2011年08月08日

日本ではまだG2010正式版BLS/ACLS講習は開催できない

最近はAHA講習もあまりやる気しないので、ほったらかしな感じでしたが、メモ程度に残しておきます。

公私共によく聞かれるのが、ガイドライン2010正式版のコースにいつから切り替わるのか、という質問。

結論から書きます。

2011年8月8日現在、日本ではガイドライン2010正式版のBLS/ACLS講習は普及講習として開催されていないはずです。

英語のマニュアルとDVDは3月にリリースされていますから、英語コースとしては開催されることもありますが、今回は筆記試験の日本語訳が禁止されているため、現実問題、一般公募できるような状況ではありません。(ちなみに問題数は増えました。BLS 25問、ACLS 50問。けっこう難しいです。DVDでは言っておらず、テキストをきちんと読まないと解けない問題もあります)

コース自体は、BLSに関して言えば運動スキルトレーニングですから、英語テキストを読まなくても、英語DVDが何を言っているのか分からなくても、実技試験には合格します。

でも、英語で25問の筆記試験に回答するというのは医師ならまだしも、ナースにはちょっと厳しい、というのが現実と思います。


そこで新しい日本語版の正式なテキスト/DVDがリリースされるまでは、G2010 Interim Course(暫定コース)として、古いG2005の日本語版教材に変更を加えてコース開催するというのが正式なやり方です。


G2010の日本語教材のリリース時期が問題となるわけですが、これは遅れに遅れています。当初は英語版に遅れること30-60日ということでしたので、BLSヘルスケアプロバイダーコースは5月中までには出るはずだったのですが、その後、色々情報が錯綜して、今のところ9月以降と言われています。

その情報の後に、日本語版の訳語の統一ができていないという問題が発覚して、うまく調整がついたのかどうか、、、私は知りません。

ということで、個人的にはBLSは年内に出ればいいかな、程度に鷹揚に考えてます。




今回初めての特殊なケース、筆記試験の翻訳禁止令。

これは各国際トレーニングセンター(ITC)宛にAHA Internationalからメール通達されている点ですが、今回に限って筆記試験問題を自分たちで翻訳してはいけないという御触れがでました。正式な母国語版を公式リリースするからそれまで待て、ということのようです。

今まではどのITCも英語の試験問題を独自に翻訳して使っていました。

考えてみればG2005でもACLSとPALSは公式な日本語筆記試験問題は存在しませんから、各ITCが独自に翻訳して使っていたわけです。

今回、それがNGということで、例外的に英語で筆記試験に回答できる人にしか、G2010正式版は開催されていないはずです。

もし日本語でG2010正式版の筆記試験を受けたという人がいたとしたら、これはけっこう大きな問題です。その講習を開催した団体はAHA規約違反ということでライセンス契約打ち切りの可能性(いわゆるおとりつぶし)も、、、


ただ、例外がないわけではありません。

例えば、アメリカ本国のトレーニングセンターには翻訳禁止令なるものは行っていませんから、アメリカで資格を取ってきたインストラクターが日本で開催する講習に関してはG2005までと同じ扱いで特に制限はありません。あとは米軍基地内の日本人向け講習なども。

あともう一点。試験問題の日本語版を作ることは禁止されていますが、言語に不自由がある人への問題読み上げなどのサポートは許容されています。この部分をどように運用するか、そこはトレーニングセンターが誇りと名誉にかけて考えていく部分です。


いちおう、これが最新事情。

よく質問されるので、書かせてもらいました。





posted by めっつぇんばーむ at 01:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | AHAガイドライン2010
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