消防がついに公式に胸骨圧迫だけのハンズ・オンリーCPRの講習を始めるようです。
先日、総務省から「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」(PDF)という公文書の改定版が発表されました。
これは各自治体の消防本部が開催している救命講習の根拠となる文書。
そこに従来の普通救命講習/上級救命講習以外に「救命入門コース」というのが新たに作られました。
その中身がいわゆるHands only CPR。
人工呼吸は、デモンストレーションを見せたり、体験をさせることはあるみたいですが、基本、胸骨圧迫のみ。
AED操作練習を含んで90分間。
それでも時間が長いかなという気はしますが、マネキン対受講者比が1:5以上なので、まあ、こんなもんかな。
胸骨圧迫のみのCPR法は、日本発の研究論文が根拠となった非常に栄誉あるもの。
それをアメリカが取り入れて Hands only CPR という商標登録(?)して大々的に宣伝。その後、国際コンセンサス2010でも取り上げられて、今回ようやく日本の公式講習にも採用。
なんか順番がヘンな気もしますが、まあ、よかったです。
↑「救命入門コース」参加証サンプル:消防長の押印はナシ。
普通救命講習受講を勧めるメッセージが入る
消防はいちおう日本でいちばんCPRプロバイダーを輩出している最大組織。
そこが気軽に受けられる講習を手がけてくれるのはうれしいことです。普通救命講習Iの3時間
でも長いと不評でしたから。
日赤さんの方針は、まだ耳に入ってきませんが、基礎講習あたりが Hands Only になるのかなとちょっと期待。
ちなみAHAでいうなら、Family & Friends CPRが、日赤/消防講習に相当する内容ですが、G2010版のDVDでは、成人はHands only CPR、小児は人工呼吸も含めた旧来型、となっています。
※今回の消防カリキュラム改訂では、小児蘇生法の新コース(普通救命講習III)誕生など、他にも話題が盛りだくさん。「BLS-AED.net横浜」救急蘇生法講習会ブログ の解説が詳しいです。
2011年09月07日
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