そのため、AHAのBLSインストラクターは受講生の動きを見ながらストップウォッチで時間を計ることになっています。(インストラクターマニュアルで求められているのは胸骨圧迫の速さの部分だけですが)
アメリカ心臓協会(AHA)が出している「インストラクターズ・パッケージ」(Instructor's Package : BLS for Healthcare Providers)というBLSインストラクター向けのテキストとDVDのセットを買うと、中にはわざわざストップウォッチも入っていたりします。それくらいに、この時間管理は重要なことのようです。
受講生からすると胸骨圧迫30回が終わるやいなやピッと小さな音が聞こえるはず。実技試験の時も当然、このピッ音はたびたび聞こえてきます。
当の受講生は練習に精一杯で、もしかしたらあんまり気になっていないかもしれませんが、あのピッという音で、自分のやっていることが「評価の目」で見られていると感じてしまって、もしかしたらプレッシャーなんじゃないかなぁ。「心地よい満足感のもとで技術を習得してもらう」というAHA教育の精神からしても、あのピッ音は「試験っぽい」イメージがしてあまり好ましくないような気がします。
ということで、あのストップウォッチの動作音を消したいと思うのですが、AHAのインストラクターズ・パックに入っているロゴ入りストップウォッチには消音機能なんてたいそうなものはついておりません。そこで習熟したBLSインストラクターの中には、あえて音がしないストップウォッチを別に用意して使っているなんて話もありますが、せっかく持っているAHAロゴ入りストップウォッチをみすみすお蔵入りさせるのはもったいない!
そこで、やってみました! 「AHA純正ストップウォッチの消音化」の報告です。
◆ AHA純正ストップウォッチを改造 → 消音化
「AHA純正ストップウォッチを改造!」だなんて大げさなことを言っても、まあ、なんてことはない、内部のスピーカーの配線をちょんぎったというだけのことなんですけどね(^^;。きわめて単純な発想です。スピーカーの電線を切れば音は出なくなる、ただそれだけ。
説明するまでもないのですが、せっかく写真を撮ったので「改造」のポイントを簡単にご紹介しようと思います。
ステップ1:ストップウォッチ本体裏側の黒いネジを5本外す
細めのプラスドライバーでネジを5本はずすと、簡単にウラ面パネルがはずれます。その際、手荒にやると押しボタン部分やスプリングがどこかへ飛んでいってしまうのでご注意を。
ステップ2:基盤のスプリング2つを外してから、銀色のネジを4本外す
ネジとは別に2本の小さなスプリングがついていますので、なくしちゃうまえに外しておきます。それから4本の銀色のネジを外します。
ステップ3:赤いバッテリーが入った赤いパネルを外し、緑色の基盤を取り外す
電池が入っている赤いパネルを取り除くと緑色の基盤が見えます。これは特にネジ止めされていないので、つまめば簡単に取り外せます。緑の基盤をひっくり返すと、いくつかの部品がついた面が見えてきます。
ステップ4:スピーカーから出ている細い金属線をカットする
基盤の下の方に突いている黒くて丸い臼石のような形をした部品がスピーカーです。よーく見ると、スピーカーから極細の金属線が2本出て基盤にハンダ付けされているのがわかると思います。この線のどっちかをハサミでチョキンと切れば改造完了。
あとは元通りに組み立てててネジ留めするだけ。簡単でしょ?
もしいつか元通りに音が出るように戻したいと思ったら、ハンダ付けの部分をきちんと半田ゴテで取り外して導線にテープを巻くなりして絶縁しておく方がいいかも知れません。
バカみたいな小技でしたが、BLSインストラクターで誰か参考にしてくれる人がいたら幸いです。
でも、くれぐれも「改造」は自己責任でお願いしますね(^^)
コロンブスの卵ですね!是非やってみたいと思います。二つ持っているので、壊れても大丈夫!
ふたつ持ってるってことはACLSインストラクターもされているんですね!
音がしない物を探していましたが、手持ちのストップウォッチを改造するなんて思いもしませんでした。
無事、改造して音が出なくなりました!
めっつぇんばーむさんに感謝です。