2015年08月03日

独立インストラクターになる! 機材購入のヒント

AHAインストラクターとして独立を考えている方から、マネキンなどの機材の購入について相談を受けました。せっかくなので、皆さんにも情報のおすそ分け。


まずはHCPコースを軌道に乗せることを考える


将来的にやりたいことはいろいろあるかもしれませんが、まずはどのコースをどれくらいの規模で開催することを軌道に乗せるか、という視点で考えるべきです。

会社を起こすのであれば数百万円の資本金を、という話かもしれませんが、個人としてやっていくのであれば、まずは稼働させて、そこで資金を作りつつ拡充していくという路線が妥当です。

そういった意味でコンスタントに受講者が集まって、比較的収益率を乗せやすいのがBLSヘルスケアプロバイダーコースです。

まずは、BLS-HCPコースを軌道に乗せることを考えるといいと思います。

インストラクターひとりで、マネキンが1体なら最大3人の受講生を取れます。2体あれば6人ですが、この1:3という比率、非常にやりにくいです。練習や試験は二人一組で行いますので、ひとり浮いてしまい、順番待ちが発生します。

これが私は嫌いなので、1:2までに留めています。

ひとりで教えるなら、2体のマネキンで受講者4名というのがおすすめ。

現実的には私はひとりに1体のマネキンで4名まで、というのがデフォルトですが、あまり小規模だと会場費や諸経費の捻出が厳しく、機材を買い足していく原資も作れませんので、初期としてはマネキン2体で受講者4人というラインがお勧めです。


初期に購入すべきマネキンの種類と数


さて、BLSマネキンもいろんなメーカーのがありますが、私はレールダルのリトルアンとベビーアンを使っています。

AHAインストラクターとしては特定メーカーのものを推奨することはしない、ということになっていますので、この先はオススメというよりは、私の経験をお伝えするというスタンスですので、その点ご理解ください。


レールダルのBLSマネキンは、成人・小児・乳児マネキンが1体ずつセットになったリトルファミリーパッケージというのがあり、これが手っ取り早い感じがしますが、すこし考えたほうがいいです。

というのは、BLS-HCPコースでは小児マネキンは必須ではないからです。(インストラクターマニュアルをご覧ください。チョーキングチャーリーも必須ではありません)

ですから、BLS-HCPを最低限開催するために経費を切り詰めるなら、単体の成人マネキン2体と乳児マネキン2体を買うという選択肢もあります。

また購入の上で、後々問題になるのが購入時におまけ(?)でついてくるキャリーバックについて。

ファミリーパッケージのキャリーバックは大きいので、取り回しがなにかと不便。

またリトルアン4体入りのキャリーバッグも、ふつうの宅配便では受け付けてもらえないサイズなので、配送の時に不便を感じることもあります。

なので、リトルアンに関しては、私は1体ごとのキャリーバックが一番使い勝手がいいかなと思っています。配送するときには2つのキャリーバックをヒモでくくったり、大きなビニール袋で包めば、160サイズひとつとして宅配便で送れます。

反対にキャリーバッグとして使い勝手がいいのは乳児の4体入りのバック。

最初から機材拡充の方向性があるなら、少々アンバランスですが、乳児に関しては4体入りを買ってしまってもいいかもしれません。

ちなみに私が初期投資として買った機材は、

・リトルアン 2体
・ベビーアン 4体
・AEDトレーナー1台
・BVM成人 2
・BVM乳児 2
・ポケットマスク 2

でした。

受講者対マネキン比1:1でHCPコースが開催できる機材ということでしたが、乳児はおまけのキャリーバックが欲しかったから、というのがこの理由です。

今は、少しずつ買い足していって、

・リトルアン 5体
・ベビーアン 5体
・リトルジュニア 5体
・AEDトレーナー5台
・BVM成人 8
・BVM乳児 8
・ポケットマスク 8

という機材を個人所有しています。


AEDトレーナーの選び方


さて、次にAEDトレーナー(練習機)についてですが、これが意外と高い!

各メーカー、練習機なのに8万円〜10万円くらいします。

しかし、今では安い練習専用機が2万円くらいで出ていますので、それで十分です。

実機として存在しないからダメという意見を聞くこともありますが、そもそも公募で不特定多数に開催するような講習であれば、実機の存在しない仮想機の方がむしろいいんじゃないかと思います。

例えば、どこかの施設に出向いて職員研修を行うなら、その施設で実際に導入している機種で練習するのがいちばん現実的ですが、不特定多数の講習であれば、どんなAEDに遭遇するかわからないわけですから、実機の有る無しは関係ないですし、むしろ汎用性を重視した癖のない機種がいいだろうということです。

また、実機に合わせようとすると、例えばパッドを貼った後にリモコン操作が必要な機種があったり、パッド間を実際に電気的に通電させるためにマネキンのボディにアルミ箔のテープを貼らなくてはいけない機種があったり、なにかと癖があるのも要チェックポイント。

現実の機種としては少なくなってきましたが、パッドを貼った後にコネクタを刺すタイプの練習機の方が指導する側としては使いやすいです。



バッグマスクの買い方


最後にバッグマスクについて。

昔は医療機器ということで、入手が困難だったのですが、いまではAmazon.co.jpでも気軽に買えるようになっています。

先ほど、Amazonを見てみましたが、成人用も乳児用も8千円くらいでありました。

私は、16ドルと割安なので米国から直輸入で買ってますが、医療器具なので通関で引っかかって届かないこともあるので、やるならリスクを承知のうえで。送料を含めると倍くらいにはなりますが、それでも無事に届けば日本で買うよりは安いです。

バッグマスクには、一般的に成人用、小児用、乳児用がありますが、実際のHCP講習を開催している様子をみていると、赤ちゃんマネキンに対して乳児用のBVMを使っているケースはあまり見ないような気がします。

一回り大きな小児用を使っているケースが多いかなという印象。

買うときにはフェイスマスクの大きさが乳児にマッチしているか確認することをお勧めします。

もっともマスク部分だけは乳児用ポケットマスクに交換するという手もありますし、マスク部分だけの単体販売もあります。

あと、バッグマスクはリユース(滅菌)できるタイプのものと、ディスポーザブル(単回使用)のものがありますが、全国のAHA講習で使われているのは総じてディスポ品です。高い分解洗浄できるタイプ(3−4万円?)をわざわざ買う必要はありません。


その他


その他、おまけの情報として、マネキンを買うなら、メーカーのホームページから買うよりは、病院に出入りの医療機器のディーラーさんにお願いしたほうがお得です。たぶん1割から2割引きくらいにはなるはず。

あと、リトルアンの交換肺は日本で買うとバカ高いので、米国のWordPointなどで扱っているサードパーティー品(別メーカーの互換品)がオススメ。正規版とまったく遜色なく使えます。

レールダル正規品の交換肺でも、日本に比べると安く買えますが、ここ数年、日本への輸出が禁止されてしまったようです。でも、先ほどのサードパーティー品なら問題なく日本に発送してくれます。



以上、独立インストラクターとしての初期投資に関して、気づいた点を書き留めてみました。

参考になりましたら幸いです。




posted by めっつぇんばーむ at 11:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独立インストラクターになる!
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