すっかり出遅れた感じですが、G2015のBLSプロバイダーコースについて書き留めておきます。
私たちは去年の12月から、G2015 Interim(暫定)コースに移行していますが、2月16日にはG2015正式版のBLSプロバイダーコース教材【英語版】がリリースされました。
これを持って米国では、G2010準拠コースの開催は禁止となっています。
日本の現状を見ると、この4月からG2015暫定版に順次移行を始めた、というところが多いようですね。
おそらく米国では、あれから2ヶ月近く経ちますので、G2015暫定版もそろそろ駆逐されてきたのではないでしょうか。
今回、AHAはかなり本腰をいれて、日本展開を考えているようで、3月初めのAHA公式インストラクターアップデートカンファレンスでは、AHAの重鎮が揃って来日してましたし、前回の改訂の時は日本語化されなかった暫定コース教材も早々に公式日本語版がでました。
Life is Whyの動画に至っては、日本語吹き替え版まで公開されています。
この調子でいくと、今年の1月に出された日本語版教材リリースの見通しもホントに予定通りいくのかもしれません。
BLSプロバイダーコース【日本語版】の発売が2016年6月〜7月、ACLSプロバイダーコース【日本語版】が8月〜9月。
本当に6月に日本語版BLSが出たとしても、すぐに日本中が切り替わるのかというと、相当アヤしいと思います。いまだにG2015暫定版にすら移行せずに、平気でG2010版をそのままやっているところもありますから。
特にG2015正式版のBLSプロバイダーコースは、すごく難易度が上がりました。
難易度というのは、受講者にとってもそうかもしれませんし、なによりインストラクターに求められるものが完全に変わりましたので、開催する方の問題が大きいかと思います。
今回のG2015正式版BLSプロバイダーコースで大きく変わったところといえば、、、
・リアルの追求
・受講者の背景に合わせて実技試験で求められるやり方が変わる
・ディスカッションのファシリテーションが求められる(インストラクターに)
・デブリーフィング能力が求められる(インストラクターに)
・筆記試験はテキスト持ち込み可(つまり、知識を問う問題ではなくなった)
など。
今までみたいな、決められたことをロボットみたいにやればOKよ、という世界ではなくなったということです。
インストラクターの指導技術としても、これまではビデオ操作とフィードバックと実技試験評価ができればOKでしたが、今度は受講者に「答え」ではなく、「考える力」を身につけてもらう能力が求めらるわけです。
そのためテキストでもDVDでも、科学的な根拠に関する説明が増えたような印象があります。
G2015に対応したインストラクターコースはまだ発表されていませんが、相当ハードルが上がったと思います。これまでACLSやPALSインストラクターに求められていたのと同じことがBLSレベルで入ってきているわけですから。
そんなわけで、日本語版教材が出たと同時に移行するためには、いまから英語版のテキストやインストラクターマニュアルを読み込んで、DVDをしっかり勉強しておく必要があるでしょう。
コース自体は、すごく魅力的になりましたよ。
いままでみたいな茶番じゃなく、現実を見据えた初めての教材といっていいと思います。
だからこそ、開催できる状況が整ったら、さくっと皆さんに提供したいと思っています。
そのためには、今から準備を、と思っています。