2007年12月10日

AHAインストラクターは、AHAコース以外で教えることができない??

インターネット上のとある掲示板で気になる書き込みがありました。

『当院ではプロバイダー・インストラクターが所属しているため、院内での勉強会などが盛んにおこなわれています。もちろんAHAインストラクターの資格があるかたは責務にのっとり直接講習会を開く事はしていません。』

AHA関連団体でも、所属長の考え方で方針や雰囲気がずいぶんと違うものだというのは認識していますが、このような理解の仕方って一般的なのでしょうか? 皆さんの所属サイトではどうなのか、ちょっと聞いてみたくて取り上げました。

私は、AHAの規則的にはまったく問題ないと思っています。

もしかしたら、PAMの71ページ、"Instructor Status and Alignment"という見出しのところに書かれている"Any Instructor who is not aligned with a TC is not authorized to act an AHA Instructor."という一文がこうした理解の原因になっているのかぁとは思ったのですが、、、。

AHAの規則以外に、各トレーニングセンターが打ち出しているローカルルールがあります。ネット上で公開されているそれらのローカルルールと照らし合わせても、AHAインストラクターが院内で独自に勉強会としてコースを開いたり、他の団体のインストラクターを兼任することは問題ないと思うのですが、どうなんでしょう?

もし本当に「AHAインストラクターだから、他では教えられない」と信じているとしたら、あまりにもったいないと思うんです。だってそうでしょ? 世界最高峰の「教える技術」を学んでいる人たちなんですから。

この点について、皆さんからの情報や意見がありましたら、ぜひお聞かせ下さい。

ちなみに私はAHA-BLSインストラクター以外に、消防の応急手当普及員としても個人活動をしていますが、指導方法は思いっきりAHA式でやってます(DVD教材こそは使っていませんが)。また、勤務先の病院内ではAHAで培ったノウハウを活かして院内BLS教育プログラムの作成・指導/院内インストラクター養成にもあたっています。

皆さんはAHAインストラクターとしての立場を、AHAコース以外で社会還元していますか?
posted by めっつぇんばーむ at 02:24 | Comment(8) | TrackBack(0) | PAMを読み解く
この記事へのコメント
 これは誤解でしょうね。別のコースで教えてはいけないと言う決まりはないはずです。JAAのホームページにはっきりと書かれていたのですが、別のコースで教えてはいけないと言う事ではないと言う文はなくなっています。

http://acls.jp/instructor/instructor03.html

 DVDは使って良いはずです。もちろんお金を取るのであれば、AHAの認定コースであるべきでしょうが、、、、別のコースで教えている時に私はAHAインストであると宣言するとAHAコースと勘違いされるのがまずいと言うだけでしょう。
Posted by Kim at 2007年12月10日 07:25
ご紹介いただいた掲示板の書き込み、何なんでしょうかね?

私はAHAコース以外にもスタッフとして参加して、受講者の皆さんのお手伝いをさせていただいていますが、それは私の所属長をはじめ周囲の人達も知っているし、そのことで注意を受けたことはありません。おそらく私の所属長は、相談すればAHA以外のコースについてもアドバイスしてくれそうなくらいの雰囲気ですよ。(優先させるのはAHAコースですけど(^^)

私も、自分の所属のいわゆるローカルルールを久しぶりに読み直しましたが、特に問題なさそうだし・・・

繰り返しになりますが、所属長や周囲のAHAインストラクターの皆さんからは、そんなことを言われたことは一度もありませんよ。

私もkimさんと同意見、ただの誤解・勘違いだと思います!
Posted by IDFU at 2007年12月10日 09:23
 インストラクターネットワークにAHAのホームページから登録する際,兼任している他のインストラクター資格はありますかという質問で,選択枝に
American Red Cross Instructor
Medic First Aid Instructor
National Safety Council Instructor
American Safety and Health Institute Instructor
の4つがありました.このような質問がある事自体,兼任はOKという意味であり,登録をしていないから知らないんでしょうね.

 ボランティア活動も義務づけられていますので,ボランティアでAHA以外の講習を行ったりしています.これは重要でしょうね.
Posted by mimimi at 2007年12月11日 07:24
そういえば、諸々の問題を解決?するための「日本AHA-ITO連絡協議会」なるモノが立ち上がったとずっと前に何処かで見ましたが、その後どうなっているかご存知の方いらっしゃいますかね…めっつぇんばーむさん?
受講生の混乱を解消するためにも、必要だと思います。そんなの関係ねぇ〜とは言えない状況もありますし、現実問題を知る必要はあるような気がするわけです…
Posted by まつけん at 2007年12月13日 00:09
皆さま、ご意見ありがとうございました。

「AHAインストラクター(日本ACLS協会インストラクターを含む)は
他のコースでCPRを教えてはいけない」
というのは誤解、ということで皆さん一致なんですね。安心しました。
どこをどう解釈したら、そういう理解になるのかなと私なりに考えてみました。

JAAの公式ウェブにあるBLS Instructorの説明文の中にはこんな文章があります。(http://acls.jp/instructor/instructor12.html

・コースディレクターの許可なく どこか他の場所にいって勝手にインストラクターをしてはならない。
・インストラクターはAHAの教材を用い、AHAの治療方法、教育方法から逸脱してはならない。

この部分だけを読むと、見方によってはAHAの教材・教育方法以外、つまりnon-AHAコースでは教えることができないと読めなくもないなぁと思いました。

まあ、他の部分を見れば、「AHAインストラクターはBLS,ACLSの普及活動においてAHA BLS,ACLSコースで教えることを優先する。AHAコース以外で教える時に自分がAHAのインストラクターであると名乗ったり公示してはいけない」なんて一文もありますから、決して他団体で教えることを全否定しているわけではないということはわかるんですけどね。

mimimiさんがおっしゃるように、AHAインストラクター資格の更新要件であるボランティアコースの開催or参加について考えれば、自明なのですが、このあたりの話があまり公然と語られたことはない気がします。今度取り上げてみようかなと思います。

まつけんさん、「日本AHA-ITO連絡協議会」なんてものが存在するんですか? 初耳です! 一見公式な交流がなさそうに見える各ITOですが、新しいBLSプロバイダーマニュアルとかインストマニュアルを見ると、監修者として各ITOの代表者が名前を連ねています。こうしてITOをまたいで翻訳監修作業がされている事実を考えると「日本AHA-ITO連絡協議会」のような体制は事実としてあるんでしょうけど、肝心な問題にはあまり踏み込んだ議論がされていないのかなぁ。
Posted by めっつぇんばーむ at 2007年12月15日 01:32
連絡協議会については、前号か前々号か、さらにその前の号?(はっきりしなくてすみません)のCurrentsの裏表紙に,ちょこっと記事がありました。

Currentsを職場に置いてきてしまい、手元にないので曖昧で申し訳ありませんが『ITCの違いによって、インストラクターのインストラクション内容に差が出ることがなくなるように・・・』とか書いてあった気がします。

私も興味深かったので、その後「なにか関連記事ないかな♪」といろんな雑誌とかネットとか意識して見てるんですけど・・・情報が途絶えてしまって、動きがあるのか分からないですね。
Posted by IDFU at 2007年12月15日 04:42
IDFUさん、情報ありがとうございました。
Currentsの日本語版に載ってたんですね!

たしか最後のところに日本蘇生協議会からのお知らせ、みたいなコラムがありましたよね。いつもタダで読める英語PDF版しか見ていなかったもので盲点でした。

そういえば、これまであった日本蘇生協議会経由での日本語版が廃止になったとウェブに書かれていましたね。この先はアメリカAHA本部のウェブから配信されるというようなことが書かれていた気がしますが、これについて詳しいことをご存じの方、いますか?

英語版同様、日本語版もPDFで無料ダウンロード、なんてことになったらうれしいのですが。
Posted by めっつぇんばーむ at 2007年12月15日 12:37
すっかり質問を投げっぱなしにしてしまいました;;(ちょっと遠出していまして…)

めっつぇんばーむさん、IDFUさん、ありがとうございます。なるほど、Currentsが元ネタだったのですね!

Currentsは今後webで日本語版が閲覧できるようになるようなので、楽しみにしています。

心肺蘇生、蘇生教育に関する最新のトピックスが誰でも母国語で見れるようになれば、より広い議論ができるようになっていきますね。
Posted by まつけん at 2007年12月18日 21:30
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