2007年08月16日

ペット(動物)の心肺蘇生!?

日頃、BLSを中心とした心肺蘇生については、人並ならぬ関心を持っていると自負している私ですが、今まで考えてもみなかったことがあります。

それは動物への心肺蘇生―。

飼っているペットの呼吸が突然止ってしまったらどうしたらいいの??

人工呼吸? どうやって?
胸骨圧迫? 仰向けに寝かせて胸を押せばいいの? でもどれくらいのリズムで押せばいい??

わかりません。

そもそも動物に心肺蘇生を行なおうという発想すらなかったと思います。

なぜ急にこんな話を始めたのかというと、どうやら世の中には動物への救命処置を教える団体があるようなんですよ。

『ペットの救急救命ライセンススクール』
http://www.petman.co.jp/rescue/


もし、あなたの目の前で事故・急病でペットが倒れたら・・・
あなたには何ができますか?
もし、少しでもできることがあれば助けられる命があるのです。


目的語がペットになっているだけで、人間相手の救急法普及の常套句とまったくおんなじですね(笑)

核家族化、少子化などもあって、ペットの果たす役割が大きくなっていると言われる現代日本社会。ペットも家族の一員と思えば、ペットの救命処置に関する教育もあってもおかしくはないのかもしれません。

それにしても、この発想にはびっくりだったなぁ。

考えてみれば獣医というのは動物の心肺蘇生を職業的に手がけているわけで、獣医業界ではそんなことは常識なのかもしれません。でも、それを民間向けに普及させようという発想には恐れ入りました。

人間の場合は、特に成人には突然の心停止のリスクがありますので心室細動にターゲットを絞った救命処置が最重要と的を絞れますが、動物の場合どうなんでしょう?

そのあたりがまったく想像もできません。


余談になりますが、動物もモニター心電図をつけると人間と同じ波形がでるんですね。動物、といっても私が見たのはブタの場合でしたが、ちゃんとP-QRS-T波があって、VF(心室細動)も人間とまったくおんなじ。

もしかしたら、至極あたりまえのことなのかもしれませんが、これまで人間の体のことしか勉強してこなかった私には意外な事実でした。

そのときは実験用のブタを使って、消化管手術のシュミレーションを行なうという研修だったのですが、術中にVFになってしまったらオペ中断して開胸心マ。そして人間と同じ除細動をかけて救命し、手術を続行させるというものでした。手術手技の練習より、そういう救命処置の方がいろいろ考えさせられて印象に残っています。

当時は除細動にもさほど関心がなかったので、どれくらいのジュール数で除細動をかけたのかは忘れましたが、そんな体験を思い出すと、やっぱり動物でも蘇生手技はおんなじなんだなぁと改めて思った次第です。

呼吸器系のトラブルであれば、人工呼吸と心臓マッサージで息を吹き返す可能性もあるかもしれませんが、心臓系のトラブルだったら除細動はどうするんでしょう? まさか人間用のAEDを使うわけにも行かないし。。。胸骨圧迫を続けながら獣医のもとへ急ぐんでしょうか? それにしてもふつうの町中の獣医さんには動物用の除細動器はあるものなんでしょうか? うーん、考えれば考えるほどナゾです。

人間のBLSを究めたというあなた! 次へのステップアップとして動物相手のCPRもマスターしてみるのはいかが?(笑)

(哺乳類はいいけど、爬虫類、両生類、魚類はどうなんだろう??)
posted by めっつぇんばーむ at 23:51 | Comment(5) | TrackBack(0) | AHA-BLSインストラクター
この記事へのコメント
はじめまして・・・。最近BSLやACLSに興味があり検索しているときにこの日記に出会い読ませていただいています。ワンに対する心臓マッサージのやり方は本当にありますよ。私の昔のワンも先天性心疾患で心停止の時に備え獣医さんに教えて頂きました。
ワンの心電図もきちんと人間と同じに波形も出るし読み方もほぼ同じですよ・・・。確かに人工呼吸は教えてもらいませんでしたけど・・・。
ワン達に対する救急対応があっても私はおかしくないと思いますけど・・・そう考える私が変なのでしょうか?
Posted by キャラ at 2007年08月17日 15:29
興味ある話題ありがとうございます。
亀のCPRもあるらしいですよ。圧迫できないので、しっぽか足を引っ張るとか聞いた事あります。でも亀の呼吸や脈の確認ってどうやるんでしょうかね。
Posted by Kim at 2007年08月17日 17:33
キャラさん、コメントありがとうございました。
ヘンだなんてとんでもない! 私の認識の低さが現れた記事とご理解下さい。

ペットを飼っていない私には動物のCPRなんて考えたこともなくて、とても斬新に思えたという単純な驚きだったんです。獣医さんやペットショップなどの業界ではしごくあたりまえの話なのかもしれませんが、恥ずかしながら私が知らなかったものでして。犬の胸骨圧迫というと犬の大きさにもよりますが、乳児や小児のCPRに準じる感じと思えばいいんですかね? でも犬の体系によっては仰臥位にするのが難しい気が。。。

kimさん、亀のCPRですか??
マジメな話なのに恐縮ですが、もう私の想像の域を越えていてなにがなんだかわからなくなってきました。カブトムシとか蛇向けのCPRなんかもあるんでしょうか??
Posted by めっつぇんばーむ at 2007年08月18日 16:25
めっつぇんばーむさんお返事ありがとうございます。
なんだか変なん気を使わせるようなコメントすいませんでした。ワンの場合は、側臥位で両側の肋骨を手で挟む感じですよ。ただ我が家のワンは小さかったので片手で両肋骨を挟むように?表現が難しいですがやりました。後は本当に1分でも早く動物病院へ急いでいき獣医さんに薬剤投与や挿管してもらったような気がします。他にも色々なCPRってありそうな気がしてきました。
Posted by キャラ at 2007年08月20日 10:49
側臥位で胸骨圧迫するんですね!
乳児の胸骨圧迫は抱きかかえながら歩きながらでもできますが、それとおんなじ感じなのかな。(シェパードなんかには無理ですけど)

キャラさんは実践経験がおありなんですね。
貴重なお話しをありがとうございました。
Posted by めっつぇんばーむ at 2007年08月29日 00:27
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