また、受講料はアメリカ心臓協会(AHA)に上納されるものではなく、AHAとトレーニングセンター契約をしている日本の団体(学会やNPO法人、病院、一般社団法人、株式会社など)の収益となります。
ですから、世間の人たちが思っている「AHA講習は高い! アメリカ心臓協会、ボロ儲け」みたいに思われているのは完全なる誤解です。
受講料を設定し、受領しているのは、日本に9つあるトレーニングセンター格を持った団体です。
・日本小児集中治療研究会(JSPICC-ITC)
・日本ACLS 協会(JAA-ITC)
・日本循環器学会(JCS-ITC)
・日本医療教授システム学会(JSISH-ITC)
・福井県済生会病院(FSH-ITC)
・国際救命救急協会(IEMA-ITC)
・日本BLS協会(JBA-ITC)
・日本救急医療教育機構(JIEME-ITC)
・ACLS Japan
概ねこれらの団体ごとに受講料が違うと考えていいと思います。
公募のBLSヘルスケアプロバイダーコースにしても、1万2千円から2万6千円と開きがあるのが現状です。また、病院内限定講習ともなれば、トレーニングセンターによっては数千円で開催されています。
高いか安いかというのは消費者の主観ですから、ここでは言及しませんが、アメリカ心臓協会が儲けているわけではないという事実は、AHA公認インストラクターとして声高に主張させていただきたいと思います。
受講料は、その一部たりともアメリカ心臓協会に上納されることはありません。
この事実を知らないインストラクターも多いらしいことは嘆かわしいことです。
誰かが受講することでAHAの収益になる部分があるとすれば、それは受講者が書店で購入する公式テキストの印税分だけです。
それともうひとつは、プロバイダーカード(修了証)の台紙の値段から代理店手数料を差し引いいた微々たる額だけです。
参考まで、プロバイダーカードの台紙の金額は下記のとおりです。
・PALSプロバイダーカード 24枚 108ドル 1枚あたり4.5ドル ≒ 約540円
・ACLSプロバイダーカード 24枚 108ドル 1枚あたり4.5ドル ≒ 約540円
・ヘルスケアプロバイダーカード 24枚 48ドル 1枚あたり2ドル ≒ 約240円
これはあくまでも販売代理店での定価ですから、ここからアメリカ心臓協会に入る収益はホントに微々たるものです。
なんどもいいますが、AHA講習が高いと言われる現状を作ったのは、日本の提携団体であって、AHA自体はパテント料などを取るわけでもなく、事実上無料で日本での講習開催を認めているという事実を知っておいてください。