2012年09月06日

インストラクター活動を職場に公認してもらう方法

AHAのインストラクター活動には、基本的に報酬が出ます。無償の奉仕活動ではありません。

インストラクターのほとんどは病院勤務の医師や看護師だったり、自治体消防本部に勤務する救急救命士だったりするかと思いますが、皆さん、職場に兼業届けのようなものは出してますか?

意外とこのあたり適当にしていて、"内緒"でやってる方が多いんじゃないでしょうか?

せっかく優れた指導スキルがあるのに、それを自分の職場で活かしている人が少ないのは、もしかしたら、このあたりのことが関係しているんじゃないのかなと勘ぐっているのですが、いかがでしょう?

BLSやACLSの指導スキルを、地域のトレーニングサイトでしか生かせないとしたらあまりにもったいない。目の前には臨床があり、高いスキルを必要としている同僚たちがたくさんいるのですから。


ということで、インストラクターとしての活動を職場に公認してもらい、病院外でも病院内でもそのスキルを遺憾なく発揮するためのアドバイスを幾つかまとめてみました。


1.研修報告をこまめに出す

病院の場合だと、院外研修報告みたいな感じでレポートの書式がありませんか? なかったとしても学会に参加した時の事後レポートみたいな感じで、インストラクターコースの受講などをレポートにして病院側にインストラクター資格を取得したことをアピールするのが第一歩。その後も、インストラクションに参加したときは最初のうちは「モニター」という位置づけでしょうから、教育実習という研修参加という意味で、引き続き研修報告レポートを提出。

事あるごとに自分のやっていること、自分のできること、その社会的意義を病院や直属の上司に伝えていくことが大切です。この地道な努力がいつか開花します。

2.招聘状、依頼状を出してもらう

これがけっこう効きます。院外講習の時に、ディレクターやサイト長などから講師派遣依頼のようなものを病院長宛に書いてもらうんです。だいたい病院って外面を気にしますから、外から頼まれるとふたつ返事でOKしてくれることが多いんじゃないかという印象。うちの場合、内容はあまり見てないみたいで、ちゃんと報酬額が書かれているような依頼状でも病院の業務として、つまり出張扱いで行かせてくれます。これはあまりに恐縮なので、最近は学会併設コースとか大きなイベントの時以外は避けています。

あと、できればトレーニングセンターから文書を出してもらって包括的な兼業許可が取れると何かと楽です。私の場合は「地域でBLSを広げるための地域ディレクターとしてのミッションに協力してほしい」というような大きな枠での依頼状を出してもらって、それを元にインストラクターとしての包括的な兼業許可をとっています。これさえ取ってしまえば、自己開催の講習でもいちいち届けを出さなくても基本自由、というわけで、私が好き勝手に活動しているように見えるのはこれのおかげです。

ただいきなりそんな体制にできたわけではなく、インストラクター資格取得から始まって、事あるごとに病院上層部に当てて、自分ができること、やって行きたいことを報告したり提案したり、また事あるごとに招聘状をもらって、さらにその実施についてもレポートしたりと、小さな積み重ねがあっての集大成だと思っています。

こうした働きかけがあったからこそ、病院内外で自由に講習活動が行えるようになりました。

ある意味、これは政治とか営業の世界です。AHAのインストラクターコースでは教えてくれないこと。

せっかく資格をとったのだから、それを活かしていきたいですよね。

それは自分の強みを活かすためには、地道な営業活動やネゴシエーションが大切です。


3.公務員の場合

最後に公務員の扱いについて補足。

ご存知、公務員は法律で副業が禁止されています。こっそりとやって見つかると下手すると懲戒免職。ついこの間も、釣り雑誌に投稿して謝金を受け取っていた警察官が問題になって、訓戒処分、で、自主退職したというニュースがありましたよね。(http://www.sanspo.com/geino/news/20120826/tro12082605050001-n2.html

公務員だったら何が何でもダメかというとそういうわけではなく、執筆とか教育講演とかそういった内容であれば許可される場合もあります。歌人の俵万智も県立高校の職員時代に本を出してますし。

ということで、届け出るときは、副業ではなくあくまで教育活動という点を強調するのがポイント。あと社会的意義なども地道にPRしておくといいですね。

それを考えると依頼状の発行元も問題になるかもしれません。私の場合は日本国内資格のトレーニングセンターが医学系学会が母体なので、学会から依頼がきた、という形になっています。学会活動は教育活動として病院が積極的に理解してくれるというのは大きかったと思います。

AHA-ITCの形態はいまは様々ですが、これが一介のNPO法人や任意団体、株式会社からの依頼状だったら、こうすんなりと話が通ったかというと疑問です。

そういった意味では、所属団体によっても活動の範囲は違ってきそうな気がします。



posted by めっつぇんばーむ at 04:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | 独立インストラクターになる!
この記事へのコメント
すみません。。。

ACLSのピンバッジって、どこかで購入できませんかぁ?
ピンがおれてしまって、、、使い物にならなくなってしまったんです。
Posted by ゆりかもめ at 2012年09月15日 16:06
ピンバッジ、米国の通販でふつうに買えますよ。ただし10個単位になりますけど。確か10個で$30。送料で倍くらいになります。

昔の正方形で金色のACLSと書かれたバッジだったら、すでに廃盤になっているので、どこかでデッドストックがないかぎり、入手は不可能です。
Posted by めっつぇんばーむ at 2012年09月19日 06:55
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