5月にとあるアメリカ超大手団体主催の Wilderness & Remote First Aid コースを日本初開催しようという企画が進んでいます。
ウィルダネス・ファーストエイド
アメリカ合衆国などでは確立した概念となっているこのウィルダネス・ファーストエイドですが、日本ではあまりなじみがないかもしれません。
ウィルダネス Wilderness とは、直訳すると荒野とか、原野、未開の地といった意味。
イメージしやすいところでは、歩いて何日もかかるような山の中や離島などを指します。
そうした医療資源に乏しい環境下でのファーストエイド(応急処置)は、町中での応急処置とはかなり違います。
「119番して待つ」という通常の対処では間に合わないことが多いからです。
ウィルダネス環境下では、ウィルダネス・プロトコル Wilderness Protocol と呼ばれる、通常のファーストエイドでは適応されない特殊な約束事がいくつか入ってきます。
また、様子を見ていいのか、すぐにでもどうにかしなくてはいけないのかといった緊急度を判断するためのちょっとした診察テクニックを学んだりもします。
日本だと医師法の絡みで「診療行為」とも判断されがちな内容を含むため、意見は分かれるところではありますが、アメリカではアウトドアフィールドで活躍するプロフェッショナルを中心に、いくつかの団体が公式なサティフィケイトを発行するコースとして、このウィルダネス・ファーストエイドプログラムが広く普及しています。
山岳ガイドやネーチャーガイドなど、大自然をフィールドにプロとして活動する人には必須の資格です。
日本でもすでにいくつかの団体が、アメリカやカナダからインストラクターを招聘して、日本国内でコース開催をしていますが、今回はそれらのどれとも関係のないところからの初日本上陸。おそらくネームバリュー的にはトップクラスでしょう。
5月開催に向けてまだプランニングが始まったばかりですが、どうなるのか楽しみです。
そんなこともあって、今後、何回かに分けて、ウィルダネス・ファーストエイドとはなんなのかという点を書いてみようと思います。