NURSE SENKA(ナース専科) 2007年10月号
キャリアアップ・インタビュー:目標を見つけた私の「資格・学び・出会い」
「ACLSプロバイダー」 ……茅ヶ崎徳洲会総合病院 佐藤哲也
看護師がACLSプロバイダー資格を取って、それを仕事に活かしているという体験談と、「ACLSプロバイダー資格を取るためには...」という資格ガイドな感じの記事です。
立ち読みしただけなのですが、確か3ページくらいだったかな。
茅ヶ崎徳洲会病院といえば、日本ACLS協会発祥の地。
いわば日本のACLSの草分けです。そんなあたりの宣伝もさりげなくされていました。
影響力のある中堅看護雑誌でこれだけはっきりとPRされると、宣伝効果はかなり強いんじゃないでしょうか。
看護師のAHA-ACLSプロバイダーは、まだまだ少ないですが、これからはもっと増えていくのかな。ACLSは難易度も受講料も高いというところがかえってナースの心に火をつける、なんて部分もあるのかも。
私のACLSプロバイダーカードはとっくの昔に失効してしまいました。
日本語マニュアルの発刊も近いようなので、そろそろ再受講を考えています。
そして目指すはACLSインストラクター。
きっと医師以外のAHA-ACLSインストラクターはまだ日本にはほとんどいないはず。今ならがんばるだけの価値もあるかなと思ってます(ただの自己満足ですけどネ)。
救急マニアックです。
AHA-ACLSプロバイダーコースは最近になって当院でも看護師の受講生が少しずつ増えてきたように思います。また、その影響もあってか看護師の受講希望者も増えています(毎日コースの紹介に追われています)。
自分も最近AHA-ACLSプロバイダーコースを受講し、認定を受けましたが、ICLSコースより内容は濃かったですね。受講してよかったとは思いますが、2日間コースはさすがに疲れました。ただ心停止のみではなく、徐脈や頻脈に対する処置や薬剤(ベラパミルやジルチアゼム、アデノシンなど)の知識が身に付いたことで、臨床での応用力も身に付いたんじゃないかなあ〜と自己では感じています。
めっつぇんばーむさんもG2005のAHA-ACLSプロバイダーコースを受講してみてください。自分はG2000コースを受講したことはありませんが、非常に内容がシンプルになっていますよ(めっつぇんばーむさんにとってかなり楽に感じるかも…。まあ、AHA-BLSコースでのインストラクションを思い出してみても、また記事の内容を見ても十分すぎるくらいの知識をお持ちであることは明らかですからね)。プロバイダーマニュアルも日本語版がなくても十分に勉強できます。自分は『ハンドブック』と『心血管治療のガイドライン2005』で勉強しましたから。
つい先日、看護師である某協会BLSインストラクターからAHA-ACLSインストラクターを看護師が行うことは果たしてよいものか疑問に思うということを言われました。
自分としては知識やスキルがある程度しっかりしていれば看護師や救命士がACLSインストラクター資格を取得しても良いと思っています。自分が受講した際にも、結局高度な専門的知識の質問をされても、『AHAではこのように考えられているので…』とか『AHAではこの薬剤を使用するので…』といった答え方しかしてませんでした。それだったら医師のみ限定してインストラクターにする必要はまったくありませんよね。
めっつぇんばーむに負けないように、自分も今後AHA-ACLSインストラクターを目指して頑張りたいと思います。そしてこれは一つの案ですが、医師は十分にACLSコースを受講するチャンスがありますが、看護師や救命士、コメディカルスタッフにはいまだ制限されているようですので、受講者を医師以外のスタッフに限定したAHA-ACLSプロバイダーコースが開催できたら良いと思いませんか?そうしたら伸び伸びとインストラクションできそうですし、医師に囲まれて受講するとなると引いてしまうようなコメディカルスタッフも積極的に応募してくるような気がするのですが…。
とりあえず、自分も『目指せ、ACLSインストラクター』
ACLSは3年前に受講して以来、私の病院ではナースで受けた人は誰もいないのが現状。
ICUとか救急センターのナースとか誰か一人くらい手を挙げる人がいてもおかしくないのに。(ちなみにナース数500名ほどの病院です)某協会のトレーニングサイトが近隣に複数あって、決して受けにくい環境ではないのですが、病院の雰囲気自体が違うんでしょうね。
救急マニアックさんは、最近受講されたんですね。
実は私も先ほど正式に受講申し込みが受理されました。年末に受講、本決まりです。翻訳本の出版が間に合うかはわからないけど、とりあえず日本語の資料もいただけるようで、一安心。
前回ACLSを受けたときは、ただ興味があって勢いで受けただけでした。ただただ場違いなところでなんとかやり過ごしたという感じで、告白すると敗北感というか分不相応のところに来てしまったというのが正直なところでした。以来、ACLS領域にはあまり踏み込まず、まずはBLSを! と思い、それだけでこの数年間過ごしてきました。そんなわけで私のACLSの知識はかなりまずいことになっているはず。かなり気合いを入れなくちゃ、です。
ナースがACLSインストラクターになることの是非ですけど、AHAの基準でDr.じゃないとダメみたいなことが何もないのであればno problemだと思っています。これはBLSでも言えることですが、CPRの実践経験がない人はインストラクターにはなれないなんて言ったらどうなっちゃうんでしょう? 薬物投与や挿管など免許的に無理があるのは事実ですが、ICLSではナースや救急隊員(医療資格無し)がふつうにインストラクターをやっているわけですし、既成事実としてもまったく問題ないと思っています。公的資格としての医療のバックグラウンドがない方で、AHA-ACLSインストラクターになった方も実際にいますしね(スキル、知識、経験ともにすごい方です)
救急マニアックさんの提案、いいですねぇ。
私が受講したサイトでは、医師以外の受講生限というのはなかったですが、地域によってはそういうところも少なくないんでしょうか?
これは某ファカルティさんとよく話していることなのですが、麻酔科学会とか循環器学会としてトレーニングサイト(正式なAHA-TSかは別として)を持っているところがあるけど、なぜ規模は段違いに大きいはずの看護協会がトレーニングサイトを作らないのはなぜだろう? と。まあ、それを言ったら日本蘇生協議会に医師会や日本ACLS協会、各種学会が入っている中、看護協会が入っていないのも不思議なのですが、これからは看護師が母体となってトレーニングセンターを作るという発想が出てきてもおかしくないと思うんです。医師よりナースの方が圧倒的に人数が多いし、需要も多い。それにBLS普及も言ってみれば保健指導、つまり看護師や保健師の正式な業務の範疇とも言えるわけです。どう思いますか? 実はこのあたりの話は、別ネタになりますが、学士(看護学)を取る上での私の論文テーマだったりします。それが落ち着いたらどこか公式な場に発表したいなと密かに計画中(^^)
本日、たまたま2度『AHA-BLSインストラクター日記』を見たら、コメントをいただけていたようなので、再度こちらからコメントを書かせていただきます。
確かに看護協会でトレーニングサイトを作らないことに以前から疑問は感じていました。日本看護協会がダメなら、日本救急看護学会でサイトを作ってもいいんじゃないかなあ〜と思っています。
AHA-BLSコースはともかくとして、AHA-ACLSコースは医療行為の内容が入っていますので、一人必ず医師を確保してコース開催しないといけないと思いますが(コースの質を保持するためにも)、何とかコース開催は出来ると思うんですよね。もし、看護協会でAHAコースが開催されれば看護師間で普及が急速に進むと思います。
ただ、日本の看護教育は非常に古臭くて、いつまでこんなことを教育しているんだと言いたくなる内容が多く盛り込まれているのが事実です。勉強は座学中心で演習も少しは増えてきていますが、ごく少時間。救命士養成学校のカリキュラムと比較してもシミュレーション実習にかけている時間に雲泥の差があります。つまり、実践的な教育がなされていないということです。また、知識やスキルの習得よりも患者・家族の心理面を含めた援助の方に教育が傾きすぎているような印象も受けました。確かに我々看護師にとって患者・家族の身体的・精神的援助を行うことは重要な業務の一つです。ただ、特に救急現場の場合、心のケアのみでは患者の命は救うことは出来ません。確実な知識やスキルがやはり必要になってくると思うんですよね。
救急隊と医師に対する外傷教育コース(JPTECとJATEC)が以前から盛んに開催されているにも拘らず、最近になってようやく看護師に対する外傷教育コース(JNTEC)が開催されるようになりました。看護教育(特に救急分野)が他職種と比較してワンテンポ遅れてしまっているのです。AHAコースが普及すれば、いずれは看護協会でもトレーニングサイトを作る動きが見られてくるのではないでしょうか。
資格を限定する必要はないと思いますが、なるのは難しいですよ。私は2000でインストコース受けましたが、その前にメガチャットというのがありました。つまり口頭試問です。BLSの時にはスキルチェックを受けるだけでしたが、ACLSはスキルチェックの代わりに口頭試問です。サイトによっては1時間も行われます。かなり突っ込んだ質問がされます。ICLSインストしているから大丈夫なんてレベルではありません。
受講生は循環器の医師も来るのですから、医師を教えるのは医師がやって下さいと言うのは甘えです。専門医にも対抗できる知識が必要です。マニュアルはまだ英語ですし、かなりハードルが高いです。
AHAがこう教えているからと言う回答は、救急マニアックさんが医師だったらすみませんが、高度な解答をするとコアスキルが身に付かないと判断したのだと思います。循環器の医師が質問したのであれば別の解答になったと思います。
アメリカでは救命士さんや看護師さんがインストしているようですが、日本のそれとアメリカのそれとではやれる事が違うでしょうし、単純に言えないと思います。
意欲があれば大丈夫でしょうがね、、、でも、個人的にはICLSの様に誰でもOKとは言えないと思います。BLSは医療従事者でなくても身に付けないといけませんから、医療資格がなくてもインストする人がいるべきだと思いますが、ACLSはどうなんでしょうかね、、、、看護師の仕事をした事がない人に看護理論を学ぶのと同じような感じになるのではないでしょうか?
偏見ですが、インストラクターの中には「俺はインストだから偉いんだ」みたいな人がおられますよね、、、それも看護師や救命士さんに、、、、失礼を承知で書きますが、あくまでインストであってもそれは講習会でのみです。実際の現場では医師がリーダーです。ガイドラインを知らない医師が変な蘇生をしようとしても、それはそれで正しいです。医師には治療方針を決定する義務があり、周囲はそれに従う義務があります。ガイドラインは盲目的に従うものではありませんし、、、、、そういう事を分からない人にはインストやって欲しくないですが、難しいですね。
看護協会のサイトはインストラクターがいないだけで、そのうちできるのではないでしょうか?
救急マニアックです。
AHA-ACLSプロバイダーコースはICLSコースと比較しても非常に難しいです。それは誰に口頭で説明されたわけではなく、受講した自分が一番強く感じました。しかし、難しい反面でこの内容をインストラクションできたらすごく成長できるかなと思わされたコースでもありました。
確かに、ACLSコースは循環器専門医を取得するために必須のコースとなりましたので、循環器医師も多数受講生として参加しています(自分が受講した際にもそうでした)。ガイドラインはガイドラインであって、全てが臨床でそのまま通用するものではないのですが、特に医師の受講生は臨床にそのまま使おうと思ってしまう方が多いようで、『この場合はこっちの薬剤の方が効果的だ』とか、『うちの病院ではこの方法で治療をしている』と様々なマニアック的な質問が多く出てきてしまうんです(看護師やコメディカルスタッフが聞いていてもそんなこと知らないよっていうレベルの話の内容でした)。薬剤に関しては、実際に同じような症例であっても使用する薬剤はその医師の好き嫌いで変わってきていますから、『この薬剤を・・・』と決めれば、不平不満が出てくることは理解できますが・・・。
確かに医師は治療方針を決定する義務があります。根拠があって治療方針を決定していればよいのですが、時々明らかに疑わしい治療方針だって実際にあります。周囲で働く看護師やコメディカルスタッフはそういった疑問の残るような治療内容や実施すれば明らかに悪影響を及ぼしかねない治療から患者を守る義務があります。何が何でも医師の治療方針に従って勤務するのは許されない時代になってきています。そういった意味でも、看護師やコメディカルスタッフは医師と同等の知識やスキルを身に付けていかなければいけないのではないかと思い、自分もACLSコースを受講した経緯があります。
インストラクターであれば素晴らしい、プロバイダーであれば未熟者。確かにそういった考え方をしているスタッフはいますよね。それば医師であっても、看護師であっても、救命士であっても存在します。インストラクターだから何が偉いのか、疑問に残りますね。ましてや臨床の現場ではそういったことはまったく関係ありませんし。そういった人間に対しては自分はあまり相手にしないようにしています。
これだけ価値のある資格ですから、ICLSコースのように容易にインストラクターになることは許されないと思います。ただそれだけの覚悟がって努力をしているスタッフであれば、看護師であっても、救命士であってもインストラクターとして活動することに制限する必要性はないと思います。看護師や救命士であっても医師よりもよっぽど出来るスタッフだってたくさんいますよね。最初に取得した免許だけでその後の一生を評価されるのはあまりにもさびしいです。
自分自身も精一杯努力をして、みんなに認めてもらえるようなインストラクターになれればと考えています。
おっしゃる通りの意気込みであれば、是非頑張って頂きたいと思います。どこかでご一緒できると良いですね。
また何が何でも医師の指示に従うのはと言うお話ですが、そこが難しい所です。本当に何も知らない変な医師なら問題ですが、例えばACLSちゃんと知っているのに、それとは違った事をする場合が難しいです。
私の病院でも、聞いた話でも、救急外来では気管挿管をし、中心静脈ラインを入れます。これは間違いかと言えば、そうとも言えません。薬剤だってエビデンスレベルの高いものはほとんどなく、ガイドラインに載っていない薬を使う医師がいても、反論できるのは、ガイドラインには出てこないという理由だけです。循環器の先生はメイロンが大変お好きなのですが、それに反論する気持ちは私にはありません。循環器の病気は心臓さえ動けばメイロンで良い場合も多いのでしょうから。医師はそういう事もひっくるめて責任を持っているのですから、例えば看護師が口を挟む問題ではない場合があります。
以前イチローがセオリーとは違うプレーをした時に、記者達に理由は引退したら話しますと言ったそうです。つまり、素人、現場にいない人間に言っても仕方ないと言う事なんでしょう。治療もそういう事があります。
医師と同等の知識を看護師なども身に付けるべしと言う意見には申し訳ありませんが、反対です。別の仕事ですから、同等の知識を身に付ける必要はありません。また、基礎的な知識が違いますので無理だと思います。もし今の医師の現状に不満があれば、医師になるべきだと思います。ACLSは蘇生の基礎の基礎を学ぶだけで、それは共有すべき事だとは思いますが。
結局ACLSも、ACLSさえすれば患者さんは助かると言う幻想を持つ人がいる(これは医師にはあまりいないと思います)ので、注意が必要なんです。
変な事を言いましたが、救急マニアックさんは是非インストラクターになって活躍して下さいね!
私の新コースでの心配事は「こんなに簡単なことを教わるのに¥38000の価値があるのか?」と突っ込まれることです。今のところテキストが英語版のみ(既にゲラ刷りの日本語版が流出していますが)なので、確かに初めてACLSを受講する方には敷居が高いと「感じる」かもしれませんが、G2000ACLSの受講経験がある方々には「ヒジョーに物足りない」と感じられるに間違いありません。ICLSとの差別化に悩むこのごろです。
理由は、まず1日目の午前中の大部分がBLSの復習になったこと、ケースシナリオの部分がかなり削減されたこと、またこれ以上は専門医にコンサルトするという部分が安定した頻脈の中に多くあることです。ジルチアゼムやベラパミルの出番はほとんどありません。したがってコースを修了するのに薬剤の知識はほとんど要りません。気管挿管はコース内で扱ってはいけないことになりました(理由はわかりますよね?胸骨圧迫の中断10秒以内に確認までするのはまず無理だからです。O阪ACLSのビデオはやっていますが)。
そのかわりに蘇生チームの運営や蘇生処置の質の管理といった内容が重視されること、重要項目のリストが一つでもできていないと実技は不合格となるなど部分的には厳しくなりました。以前はなんちゃって胸骨圧迫でしたが、新コースではシナリオ終了まで本気の胸骨圧迫をしなければなりません。ですからタスクの少ない我がサイトでは受講生に休まれたり実技が再試になったりすると、インストラクションしながら胸骨圧迫もしなければばらないというすごいことになります。
ACLS内容の改訂の理由は、心肺蘇生のキモは「質の高いCPR」であり、「エビデンスのない薬剤や気管挿管ではない」ということに尽きます。また内容の単純化でコアーな部分に焦点をあてるという原則の徹底でしょう。
私の参加するコースでは2-3割が看護師で、時にその他のコメディカルの方が参加しています。その他はスタッフ医師と研修医が半々位です。今後は内科認定医と循環器専門医受験資格習得目的の受講生が増えるでしょう。
看護師の受講生は有名病院と大学附属病院のICU、CCU、救急勤務で経験数年のやや?若手の方が多いです。英語版のACLSを受講するくらいですから志は極めて高いですが、必ずしも実技と知識は十分ではなく「ウーン」と困惑させられることが多くあります(救急をやっていない医師でも同じですけど)。それでも2日間で実技も筆記試験(G2000よりも簡単で設問も減りました)に立派に合格されています。したがってBLSインストラクターにとってACLSの敷居が高いことは全く!あり得ません。ましてやG2000コースの受講経験があれば何をかいわんやです。
看護師さんなどのコメディカルの方がACLSインストラクター足りうるかですが、AHAのコンセプトとしてそのような規定がない以上は問題ないと思います。率直にいってACLS
に限らず、ECCプログラムのインストラクターは専門的能力を求められているのではなく、AHAのECCの理念の普及を第一に求められているのだと思います。米国でも看護師のACLSインストラクターが循環器科医にACSの講義をして、神経内科医に脳卒中の講義をしているわけですから。
でも確かに米国と日本のコメディカルのレベルの違いは留意すべきです。めっつえんばーむさんは学士を取られるとのことですが、米国の看護師は学士が最低条件、修士・博士も珍しくありません。ぜひ心肺蘇生法の教育についてで看護学博士まで取ってください。その過程でAHA学術集会に出たりしたら、世界が違って見えるに違いありません(初陣で集中砲火的な質問に答えられず撃沈された私でもそうでした)。
個人的には心臓電気生理学の知識のない救急医や麻酔科医が不整脈について循環器専門医にあーだこーだ言うのは内心(顔には出てるだろうな)納得がいかない面もあります。けどそんなことを言えば麻酔科医から循環器科医が気道管理など教えるなと反論されでしょうね。心肺蘇生法の普及の目的からすれば取るに足りないことです。看護師さんがACLSインストラクター足りうるかについても。
追伸:mimimi様
ハートセイバーコースのフルコースですが、関連の看護学校でG2005をやりました。もちろんテキストもDVDも英語でしたが、前もって心肺蘇生法について数回分の講義時間をもらいました。私はG2000でのコースを経験していましたが、他のインストラクターは始めてのHSコースでしたが、違和感なくできています。脈の触知やバッグマスクがないものの、小児のAEDがあったり、ケースシナリオが多い(これが大変)など、むしろHCP-BLSよりも濃い?コースと個人的には感じました。
ハートセーバーのフルコース,すばらしいですね.ケースシナリオが多いのは大変ですが,一般の方にはこれが重要ですね.緊急事態の経験がない分,シナリオで考えて行動する力を付ける必要があるのだと思います.“むしろHCP-BLSよりも濃い?”というご意見は,あたっていると思います.ハートセーバーで基本的な知識と1人法をマスターし,その上でHCPで2人法をマスターするのが正論なのかもしれませんね.
>Kim様
“医師と同等の知識を看護師なども身に付けるべし”というのは,医療の知識ではなく救命のプロトコールと言うことではないでしょうか?私は,AHAのコースは作法の一つだと考えています.救命のチームが同じ作法(プロトコール)で救命を行えば,全てがスムーズに進んで救命率が上がります.そういった意味では同等の知識を身につけるべきなのだと思います.
もちろん現実はAHAのシナリオ通りに展開するわけではありませんが,医師とそれ以外のスタッフが同じ講習を受けていれば,スタッフは“医師が次に何をしようとしているのか,何を欲しているのか”予測して行動できます.
ACLSもICLSも,個人で受講するのでは効果が薄く,一緒に働くスタッフ一同が受講することに大きな意味があると感じています.
(同等の知識が,ご指摘の医学的知識という意味なら,同等である必要はないと思います.)
そのプロトコール(作法)を指導するという意味では,ACLSのインストラクターは医師である必要はなく,看護師,救命士でも十分だと思います.また,受講生である医師からつっこんだ質問があったとしても,“他のインストラクターに確認し,後日,正式な回答を送ります”で十分だと思います.AHAの作法を教えるコースであり,それ以外の“余計なこと”に関してディスカッションする場ではありませんから.
受講生の要求もアメリカとは違いますから,その点はなかなか難しいと思います.
救急マニアックです。
Kim様には少し誤解を招くような表現をしてしまい、申し訳ありません。
“医師と同等の知識を看護師なども身に付けるべし”という意味は決して看護師が医師と同等に治療するという意味でもなく、また医師と同等の処置ができるようなスキルを身に付けるという意味ではありません。医師が出した指示に対してなぜこのような指示がこの患者に必要なのか、そして緊急時には次に何を医師が求めてくるのか予測して行動できるようにするために高度な知識を身に付けたいという意味です。時には単純な知識のみでは医師から出された指示の意図が理解できない場合だってあります。そういったことをいちいち医師に確認していたら、時間がかかるばかりではなく、業務を行う上での人間関係にも支障をきたすような気がします。
特に患者の急変時においては、指示されたものを用意する(実践する)のでは遅すぎますし、そういったレベルでは我々看護師も何のために国家資格を取得して業務についているのか疑問が残りますよね。実施する側も介助する側も暗黙の了解で息の合った行動がとれるのが本当の意味でのプロフェッショナルではないでしょうか。
mimimiさんの後半のコメントを読んでいて、ホッとしました。何か大切なことを忘れていたようです。あくまでもAHAコースはAHAのガイドラインを受講生に教える時間であって、臨床での難しい疑問や問題を討論する場ではありませんよね(そのようなことをしていたら時間がまったく足りません)。とりあえずAHA-ACLSプロバイダーコースに求められる知識やスキルをしっかりと身に付けること。まずはこれが優先です。
いつAHA-ACLSインストラクターになれるかは分かりませんが、末永く頑張っていこうと思います。
遅い夏休みで遠出します。
10月半ばくらいまでには、ゆっくりお返事させてもらうと思います。
2005のACLSは日本ではどうなのかな、、、、と思います。日本では必ずBLSを受けさせていますので、BLSはいらないと思います(シナリオの時に胸骨圧迫をしっかりするよう促せば良いと思います)し、気管挿管をさせてもよいと思いますが、、、、、アメリカではコースの質が結構落ちてしまい、2005では厳格になったと聞いています。ちなみに、独自のシナリオを使っても良いとAHAから言われているのですが、、、、試験のシナリオが決まっています(4つしかありません)ので、それの練習と言う事で、やはり独自のシナリオは使いにくいですね。
ちなみに、4〜5時間の気道管理を教ええるコースが出来ているみたいです。カードなどの発行はなく、インストの資格もありません。日本では今後これと一緒にするというのが流行るのかもしれませんね。
出遅れて申し訳ありません。積極的な議論からいろいろな示唆や学びを得ることができました。
皆さんからのご意見を踏まえた上での、私の考え方です。
AHAのACLSインストラクターに関していえば、市民であろうと看護師であろうと救急隊員であろうと、AHAオリジナルの制度として道が開かれているのは事実。開かれている以上、理由はどうであれチャレンジしたいと思う人はすればいいし、分不相応でふさわしくないと考える人は留まればいい。
私の身の回りには、HCPコースを受けたいけど医療資格がない故に何ヶ所でも断られたという人がたくさんいます。中には最終的にはアメリカまでコースを受けに行って、民間人にBLSインストラクターなんてとんでもないと言われていた時代に、アメリカであっさりとUS-BLSインストラクターになって帰ってきました。そういう気概の人たちはいま先駆者となって変わりつつある日本のこの世界の舵を切っています。
ACLSインストラクターに関しても、医療界全体の向上のモチベーションとしては大きな効果があるはずです。
こういう話になると「看護」という言葉が妙に引っかかりになってしまうのですが、私は看護師の専門性とかを口にする前に、医療人であるという大元のレベルで考えています。看護師は業務独占として医師/歯科医師以外に診療に関われる唯一の存在。今の看護界ではcareではなくcureな方向に向かうのを好ましくないとする風潮がありますが、もともと診療補助と療養上の世話は並列関係の二本立てなのを忘れてはいけないとも思っています。
皆さんの御意見を聞いて、いろいろ書くべきことはもっとあるのですが、長くなりそうなので、一度筆を置かせてもらおうと思います。
地獄の一週間(?)を終えて、その大部分が理解できる自分に心底驚いています。
次元の違うコメントで申し訳ありませんが、
基本中の基本・・「学びの自由」を奪うことは誰にもできません。
そして身に着けた知識は誰のものでもなく、自分だけのものです。
資格がこうこうだから、ここまでしかやっちゃだめ!というのは非常〜〜にナンセンスだと思います。
ACLSインストラクターになろうと決意すること(あくまで決意することは・・です)も自由です。
「それが本当に必要なの?」というのもきっと愚問です。
AHAがそれを制限していない以上、受講は自由であり、それが認められたらインストラクターも可能なのです。
私にとっても大きな励みになりました。ナースの立場で心電図がニガテ〜なんて言ってられませんね。私も12月の受講に向けて勉強しなくちゃ。
たぶん、私、勉強することが嫌いじゃない方だと思うのですが、そんな自分が救急医療という分野に興味を持てたことは幸せなことだと思っています。なぜなら果てしないテーマで、いくら勉強してもきりがなく、それでいて、着実にやりがいがあることだから。
医療従事者には生涯学習が求められているなんて言われていますが、この世界に足を踏み入れられたRicoさんもきっと同じだと思います。勉強すればするほどおもしろくなって、もっともっと知りたくなってくる。ただ知るだけではなく、BLSインストラクターとしてそれを社会還元する術もある、これって一生のテーマとして、すごい充実したことだと思うんです。
これからも一緒にがんばっていきましょうね。
RicoさんのACLS受講日記にトラックバックさせてもらいましたが、どうも送信がうまくいかなかったようなので、URL、貼り付けさせてくださいね。
「ACLSプロバイダー受講、取得」
http://blsrico.blog118.fc2.com/blog-entry-21.html
むしろ,テキストに書かれていること試験で問われることはとてもベーシックなことなのですが,ですがそのベーシックなことすら実技であるいは現場で使えないかたに使えるように有機的に導きだすことが大事なのではないでしょうか.
レクチャーすることとは違いますもんね.
言い換えれば,レベルが様々な混成集団のそれぞれのレベルに応じて臨機応変に,コミュニケーション・スキルを駆使して対応し,要求されたレベルにまで仕上げていく,ことがインストラクターの役割なんだろうと思います.
決して,自分の知識や信念を相手構わず押し付けるものではないわけです.それを自然に遂行できてしまう,AHA教材様様ですね.
> レベルが様々な混成集団のそれぞれのレベルに応じて臨機応変に....
実際問題難しいですよね。私のところではHCPコースに一般市民の方もたくさん参加されていて、市民、ナース、循環器Dr.なんて混成集団がよくあります。
高度な気道確保がなされた場合の換気とか、状況設定の仕方とかかなり気を遣います。おんなじバックグラウンドの人だけだといかに楽か、と思います。
でもそこが腕の見せどころなんですよね。精進していきたいと思います。