比較的最近、BLSプロバイダーコースを受けた人が受け取ったプロバイダーカードのデザインが、どうもおかしい、ということが話の発端です。
そのカードというのが下記のもの。
そう、G2010時代の「BLSヘルスケアプロバイダーコース」と呼ばれていた時代の旧デザインカードだったのです。
今は、AHAガイドライン2015正式コースに完全移行しているのに、古いカードを出し続けているのって、いいの?
その答えは下記のとおりです。
歴代のAHAカードの遍歴が参照できる the Course Card Reference Guide という資料によれば、この旧HCPカードは2016年4月16日以降は、発行禁止になっていることがわかります。
したがって、2年後の2018年4月以降は、このカードは世の中に出回っているはずはなく、資格としては完全に無効であると書かれています。
しかし、おかしなことに2018年に入ってからも、このデザインのカードの発行を受けた人がいるらしいのです。
なぜ、古いカードが発行されてしまったか?
勝手な推察ですが、カード発行業務をしているトレーニングセンター(日本ではITCとも言います)が、古いカードをいっぱい買い込みすぎて在庫がはけていないんでしょうね。
AHAプロバイダーカードやインストラクターカードは米国AHAからではなく、AHAと提携した日本国内法人(ITC)から届きます。
ITCは、プロバイダーカードの原紙をAHA代理店から購入し、国内事務局で氏名や有効期限を追加印字して、受講者に送っています。
カード自体は24枚単位で販売されており、通常、ITCはそれを何百枚も事前購入してストックしているのです。
ガイドライン切り替わりの時期だと、デザイン変更の可能性があるものですから、購入数・ストック数は慎重に調整していくものです。そして、新コースに移行した後は60日という移行期間が設定されますので、その間に旧カードはすべて吐けるように調整していくのがトレーニングセンターの役割です。
どうしても余ってしまったカードは、代理店に返品できるといいのですが、受け付けてくれないみたいで、結局捨てることになります。
それにしても、2年以上たった今も古いデザインのカードを出し続けているとすると、ずいぶんと買い込んじゃったんだな、もしくは、コース開催数があまりないところなのかな? と推察します。
受講者への不利益は?
さて、不幸にもこの旧カードを最近受け取ってしまった受講者はどうなるのか?
まあ、日本国内での話なら、気にしなくていいと思います。
そもそも日本でこのカードを資格として提出しなければいけない場面というのは、あんまりないはずだし、資格提出を求める立場の人も、このカードが公式には無効だなんて知らないと思いますので。
ただ、問題は、米国に留学するとか、米国で働く、米国の何かの資格認定のための提出が必要という人の場合です。
米国内では、このカードはもう出回っていませんし、無効であるとはっきり宣言されているわけですから、通用しない、もしくは偽造と疑われる可能性があるかもしれません。
その点、心配な人は、発給を受けたトレーニングセンターないしは、受講したサイトの事務局に新しい現行のBLSプロバイダーカードの再発行を相談(というよりクレーム?)してもいいかもしれません。
その場合の根拠となる the Course Card Reference Guide は米国AHAのウェブサイトで、誰でも見れる形で公開されていますので、リンクをたどってみてください。