先日、Twitter等で投げかけさせてもらった「G2010-BLSヘルスケアプロバイダーコースの呼吸確認は5秒以上10秒以内か?」という問いについて、いくつかコメントが寄せられましたが、意外なことに意見がわかれました。
・呼吸確認だけで5秒以上10秒以内とする
・反応確認+呼吸確認が5秒以上10秒以内
・反応確認+呼吸確認+緊急通報完了までで5秒以上10秒以内
詳しく考察をしてくれたのが岡山のBLSインストラクターさん。
下記ブログ記事で「呼吸確認だけで5秒以上10秒未満とする」と解釈する根拠を説明してくれています。
「G2010-BLSヘルスケアプロバイダーの呼吸の確認の時間は5秒以上10秒以内?」
http://jemta.sblo.jp/article/69497902.html
(AHA 岡山 BLS JEMTA日本救命協会ヘルスケアー通信)
なるほどなと思う反面、ちょっと無理があるかなぁというのが率直な感想です。
特に、
「反応の確認は、時間がかからないとし、0秒とみなす」
というのはあまりに短絡的だなぁという印象。
現実、人が倒れていても非心停止の方が多いわけですし、そんな一瞬で「反応ナシ」って判断、なかなかできませんよね。「え、マジかよ。。。。」とマジマジとみちゃうと思うんです。なにより、「大丈夫ですか?」と声をかけるだけで1−2秒はかかります。
マネキン相手の練習だけで考えたら、そりゃ反応なくてあたり前だから一瞬で判断できますけど。
ブログで指摘されているようにBLSヘルスケアプロバイダーマニュアルに載っている試験規準に矛盾があるのも事実です。
10秒以内で、反応なし+呼吸なしを確認して通報を完了させろみたいな要求になってますが、現実、これは無理です。
通報に関しては、私は「誰か来てください!」と叫べばOKとしています。「反応なし呼吸なしor死戦期呼吸」を確認して次のアクションに移るまでの時間、ということで普段は指導しています。
つまり、「大丈夫ですか?」から「誰か来てください!」までの時間が5秒から10秒という説明の仕方です。
矛盾は残り、完璧ではありませんが、素直に読むとこの程度が妥当かなと思っているのですが、改めて皆さんどう考えますか? 意見を聞きたいです。
そもそもAHAはヘルスケアプロバイダーレベルでは、呼吸だけを確認するという概念をなくして、反応と呼吸をほぼ同時に確認するというスタンスを取っています。そこをあえて、「呼吸確認は何秒です」と言い切ってしまうのは、あまり適切ではないのでは? と考えています。
確かに受講者からの質問は多いです。これまでそういう教え方をしていたのですから、当然です。
そんなとき私はこう答えていました。
「G2010で反応確認と呼吸確認をほぼ同時にやるということになって、反応なし+呼吸なしを判断して、人を呼ぶまでが10秒以内という基準は示されています。現実、反応確認は顔を見るし、呼吸確認は胸・腹を見るので同時には無理。反応確認を数秒として、呼吸を見る時間はせいぜい5−6秒ってところじゃないでしょうか? ビデオのデモではどうでした?」
ということで、断定的なことは言わず、呼吸確認に何秒かけるという概念がなくなったことを伝えるようにしています。
もっとも、この部分の秒数計測はストップウォッチを使うように指示されている部分ではありませんから、11秒だったからといって、実技試験不合格、というようなものではありません。極端に遅い、速いということがなければいいわけです。
そういった意味ではどうでもいい部分なのですが、インストラクターの間での認識も随分違うようだったので、皆さんどうなのかなと思って取り上げさせて頂きました。
ということで、ご意見、情報がありましたら、皆さん、ぜひお寄せ下さい。
2013年06月17日
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タイム計測は受講者の意識付けには非常に有効であるとも考えます。
しかし重要な概念を理解したうえでやることしっかりやってるかということが一番大事なことであると考えます。
コースが終わってそれぞれにかける時間のみ頭に入ってその意味(概念)が頭に残っていないような受講者を作ってはいけないと思います。
熊本でBLSコース普及に努めている者です。
胸骨圧迫中断を10秒内にする(すなわち呼吸にかける時間は10秒以内)とうのはエビデンスがあり、下記の論文が採用されたのだとと思いましたがいかがでしょうか?
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Yu T, Weil MH, Tang W, et al. Adverse outcomes of interrupted precordial compression during automated defibrillation. Circulation 2002;106:368-72.
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お忙しいところ大変恐縮ですが、ご教示賜れば有難く存じます。
http://circ.ahajournals.org/content/106/3/368.full.pdf