持ちこんだ人たちもそのことは認識していたことと思います。

しかし、あえてBLS必須というルールにしたのでしょう。

というのは、ひとつは当時日本にはBLSですら標準化されたものがなく、本当にBLSの質が担保できていなかったからです。

医療者ならBLSができて当たり前という文化意識もありませんでした。

しかし、それから15年以上が経過し、今はどうでしょうか?

どの病院でも職員研修としてBLS訓練をしており、ACLSプロバイダーコース内BLS実技試験程度の一人法CPRとAEDくらいはふつうに教えています。

昔とは違うのです。

昔からACLSを開催しているところは、なんとなく昔のやり方をずるずるひきづってるだけなのでは?

というのが私の考える理由の1つ目です。



もう一つの理由は、経済的な理由、営業戦略なのでは? という点です。

ACLS受講にBLSが必須となれば、ACLSだけでいいと思っている医師たちからも余分に1万8千円(日本国内の平均受講料)を取れるわけですから。

当時はBLSもACLSも国内ではトレーニングセンター(当時はITOと言ってました)がひとつしかなく、独占状態でした。

ゆえの経営戦略なのかな、と。

しかし、今は10以上のBLSトレーニングセンターが認可されていますので、この独占営利的な意味は薄くなっています。かつては、◯◯で発行されたBLSプロバイダー資格でないと認めないとするところもありましたが、さすがに今はこのような縛りは撤廃されているようです。



こう考えてみると、現代日本において、ACLS受講にBLSを必須です、とする実質的な意味はなく、むしろ、受講者からしたら、そこでの受講を敬遠するマイナス要因でしかないんじゃないかな、と思うのですが、いかがでしょうか?


最新版のACLSインストラクターマニュアルでも、トレーニングセンターがBLS必須とする権利は認められているので、ポリシーをもってやってるならいいのですが、時代も変わってきたことですし、顧客目線で抜本的にも直してみてもいいのでは? と思う次第です。




posted by めっつぇんばーむ at 19:38 | Comment(0) | ACLS(二次救命処置)
2015年10月21日

AHA-ACLSプロバイダーコース、iPadで開催できるって知ってました?

かつては「あり得ない!」と言われていた看護師のACLSインストラクター。

ほんの数年のうちに、広がりを見せて、いまではほぼすべてのITCで認められるようになってきたようです。

ただ、看護師が主体となって開催するACLSプロバイダーコースは、まだ多くはありません。

BLSくらいなら病院での業務終了後に「放課後コース」として気軽に開催できますが、ACLSともなると時間的な面はもとより、機材の準備という点でも、ひとりで細々と開催するにはなかなかタイヘン。

また病院外で個人的にACLSを開催しようと思ったときに、ALSマネキンのレンタルはありますが、本物の除細動器を貸してくれる公式なサービスはありません。(医療機器メーカーへのコネがあれば借りる手はありますが)

そこがネックとなって、個人レベルでのACLS開催はハードルが高いのが現状。




そこで今回オススメするのが、tablet-based monitor simulator ACLSプロバイダーコースです。(なんだかテレビショッピングみたいな振りですが…)

ウン百万円するALSマネキンや除細動器を使わず、BLS機材とiPadを使ってACLSプロバイダーコースが開けるんです。

日本語化されていないためにあまり知られていませんが、iPadのアプリで、「モニター除細動器のシミュレーター」なるものがあるんですね。

モニター除細動器シミュレーター(iPad)

他にもあるのかもしれませんが、比較的よく知られたDartSimというアプリがこちら。

タッチパネル上に除細動の充電ボタンやショックボタン、経皮ペーシングや、同期ショックなども再現できるようになっています。充電中は、キュイーンという充電音がでて、きちんと充電完了が確認できます。

心電図波形のコントロールは、別のもう一台のiPadか、iPhoneからリモコンで操作することができますので、使い勝手はレールダルのSim Padみたいな感じです。

血圧や酸素飽和度、終末呼気二酸化炭素濃度なども表示できますので、ROSC後の管理や、PALS、PEARSなどの非心停止対応のシミュレーションにも使えます。



これを使えば心電図波形の再現も除細動もiPad側で完結しますので、マネキンに心電図波形を作り出すジェネレーター機能は必要ありません。

つまり、BLS用のレサシアンや、腕はありませんがリトルアンでもOKということ。

問題となるとは、心電図モニターの電極や除細動のパドルをどうするのか、という点ですが、これはAEDトレーナーのパッドや、電気パーツ店で売ってるワニ口クリップ+コードなんかで代用可能。電気的にiPadと接続する必要はないので、モニターを付けました、という動作だけをしてもらえればいいわけです。

コードの根元部分がブラブラしているのはウソっぽいので、理想的にはプラスチックケースに穴を開けてそこからコードを出しておいて、その上にiPadを乗っけるとかするとそれなりに体裁は保てます。

除細動がパドルではなくパッドだけになってしまうというデメリットもありますが、そもそもAHAではパドルよりパッドを推奨していますし、ACLSプロバイダーコースのデモ・ビデオの中でもパッドショックでやってますので、この点はなんら問題ないかと思います。



こんな方法がありなんだ、と知ると、ACLS開催もちょっとは気軽な感じになると思いませんか?

厳密には、NPAとOPAの実習を考えると、気道管理マネキンも必要ですが、レンタルで借りても8千円ほど。ハートシムがレンタル料5万円ってことを考えればだいぶ割安に開催できます。



最後に、こんなインチキみたいなやり方をAHAが許しているか? という疑問については、2012年7月にAHAから出されたTraining Memoに書かれていますので、関係者の方は確認してみてください。"Use of Tablet-Based Monitor Simulators"というタイトルの文書です。

これを機に、敷居が低く、気軽にACLSプロバイダーコースが開催されるようになるといいなと期待しています。そして熱意のある看護職ACLSインストラクターさんが各地で活躍することを願っています。




posted by めっつぇんばーむ at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2015年05月17日

高度な気道確保*ラリンジアル・マスクの話

ACLSプロバイダーコースの勉強をしていると、高度な気道確保で「声門上デバイス」というのが出てきます。

日本の医療現場では、ラリンジアル・マスクがよく使われていますが、病院内でも見たことがある人は少ないかもしれません。

救急センターや病棟での急変でも、普通は気管チューブで挿管しますので、使うとすればオペ室くらい。

ということで、ちょっと紹介してみようと思います。

ランジアル(ラリンゲル)・マスク*声門上デバイス


AHA的には、こういった声門上デバイスも気管チューブも一緒くたに「高度な気道確保器具」として扱っていますが、根本的に別物として考えたほうがいいと思います。

というのは、気管挿管に比べてラリンゲルマスクは、気管と食道の分離性が悪いというか、確実性が低いため、本当に非同期でCPRをしていいのかという点では議論の余地があるからです。

ご存知、気管チューブは気管内でカフが膨らませることで、チューブを通して空気(酸素)が確実に肺に届き、食道から胃に空気が入り込むことはありませんし、逆に嘔吐をした場合でも、吐瀉物が肺に入り込むこともありません。

それに対してラリンジアル・マスクはあくまでも「マスク」であり、気管内には挿入されません。喉の奥の声門周囲を覆うように配置して、立体構造のカフを膨らませて周囲に密着することで食道を塞ぎ、気管だけに交通するように気道確保を行っています。

フェイスマスクが口と鼻を覆うように密着されるのと同じ感じで、声門部に密着させているだけ。

形が複雑なだけに密着度には個体差があり、チューブのズレや蛇管などの負荷のかかり方によっても容易に隙間ができる可能性があります。

故に麻酔科医も、全身麻酔の時に気道と食道を確実に分離させたいような症例では、ラリンジアル・マスクは選択しません。


そういった意味で、気管挿管したら胸骨圧迫と換気は非同期で行いますが、ラリンジアル・マスクで同じようにした場合、気管挿管に比べると胃膨満や誤嚥のリスクは高いと考えられます。

ここは日本版ガイドライン策定の際に、議論になったようですが、結局、ガイドラインでは下記のように記載されました。

「気管挿管後は、胸骨圧迫と人工呼吸は非同期とし、連続した胸骨圧迫を行う。(中略)声門上気道デバイスを用いた場合は、適切な換気が可能な場合に限り連続した胸骨圧迫を行ってよい」

(JRCガイドライン2010、第2章成人の二次救命処置より)


いちおう気管挿管と声門上デバイスの違いは表現されていますが、「適切な換気が可能な場合に限り」というあいまいな限定付の上、「行ってもよい」というやや歯切れの悪い表現となっています。


以前は、救急救命士は気管挿管ができなかったため、このラリンジアル・マスクやコンビチューブといった喉頭鏡を使わずに盲目的に挿入できる器具を使っていましたが、今は挿管認定を受けた救急救命士が増えてきているので、これらが救急の場面で使われる頻度は減っているのかもしれません。

細かい議論はあるかもしれませんが、気管挿管とラリンジアルマスク挿入は似ているようで根本的に違うというお話でした。


で、参考情報ですが、ランジアル・マスクによる気道確保は看護師でも行える処置ということになっています。

現実、看護師の急変対応でフェイスマスクの代わりに使うということはまず無いんじゃないかと思いますが、いちおう気管挿管と違って訓練さえ受けていれば看護師が扱ってもいいことになっています。

その根拠は、救急救命士が行える処置として規定されいている以上、救命士の業務範囲をカバーしている看護師免許でも行える、というロジックのようです。

参考まで。




posted by めっつぇんばーむ at 23:18 | Comment(4) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2015年03月20日

半ば自己否定に陥ったACLS、G2015ではいかに?

あちこちで耳にする指摘ですが、改めて書いてみます。

病院の急変対応研修といえば、BLSが基本で、一部先進的なところでは二次救命処置(ACLS)を取り入れているところもありますが、その医療安全体制についてAHAのACLS自体が自己否定(?)しているって知ってました?

まず、前提知識の確認です。

私たちは以下のように教わってきました。

『大人が倒れた場合、心電図モニターをつけると心室細動(VF)になっていることが多い。だから早期除細動が重要。BLSでもACLSでも心室細動にフォーカスした"VFハンター"になるべく訓練が必要。』

だからAEDがもてはやされて、猫も杓子も除細動、という教育がされてきました。

しかし、ガイドライン2010版のAHA-ACLSプロバイダーマニュアルを見ると、次のような驚くべき記述があるのです。

「VF/VT以外のリズムは院内心停止の75%以上を占めている」

ACLSプロバイダーマニュアルG2010
(ACLSプロバイダーマニュアル G2010 p.30)


あれ? 成人の心停止のほとんどはVFじゃなかったの?

って思っちゃいますよね。

これまでは「成人の心停止は前触れなく突然に起きるから、BLSが必要であり、ACLSが必要」という論調で"急変対応"が語られていたのは、間違いだった、みたいな驚愕の事実が書かれているわけです。(←この書き方、かなり恣意的です。批判は覚悟の上で。)

実はこの布石は、ひとつまえのガイドライン2005版の「ACLSプロバイダーマニュアル」にも書かれていて、院内心停止の8割くらいに予兆があったという点が示されています。だからこそ、患者急変対応コース for Nursesとかが作られたわけですけど、まあ、その方向性が再確認、強化されたって感じですね。

つまり、VFハンターというICLSの言葉に象徴されるような視座の起き方は、現在となっては不適切という認識にシフトしてきています。

これまでは、VFは突然に起きるものでしたから、心停止後の対応だけを考えていればよかったのですが、そうではなかったとなると、これは病院業界、大変な激震です。

だからこそ、ACLSプロバイダーマニュアルG2010では、次のように述べています。

「医療機関内で文化的な大きな転換が必要とされる」(p.31)

急変対応に関する文化大革命ですよ、と言ってるわけですね。

心停止は不可抗力。

ではなく、心停止は防げるもの、それがG2010では、明確に打ち出されているのです。
それをAHAは痛烈な言葉で表現しています。

「救助の失敗」

下記のように、病院での心停止は防ぎ得るものであるから、心停止になってしまったら、それは救助の失敗である、と。

ACLS Provider Manual G2010
(ACLSプロバイダーマニュアル G2010 p.31)


これ、現場としては痛いですよね。

でも、その潮流はG2010に始まったことではなく、G2005から引き継がれてきたこと。

これが今年10月に発表されるガイドライン2015では、どのように扱われるのか?

そして遅れること2年後くらいに出てくるG2015ACLSプロバイダーコースはどう変遷していくのか?

私たちは病院文化の担い手として、真摯に受け止めたいと思います。



病院内での心停止はBLSでは終わらず、そのままACLSに突入するわけですから、看護師としてACLSのアルゴリズムを知っておくことは必要です(受講が必要、ではなく)。

しかし、それは一般教養というか、たしなみであって、そこを一生懸命勉強するような時代は過去の話。

この先は、AHAでいうなら心停止予防コースPEARSのような、心停止以外の予兆に着目しなくちゃいけない、特にベッドサイドで患者の様態変化に気づける看護職にとっては、という方向性。

院内でも8割は、心室細動ではないとわかってるわけです。

人が死に至る原因は、呼吸障害か循環障害(ショック)。

そして、呼吸障害は、上気道閉塞、下気道閉塞、肺組織病変、呼吸調整機能障害の4つに分類されます。

ショックであれば、循環血液量減少性ショックと血液分布異常性ショックがほとんど。

これらの徴候を知っていれば防げるし、心停止にさせなくて済む。

そんなことが明らかになってるわけですから、そこを学ばないわけにはいかないですよね。

今は、小児分野でしか叫ばれていませんが、これはほぼそのまま大人にも言えます。
こんな方向が、これがますますはっきりしてくるのは間違いないと思います。



posted by めっつぇんばーむ at 16:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2015年02月07日

ACLS EPコースを受講すると、ACLSプロバイダーカードも同時発行されるロジック

ACLSプロバイダーコースの上位に位置づけられるACLS EPコースというのがあります。

ACLS Experienced Providerの略で、日本語にするとACLS熟練提供者コースといった感じでしょうか。

ACLS EPカード


このコースを日本で展開していたのは、もともとは日本ACLS協会だけでした。ガイドライン2005時代からいち早く開催していました。

それに加えて去年に香港で開催されたガイドライン2010ロールアウトに参加した、日本医療教授システム学会と日本循環器学会が、それぞれ去年の9月と今年の1月から国内展開をはじめています。

ACLS EPコースを修了すると、ACLS Experienced Providerカードが発行されますが、おもしろいことに、ACLSプロバイダーカードが同時発行される場合があります。

現時点、日本ACLS協会と日本循環器学会で受講するとカード2枚の発行されるようです。

そして日本医療教授システム学会での受講だとACLS EPカード1枚のみの発行が標準のようです。

この違いについて調べてみました。


実は普通にACLS EPインストラクターマニュアルを見ても、カードを2枚発行できるよ〜、とはダイレクトには書かれていません。

それらしい文章といえば、1ページの【コースの内容と目的】にある次の一文です。

コースディレクターは、以下の2つの観点からACLS EPコースに取り組むことができる。
1.ACLSリニューアルの代替方法。(以下省略)


さらに続く2ページに【受講対象者】ということで、「このコースは、重要な意思決定法を用いてプロバイダー資格の更新を望む、経験豊富なACLSプロバイダーのために考案されている」と書かれています。

このことからACLS EPコースを受講することで、ACLSプロバイダー資格の更新ができる、つまりACLSプロバイダーカードが新しい日付で発行されるというロジックになります。

もっともACLS EPカード自体に、ACLSプロバイダー資格が内包されるのだという解釈もできますが、資格社会の米国、ACLSプロバイダー資格が要件として求めらているのに、EPカードでもいいでしょ? というのは、AHAの勝手な言い分であって、社会的にはEPはACLSプロバイダーほどは認知されていないという事情もあるのかもしれません。

ACLS EPコースの中には、ACLSプロバイダーコースと全く同じ実技試験と筆記試験が課されています。

そういった意味では、ACLS EPコースとはいえ、試験によって測られるゴール設定は、ACLSプロバイダーコースと何ら変わりません。だからこそ、「ACLSリニューアルの代替方法」としても定義されているわけですね。

ですから、ACLSプロバイダーカードが発行されるのは自然なこととも言えますが、コース内の学習内容としてはACLSプロバイダーコースの内容が含まれているわけではなく、「ACLSプロバイダーコースを履修したとは言えないから、カードが発行されるのはおかしい」、という意見もあります。

となると、もともとACLSプロバイダーコース規定中で、ACLSプロバイダーカードが発行されるための要件がどう定義されているのかを確認する必要がありそうです。

そこで見るべきは、ACLSインストラクターマニュアルの38ページ【カードの発行】です。

コース修了カードを受け取る資格があると認められ、以下の条件を満たす受講者には、コース修了カードを発行する。
・コース「全体」に参加している(フルコース)
・CPRおよびAEDスキル、バッグマスク換気スキル、およびメガコードスキルの各テストに合格している
・84%以上の正解率で筆記テストに合格している


コース全体に参加している、という要件がフルコースに限定されていることに注目してください。

逆に言うと、フルコース以外、つまり資格更新のためのリニューアルコースとしては、コースに参加することは要件になっていないのです。

この点が詳しくはACLSインストラクターマニュアル7ページの【受講の要件】のところに詳しく説明されています。

要約すると、

1.初めて受講する人はフルコースを受講して試験に合格することが求められている。
2.ACLSアップデートコースは、現在有効なACLS-P資格がない人でも受講できるが、試験一発合格が求められる
3.ACLSアップデートコースは、有効なACLS-P資格があれば、クラスを受講せずに、試験のみを受験できる

と書かれています。

肝心な部分だけ、引用しておきますね。

「ACLSアップデートコースを受講する受講者(現在のACLSカードを所有していること)は、インストラクターの裁量により、クラスを受講せずに必要なテスト(「テストアウト」)を受験することができる」


これが恐らくACLS EPコースでACLSプロバイダーカードも併せて発行される根拠になっていると思われます。

ACLS EPコースでは、明確にはACLS-Pカードの発行は規定されていないものの、ACLSプロバイダーコースのアップデート(リニューアル)要件に合致しているという考え方です。

つまり、ACLS EPコースを受講することでACLSプロバイダーカードも発行されるのは、不正行為でも偽装でもなく、根拠のある正当な措置です。

ただし、これはACLSインストラクターマニュアルに準拠するなら、「インストラクターの裁量により」行われる措置です。

つまり、ACLS-Pカードを発行しないというのもまた正当なことと言えます。

これが、日本ACLS協会及び日本循環器学会と、日本医療教授システム学会でスタンスが違う理由なのでしょう。

大事なことは、AHA的にはどちらも正当であり、この違いを受講者がどう判断して、どこで受講するかを判断するのは単なる市場原理の話である、という点です。

そこを踏まえて、受講者の利便(学会提出にはACLS EPではなく、ACLSプロバイダーカードが求められている、等)を考慮して、トレーニングセンターが、どう運営していくか、ということですよね。

ACLS EPカードには、ACLSプロバイダーカードの意味も内包されているという事実を広く業界に通知して、EPカードの価値を認知させていくというのも手だと思います。

日本ではまだ固まっていないACLS EPコースの意義と位置づけを定義していくのも先駆者たちの使命なんじゃないでしょうか?



ただ一点、最後に指摘しておきたいのは、G2005の時代に行われていたメガチャットと呼ばれるメガコード試験は、少なくともG2010のインストラクターマニュアルには含まれていないことは明記しておきます。

ACLS EPコース開催の必要物品として、モニター付き除細動器や心電図シミュレーター、挿管できるマネキンなどが記載されています。(任意とは記されていません)

ACLSリニューアルの条件を満たすためには、ACLSプロバイダーコースと同じ条件で実技試験を行う必要があり、実運動なしの口頭試問的なメガコード試験で済ませていい根拠は私には見いだせません。(G2010の今でもそうやっているのかは定かではありませんが)






posted by めっつぇんばーむ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2015年02月01日

ACLS受講のついでにBLSプロバイダーカード取得も可能って知ってました?

ACLS受講にBLSヘルスケアプロバイダーコース受講は必要か?

なにをいまさら? な命題ではありますが、最近、Twitterで異論を見かけたので、改めて最新の情報を確認してみました。

少なくとも、ひとつ前のガイドライン2005年版のACLSプロバイダーコースの受講には、AHAのBLSヘルスケアプロバイダーコースの受講や、有効期限内のBLS修了カードの提示は求められていませんでした。

詳しくはブログの過去記事をご参照ください。

「ACLS受講にBLS資格は不要って知ってました?」(2007年12月24日付)
http://aha-bls-instructor.seesaa.net/article/81123980.html



これが現行の2010年版になってからは、もう少し踏み込んだ形で「不要」を打ち出しています。

ACLSインストラクターマニュアル2010の22ページをご覧ください。

BLS for Healthcare Provider Course Completion Card

という項目があり、私の手元には英語版しかないために日本語で要約しますが、「AHAはACLSコースをBLSスキルを基礎としてデザインした。もし、BLSヘルスケアプロバイダーカード発行するためには、BLSインストラクターが臨席し、1人〜2人法チェックリストと筆記試験を完了する必要がある」と書かれています。

つまり、ACLSプロバイダーコースの中で、BLS-HCPコースの実技試験と筆記試験を別途行えば、ACLSだけではなくBLSヘルスケアプロバイダーカードも発行できるということです。(この場合、ACLSインストラクターではなく、BLSインストラクター資格をもった人が必要です。逆説的にいうと、BLSインストラクター資格がなくてもACLSインストラクターになれるってこと)


この点は、BLSインストラクターマニュアルにも明記されています。

BLSインストラクターマニュアルG201032ページの「二次救命処置(ACLS)/小児二次救命処置(PALS)コース」という項目に次のように書かれています。

「AHAはBLSスキルを基礎とした二次救命処置コース(ACLSおよびPALS)を考案した。BLSインストラクターは、二次救命処置コースの受講者でBLSヘルスケアプロバイダーのカードを必要としている人の試験を依頼されることがある。BLSの試験は、BLSヘルスケアプロバイダーのスキルテストシートを使用して行うことができる。このような受講者もBLSヘルスケアプロバイダーの筆記試験を受けて84%以上の正答率を得る必要がある」

ACLSやPALSに有効期限内のBLSヘルスケアプロバイダーカードが必須だというのであれば、このような措置はありえない話なわけで、AHA資格制度的に「ACLSやPALSにBLS資格は求められていない」とは断言できます。

さらに言えば、BLS資格に関しても、1日がかりの受講は必須ではなく、要は実技試験と筆記試験に受かればいいということをAHAは示しているわけです。この点は、BLSインストラクターマニュアルに書かれている更新コースの取り扱いについてを見てもらってもわかると思います。



ACLSやPALSは、BLSを基盤として作られたものなので、BLSヘルスケアプロバイダーコースを受講していることが望ましい、という点は否定しません。

そして、ACLSのACLSチックな部分は医学的根拠が薄く、質の高いCPRこそが救命の要という点でも、BLSスキルは欠かせないという事実も否定の余地はありません。

しかし、そのことと、AHA-BLSヘルスケアプロバイダーコースを受講しなければ、ACLSプロバイダーコースに合格しても、それは無理やりの産物というのは言いすぎでしょう。

もともとACLSで求められるBLSスキルと、BLSヘルスケアプロバイダーコースで求められるBLSスキルはイコールではないからです。

その点は、2012年7月20日付で公示された【Training Memo:BLS for Healthcare Providers Course Completion During an ACLS Course】の中でも、明示されています。

The American Heart Association has designed its advanced life support courses with basic life support skills as the foundation and includes limited BLS skills testing as part of ACLS course completion requirements Because of this limited testing that is unique to ACLS, BLS for Healthcare Providers course completion requirements cannot be incorporated with in the ACLS Provider or ACLS Update Course.

ACLSやPALSで求められるのは、BLSヘルスケアプロバイダーコースの限定的な一部です。

そこをクリアすれば、ACLSプロバイダーカードが発行されるというのは、ゴールオリエンテッドなAHAの教材設計からすれば至極当然の話です。

ACLSで求められるBLSスキルは成人の一人法CPRだけです。ハートセイバーCPR AEDコースの実技試験とほとんど変わりません。

その技術を教えるのに4時間も使う必要はありません。私の経験上、まっさらな素人であっても15分〜30分もあれば十分です。

ということで、私はACLS受講にHCPを要件にしていませんし、忙しい医療従事者の現状を考えたら、最初から成人の蘇生だけを考えている人には、HCP受講なしにACLS1日コースを受講してもらうというのがもっとも理想的だと考えています。そして、実際、私はこの4年ほどずっとそうしてきました。

公募講習としてやるならいざ知らず、病院の中で医師・看護師全員に二次救命処置を習得させようとして、BLSで1日、ACLSで2日、計3日もかけるなんてあまりに非現実的。

私の勤務していた病院の場合は、BLSもACLSも開催するのは私でしたから、限られた私の時間で一人のACLSプロバイダーを育てるのに3日も割くなんてありえない話。

だからこそ世間ではICLSが優勢なわけですが、AHA正規講習も実はACLS1日コースの中にすべて内包することが可能だという点はあまり知られていません。

いままでAHA講習は地域の○○トレーニングサイトに行って受講するというのが常識でしたが、病院の中にトレーニングサイトを置くことの意義が叫ばれるようになってきました。

ぜひ、その上では、ACLSプロバイダーになるために、BLSヘルスケアプロバイダー「資格」は必要でない点、またさらにはACLSプロバイダーコース受講時にBLS-HCPカードを取得することも可能である点、さらにはACLSは2日かけずに1日で修了可能である点は、もっと広く知られてもいいのではないかと思います。




posted by めっつぇんばーむ at 21:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2014年01月24日

「ACLS EPマニュアル・リソーステキスト」日本語版2月20日発売決定!

2013年に10年ぶりに改定されたACLS EPコース。

そのテキストの日本語版発売が決定されたと、トレーニングセンター経由で連絡がありました。

製品名:ACLS EPマニュアル・リソーステキスト
監 修:日本ACLS協会,日本循環器学会
コース名:ACLS EP
商品の小売価格:16,000円(税別)
発売日:2013年2月20日

日本語化されるACLS EP受講者マニュアル

2009年刊行「ACLS リソーステキスト」の改訂版という位置づけになります。

近年、内容がどんどん薄くなっている、BLS/ACLSプロバイダーマニュアルですが、バッググラウンド的な知識はすべてこの本に集約されるような印象です。

BLSも含めて蘇生科学を根本の仕組みから理解したい人は是非目を通しておくべき一級資料。
ガイドラインより詳しくわかりやすく説明されています。

1万6千円、というのがネックですが、ぜひ病院図書室等で買ってもらうようにしたいですね。

インストラクターマニュアル等の日本語化も決定しているそうです。

以上、情報提供でした。



posted by めっつぇんばーむ at 08:22 | Comment(2) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2013年01月09日

AHA BLS/ACLS/PALSは臨床以前の「入口を揃える基礎」

昨日、今日あたりTwiiterで書いたことのまとめです。

BLSもACLSもPALSも、それを学ぶ目的は急変対応できるようになること。おそらく否定の声は上がらないと思います。

じゃ、AHA公認講習であるそういった標準化コースを受講すれば、急変対応ができるようになるのか?

受講する前と受講した後を比べると、知識や技術、意識に雲泥の差はあるとは思います。しかし、それが急変対応というパフォーマンスに直結するものか、と考えた時にいかがでしょうか?

特に今開催されているAHAガイドライン2010版のBLSヘルスケアプロバイダーコースを思い出してもらうと話が早いと思いますが、ひたすら技術練習を繰り返したところで、それはあくまで講習会場で心停止を前提にしたマネキン相手の練習。

そこでパーフェクトにできても、リアルな現場でその通りにできるかと言われたら、一抹の不安を覚える人が多いのではないでしょうか?

たまに講習会が終わった後に受講者さんから質問されます。

「これでホントにできるようになるんですかね? いまいち自信がないんですが、、、」

それはきっと正直な思いなんだと思います。

私は答えます。「現実は違いますよ。これはあくまでも理想的な環境を整えて行なった基本形の練習。これをどう現場で応用するかが次の課題です。これは入口にすぎないんです」と。

高度と思われているACLSやPALSでも、この点は同じです。

コース設計的にリアルさは求められていない。臨床云々のまえにまず抑えておくべき基本中の基本ということで、あくまでもパフォーマンスではなく、タスク・トレーニングの域といえます。

だって、ACLSのメガコードシナリオを見ても、なんなの? この滅茶苦茶な展開!って感じしません? つまりあれで求められているのは、複数のアルゴリズムをページを捲るように使い分けていくことができるか、ということなんです。

だからそこにヘンなリアルさを求めるのはナンセンス。実臨床以前の話なのです。

ということで、ACLSを学生のうちに受講するのが早いとは思わないし、1年目のナースが「私なんかまだまだ」と思うようなものではない。

本当に必要なのはACLSプロバイダーのライセンスカードをもらうことではなく、そこで身につけたスキルと、実臨床のパフォーマンスの間にある溝に気づいて、それを埋める努力をすること。

これは講習会場でAHA公認インストラクターが介入できる問題ではありません。

受講者が、職場などパフォーマンスを発揮スべき場面での自分の立場や役割、環境に合わせてアレンジしていかなくてはいけない部分。

端的に言うと、講習会場で身につけたスキルは、実際の現場でシミュレーションとして模擬訓練を行なわないと、発揮できないということです。

そして、それをできるのは職場単位でしかない。

だから、ホントは病院ごと、また部署ごとに避難訓練の如く、急変シミュレーションをやってみないといけないわけです。

逆にいうと、本当に必要な急変対応訓練は、現場でのシミュレーションであって、それを成り立たせるためにはスタッフ全員が標準的な(理想的な)二次救命を知らなければお話にならない。そこでAHA-BLSやACLSの存在意義があるのです。

現場では、家族への対応や同室者への配慮とか、いろんな複雑なファクターが入るために、視点の置き方も含めて話がまとまりにくい。そこで共通認識、共通理解を持っておく必要があり、それが例えばAHA講習。

だからそこがはじまりであり、入口を揃える基礎にすぎないのです。


そういった意味では、本当はナースで言うなら病院ごとの教育室とか、教育担当部門が頑張るべきところなんですけどね。

公認インストラクターとしてACLSインストラクター資格を持っていても、公認講習を行うだけでは不十分で、現場ならではのリアルな研修を設計する、それがナースのACLSインストラクターに求められている大事な役割なんだと思っています。




posted by めっつぇんばーむ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)
2012年11月19日

ACLSはBLSに毛が生えた程度のもの

Twitterで書いたことのまとめになりますが、ブログにも残しておきます。

ナース向けの二次救命処置トレーニング構想のヒントとして。

この手の専門家である救急認定看護師さん、こんな方向性でナース向けALSプログラムをさらっと作ってくれませんか?



ナースによるBLSの二人法、一人は胸骨圧迫、もう一人はバッグマスクで人工呼吸。AEDは装着済みでショックは一回施行してる。つまりVFは確認されている。そこにもう一人ナースがいたらどうする?(G2005では輪状軟骨圧迫を教えていたけど)。

V-lineくらいは取るよね。で、そこに医師から電話指示でボスミンIVを取り付ければ、立派なACLS。

ACLSは6人一組とか手動式除細動機を使わないといけないとか、そんなことはぜんぜんない訳で、AHAが作ったACLSのイメージに縛られすぎ! ナースが臨床で行い得る現実の急変対応の中でも、BLSを越えたALSはある。

ナースにはナースなりのACLS(二次救命処置)があるはず。それを提唱できるのはきっとナースだけ。

いつまで医師向け教育プログラムのおこぼれに頼っているの?



posted by めっつぇんばーむ at 04:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)