答えはNoです。
心肺蘇生は法律で制限される「医療行為」ではありません。
本当は人間であれば誰でも知っていなければいけない「社会の常識」
それを教えるのに「資格」は必要ありません。
救急法の講習を受けて、
「その大切さがわかった」
「自分の身の回りの人にも知ってもらいたい!」
そう感じられたら、ぜひそれを家族・友人に伝えてあげてください。
決して特別なことじゃないんです。
練習用マネキンがない?
でも、気道異物除去なら教えられますよね?(^^)
枕を使った胸骨圧迫の練習、そんなのもアリかも。
もう一度言います。
心肺蘇生を教えるのに資格や免許は必要ありません。
広めたい、みんなに知ってもらいたいという気持ち、それが資格です。
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さて、ここからはいつもの私らしく、あれこれ御託を並べるコーナーです。(^^ゞ
◆ インストラクター/指導員資格ってなに?
「AHA-BLSインストラクター日記」なんてブログをやっていて、日々、CPRの普及と救命関連資格のことばかりを考えてこの1年くらい過ごしているのですが、「インストラクター資格っていったいなんなんだろう?」と、最近つくづくわからなくなります。インストラクター資格なんてなくたってCPRを教えることはできるわけだし、実際の私はAHA公認のBLSインストラクター(or、消防庁認定応急手当普及員)として教えるよりも、なんの肩書きも使わずに教えることの方がずっと多いです。強いていえば一人間として教えているとでもいいましょうか。
最初にも書きましたが、心肺蘇生を教えることについて法律の規制は一切ありません。
世の中には心肺蘇生を教えるためのインストラクター資格や指導員資格と呼ばれるものが氾濫していますが、そういう団体公認インストラクターと、無資格の自称インストラクターを比較してなにが違うのかというのか? ざっくり言ってしまうと団体名の修了カードが出せるか出せないか、に集約される気がします。
日本では心肺蘇生講習の修了証/認定証に法律的な効力とか意味はないので、ライセンスというよりはステイタスです。そのステイタスを求める人がいるから、それを教えるインストラクターのステイタスが生まれることにもなる。
反対にいえばステイタスを求めない人、本当に蘇生技術を身につけたい人にとっては、団体公認なんチャラというとのは無関係。身近に手軽に教えてくれるところがあれば、なんでもいいわけです。(以前、ステイタスが自信に繋がるというような話を書いたこともありますが、、、まあ、突っ込みはナシということで、お願いします)
興味がある人・意識が高い人は、お金を出してでも正式コースを受講しようとしますので、放っておいても構いません。
問題は、興味がない人に感心を向けてもらうにはどうしたらいいか、という点です。
そこで重要なのが草の根ネットワークとでもいうのか、人間個人のつながりが大切になってくると考えています。
ですから、私はヘルスケアプロバイダー・コースなどでは、「職場や地域に帰ったら指導的役割を担うことになると思いますので」みたいな話をなるべく含めるようにしています。それは学んだプロとしての技術に自信を持ってもらいたいのと、文字通りCPRの伝道師となってもらいたいから。
いままで関心もなかったけど、○○さんが教えてくれるって言うなら、、、って人は結構いると思いませんか?
そういった意味で、インストラクター資格がないから私には教えられない、とは決して考えないでほしい!
従来の日本の救急法の世界では、そういう困った風潮が強くありました。
プロバイダーレベルであっても、「正しい手順でできる自信がなければ、危険だから手を出すな」みたいなことを正式な講習の場で言ってしまう講師もいるくらいです。ましてや、無資格の素人が心肺蘇生の指導をするなんてけしからん!、と考える人も、まだまだいるかも知れません。
でも「そんなの関係ねぇ!」、です。
日本で救命率が低いのは、バイスタンダーの蘇生技術が下手だから、ではありません。
手を出す人が少ないからです。
たとえ手技的に未熟な胸骨圧迫であっても、するのとしないでは大違い。
昔と違って、間違って心臓が動いている人に胸骨圧迫(心臓マッサージ)をしてしまった場合でも、リスクは問題にならないと明言されている時代です。
質はともかく、裾野を広げることが最優先課題。
私は今、いくつかの異なった資格・立場で心肺蘇生を教えていますが、インストラクター資格というのはある意味、窮屈なものにも感じています。なぜなら、それぞれの団体のやり方や制約の元、教えなければいけないから。
いちばんいいのは、いろいろな団体で指導員になるための勉強をさせてもらって、必要に応じて講習内容を使い分けるとか、究極には各団体のノウハウを盗んで、自分自身のやり方で受講生に合わせた形の講習をアレンジするということなのかもしれません。
とにかく私は、公式な講習会のときだけインストラクターとして振る舞うような人間ではなく、いつでも誰にでも求めがあれば心肺蘇生法を伝えることができる「個人」でありたいと思っています。
いまでは、「CPR&AEDパーソナルトレーニングキット」がありますからね。文字通り誰でもそれが可能な時代になっています。
ないって.
そして,さくらさん達とともに新しい指導グループを立ち上げる事にしました.名
付けて“命のバトン”HP作成は済んで,独自ドメイン名に悩んでいる最中です.今日
も僕の家に集まって話し合いです.
主旨は,医療とかインストラクターとかの資格にこだわらず,指導側も受講側も一
般市民同士同じラインの上に立って,心肺蘇生法を学ぶ.そして命の大切さを学ぶ事
です.
書き始めるときりがないので,HP案を仮UPしました.
http://www.fukui-bls.com/relay/index.html
ドメイン取得して正式にUPしたら,またご連絡します.
カードは独自に作成したものを,講習を受けていただいた事に対する“感謝状”と
して渡す予定です.完全無料では活動が続きませんので,ちょっとだけ費用を頂く予
定です.
このようなボランティア団体がたくさん出来て,気軽に学べるような社会が出来れ
ばと思っています.それで興味がわいてきた人はAHAでもMFAでも消防でも日赤でも,
いろいろな講習を受けていただければよいわけです.
長くなって申し訳ありませんが,ブログの内容と接点がありましたので,メールで
はなくブログにカキコしました.
今時点では、私はボランティアでの指導「しか」したことがありません。
特に指導員資格というものを持ち合わせていないので当たり前ですね。
でも、やっぱり裾野を広げることが救命率をあげます。
私がいつもいつも言っているPay it Forwardの精神はただそのことだけを目的としたひとことです。
すばらしい企画を温めてらしたんですね!
いつも励みになる話をありがとうございます。
> このようなボランティア団体がたくさん出来て,気軽に学べるような社会が出来ればと思っています.
ホントそうですよね。
気軽さっていうのがポイントだと思ってます。
今回、mimimiさんからこの話を聞いて、私も俄然やる気が出てきました。
以前から地域でのボランティア活動を考えていましたが、マネキンの個人購入も決まったことだし、mimimiさんに習ってCPR地域普及のための新しいサイト作りをはじめました。
町内会で宣伝したり、コミュニティーセンターに企画を持っていこうと思っていますが、何はさておき名刺代わりのホームページが必要ですもんね。
実は私の心肺蘇生法インストラクターとしての方向性は、mimimiさんの影響をだいぶ受けています。資格とか身分は抜きにして個人として積極的に活動していいんだ、しなくちゃと、思えるようになったのは自由に活動してらっしゃる姿を見せてくださったmimimiさんのお陰です。
これからも、活動の先輩として見習っていきたいと思います。
今回の記事はRicoさんのベビーマッサージ+乳児CPRのお話しを読んで、発作的に書いたものだったんですよ。もともとはRicoさんへの応援メッセージのつもり。(書いているうちに論点がぼやけて変な方向になっちゃいましたが)
講習会という改まった場所に行かなくちゃCPRが学べないという、ちょっと堅苦しい雰囲気を壊したいなと私は思っています。
そういった点でRicoさんの活動っていいなぁ、と思いました。
かしこまらず、自然の興味、流れでCPRを身につけられるなんて。
私も自分の特技を活かして、そんな自然な形での普及活動ができないか、
考えていきたいと思います。
どうもありがとうございました。
心肺蘇生法を教えるのに資格は必要ないという意見はもっともだとおもいました。
ただ、私が出あった、教える資格は持っていないけれど、教えたい!という熱意あふれるある団体の方は、かなり間違った内容を教えていらっしゃいました。
「見て聞いて感じる」は、傷病者の胸に耳を付けて鼓動を聞く事、ペースメーカーを使用している傷病者にはAEDは使用できない、などなど・・・・・。でも、その団体はその内容で堂々と救命講習を何回もされてます。
資格は必要ないにしても、人に教えると言うことは、教える本人が正しい知識と技術を身に付けて初めて成り立つのではないかなと思いました。
人の命を救いたい、救える人が一人でも多く増えて欲しいなら、まずは自分の技量を維持し、知識を維持するためにも、何らかの教える資格を持っておき、それから資格を云々せずに広めていく事が重要だなと、その団体の講習を受講してみて感じました。
普通救命講習を受けて、他の人にも心肺蘇生法を広めたいと思ったなら、まず、正しい知識としっかりした技術を身に付けてからにして欲しいです。
うろ覚えの内容では、教えてもらう相手も、傷病者も不幸です。
もちろん、正しい内容なら、他の方に教えるための資格なんて必要ないとは思いますが。