2015年10月にAHAガイドライン2015が発表されて、日本国内のAHA講習は基本的にG2015準拠に切り替わっていますが、いま開催されているのはG2015正式講習ではありません。
G2015 Interim Course、つまり暫定版です。
Interim(暫定)コースとは何かというと、古いガイドライン2010のDVDとテキストを使いつつ、G2015の変更を加味した展開をする講習のこと。
新しい教材が出来るまでの「繋ぎ」としてAHAが公式に認めた措置です。
実技試験も筆記試験もG2015準拠に変更されていますので、学ぶ内容はG2015といって間違いありません。
しかし、暫定コースはあくまでも暫定コースであって、正式なG2015講習ではありません。
暫定コースで整合性が図られているのは、蘇生科学に基づく変更だけです。
今回のG2015の改訂の多くは、蘇生科学の部分ではなく、教育工学の部分です。そこがまったく反映されていないという点では、G2015正式版とは「相当違う」と言わざるを得ません。
暫定コースの教材設計のベースはG2010であって、そこからはみ出して齟齬が出てしまう部分だけをどうにか修正したという最低限ギリギリG2015と言える内容です。
いま、日本で開催されているG2015講習というのは、基本的に全部G2015暫定コースです。
米国ではすでにG2015暫定コースの開催は禁止されていて、G2015正式版に全面的に切り替わっています。
日本では特例措置として日本語DVDとテキストが出るまでは、暫定コースの開催が認められています。
秋から冬くらいになると、G2015正式教材が日本語化されるのではないかと思います。
そのタイミングで日本でもホンモノのG2015時代が始まります。
技術を必要としている人にとっては、必要と感じた時が受講すべき時です。
暫定版でも正式版でも習得する技術には変わりません。
しかしAHA講習から教材設計や教授システム学(インストラクショナル・デザイン)を学びたいという人にはG2015正式版をお勧めします。
日本語正式版のDVDとテキストが発売されても、地域のトレーニングサイトが正式版に移行するまでにはタイムラグがあります。それを狙って受講する人は、申込時に主催者にきちんと問い合わせたほうがいいでしょう。
日本語テキストが発売されてから半年くらいは、古いコースが残っている可能性がありますから、来年の夏くらいまでは要注意です。