2008年02月24日

アメリカ心臓協会AHA資格の日本での認知度

以前から、内科認定医を取得するためには日本救急医学会のICLSかアメリカ心臓協会のACLSを受講していることが必須でした。

ほとんどの人は、短期間・低コストで済むICLSコースを受講していたいようですが、最近になって循環器認定医取得にはアメリカ心臓協会 AHAの ACLS Provider 資格が必須ということになりました。

AHAコースが日本で公式にはじまったのは2003年。

それから5年間で驚くほどAHA心肺蘇生講習が広まったものだと思います。(いうまでもなく日本ACLS協会の功績です)

数年前前までは、いろいろな病院や医局の公式ウェブを見ると、スタッフや医局員の資格・肩書きとしてBLSヘルスケアプロバイダーや、ACLSプロバイダーなどが誇らしげに書かれていましたが、いまではそんなのあたりまえで、敢えて宣伝するほどのものではなくなってきたようです。

最近目立つのはBLSインストラクター、ACLSインストラクターといった指導員資格。

これももうちょっとしたら、ありふれたものになって、今度はインストラクターを育成することができる資格、トレーニングセンター・ファカルティ(TCF)あたりが列記されるようになるのかもしれませんね。(アメリカのサイトをみるとけっこうこういうのがあります)

さて、今日は「アメリカ心臓協会AHA資格の日本の医療界での認知度」ということですが、医師の世界では確実に浸透してきています。それは最初に書いた循環器専門医の例が顕著ですが、研修医の到達目標として、BLSが指導できること、ACLSが実践できること、というのが明記されたり、まあ、AHAとは特定されていませんが、少なくとも救命スキルが必須項目として規定されたことは大きいと思います。

最近は病院や学校単位で、AHA公式講習を受講できます、というのを売りにするところもチラホラと見られるようになってきました。

なかでもおもしろい取り組みをしているのが茨城県。以前新聞記事で読んだのですが、研修医を引き寄せるために県としてAHAのBLSヘルスケアプロバイダーコースとACLSプロバイダーコースを開催しているというのです。

残念ながら、その新聞記事をどこで見たのか忘れてしまったのですが、

検索したら、

救急ライセンス研修
初期臨床研修医を対象に,A.H.A.(米国心臓協会)公認プログラムによる救命処置の研修(BLS、ACLS)を実施します。


というページがヒットしました。NPO法人茨城ACLS協会との提携みたいです。

今後、こんな感じでうちに就職すればAHA資格が取れます、なんていう病院宣伝が増えていくのかも知れませんね。


私も院内でポツポツとヘルスケアプロバイダーコースを開催して、地道ながら病院内の救命スキルアップに貢献(?)しているつもりなのですが、いまいち看護部の上層部は理解が付いてきてくれないようです。

新入職員募集のときに、院内でAHA資格が取れるって宣伝していいよ、なんだったらトレーニングサイトを作るからさ、なんて冗談半分で言ってるんですけど、ちっとも乗ってくれません(^^)

上記の茨城県の例でも「参加資格を研修医に限定し,参加費用の一部を県が支援する公認コースは全国でも例がないものであり,来年も引き続き実施していくこととしています。」なんて言っているくらいだから、全国でも珍しい取り組みになると思うんですけどねぇ。

残念。
posted by めっつぇんばーむ at 23:42 | Comment(3) | TrackBack(0) | AHA-BLSインストラクター
この記事へのコメント
確かに看護部の上層部の理解は大事ですね。

うちの場合は幸い、医師・看護師とも上層部の理解があります。
構想を立ち上げてから1年近く経ちましたが、来月からは院内コース、今春からBLSだけですが当院でAHAコースが開催できそうです。
来年度の研修医からは、半強制的に院内コースとAHAコースを受けさせる予定になっております。

でも、一番大きいのは前の職場で院内コースをばりばりに行っていて、なおかつBLSインストラクターでもある看護師さんが一緒に活動してくれていることです。
ノウハウを持っているいないでは労力が全然違います。
Posted by おぢさん at 2008年02月25日 11:53
お疲れ様です。
日本において(医師の間ではメジャーですが)まだまだ普及率の低いBLS・ACLSですが・・・
今後ナースや他のコメディカルスタッフに浸透して行く事を願ってやみません。
さてさて先日念願叶ってACLSを受講してきました。
一言「単純明快なACLS」でも「物凄く奥が深い」実りのあるコースでした。20名の受講者中16名が医師でしかも内5名が循環器のベテランドクターでした。
流石ACLS恐るべし・・・
そんな中シドロモドロになりながらでもなんとかプロバイダー認定を取りました。
う〜〜〜んと悩みましたが、結局きちんとしたエビデンスにのっとり、治療のプロトコルに準じて行けば自ずと道は出来上がる事なんですね。
でもでも人間色々様々な方がいるので一概には括れませんが・・・
これを自分だけの知識とせず、院内での新人教育に生かせればいいかなーって思っていますし、普及活動が出来ればと思っています。
次の目標はBLSのイントラですね!!
そして経験・知識を積んで目指すはACLSのイントラかなー・・・無理な気がしますが・・・
因みにPALSとか言う小児救命処置がAHAで受講できるのですね!!
新潟でも開催に向けて取り組んでいるようですよ。
早く受講出来るのを楽しみにしている今日この頃です。
Posted by バニー at 2008年02月26日 21:18
"おぢさん"さんも院内独自開催にこぎ着けたんですね。
おめでとうございます!

半強制的にっていいなぁ。
うちもそれくらいに強く上層部が押してくれたらいいのに、、、
お金がかかるって言うなら、AHAじゃない無料の独自プログラムでいいから、
業務時間内でやらせてほしいです。

なにより一緒に活動する仲間がいるっていいですねぇ。
同じバッググラウンドが動けるってすばらしいことだと思います。
この点、世界規模で統一されたAHA教育ならではのものだと思うんですよね。
ICLS公認インストラクターって世の中にたくさんいますけど、
昨日今日会ったインストラクターがすぐに一緒にコースを開けるかって
そういうわけにはいきませんもんね。

今年度は病院内で仲間作りが課題かなぁ。
インストラクター資格さえ取ってくれれば、私のリードで
院内でトレーニングは積めますから、リードインストラクターとして
独立するのも難しい話じゃありません。そこまでいけば、その人が転職しても
その先でまた独自にコース開催できますから、いい話だと思うんですけどね。

バニーさん、ACLSおつかれさまでした!
奇しくも私も今日、ACLSのタスクに行ってきました。
日本語版DVDは初めてでしたが、新たに学ぶ点がたくさんありましたね。

BLSインストラクター、ぜひ目指してくださいね。
私の勝手な読みですけど、BLSの指導が出来ることって、今後は
ナースとしての必須事項、常識になる気がします。
できてあたりまえ、指導できてこそ専門職という時代に突入するのでは?
というのが私の展望です。

PALSは最近ACLS協会がAHAと契約したようで、2008年度はある種、
ブームになる可能性大です。
Posted by めっつぇんばーむ at 2008年02月26日 23:37
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