2009年12月30日

日赤・MFA・AHA(JAA-ITC)の救命講習比較

医療従事者向けのBLS講習でいったら、現時点、AHAのヘルスケアプロバイダーコース以上のものはないと思います。

しかし市民向けの救急法講習でいったら、必ずしもAHAがベストとは言えないのが現状です。

基本手技を徹底的にマスターするという意味では、ハートセイバーAEDコースがベストと確信していますが、応用力や実践力を培うという点では今一歩。(だからいまそれを補完する補助プログラムを個人的に検討中です)

さらに応急手当(ファーストエイド)との融合という点では、課題はまだまだ。(ガイドライン2010のハートセイバー・ファーストエイドコースに期待したところです)


日本の市民の目から見た心肺蘇生講習としてAHAのBLS/CPR/AEDプログラムはどんな位置づけなのか? きっと医療従事者の思うところとは全然違う結果になるはずです。


そんな興味深いテーマをずばり書いてくれているホームページを見つけました。


[ 救急法・AED講習の比較 ]
 http://lucky-kids.topaz.ne.jp/


作者の個人的な受講体験から、日本赤十字社の救急法救急員講習、メディック・ファーストエイド(MFA)、そしてアメリカ心臓協会(AHA)のハートセイバーAEDとヘルスケアプロバイダーコースを忌憚のない意見で比較しています。

AHAコースについては、「日本ACLS協会」によるコースなので、今となっては純粋にAHAコースと言っていいかは意見が分かれるところではありますが、それを差し引いても私たちAHAインストラクターにとってははっとさせられる意見が多く、興味深いです。

特に2ページ目以降の「裏話」は必見です。

インストラクターコースDVDでも強く言われているテキストの活用、意識せずに使ってしまう専門用語など、気をつけなくちゃいけませんね。

根拠をもって教えられるのがAHAインストラクターの強みだとは思いますが、それを市民向けに砕いた言葉で説明できるかは別問題。実際にやってみて、経験を積まないと難しいでしょうね。


AHAインストラクターはせっかくハイレベルな指導教育を受けているわけですから、それを日本社会に還元できる市民向け講習へと、もうちょっと視点が向いたらいいのになぁという思いを込めて、今回こんな記事を取り上げてみました。

posted by めっつぇんばーむ at 23:59 | Comment(5) | TrackBack(0) | AHA-BLSインストラクター
この記事へのコメント
 HCPを受講済みの方にベーシックMFAを受けてもらった所、非常に好評でした。理由は、

 心停止までは至らないケースに、どのように対応するのかが分かった。
 相互実習で気道確保や回復体位などがよく分かった。

 といったところでした。

 MFAはAHAのコンセプトと違って、1体のマネキンを複数の受講生で共有しながら、「ただ見ているだけ」の時間はありません。
 色々な役割を交代しながら練習しますし、「受講生は要救助者の役割を担当しなければいけない」という項目が沢山あります。人間を相手に練習したり、あるいは要救助者を演じることによって、救命の状況をリアルに体験できたようです。

 いろいろなコースを受けてみるって、大事ですね。実は知り合いの開業医からスタッフ教育を頼まれているのですが、「1年ごとにBLS-HCPとベーシックMFAを交互に受講させる」というのを勧めています。
Posted by mimimi at 2009年12月31日 06:48
貴重な資料をいつも紹介して下さり、勉強になります。

私もAHAインストですが、謙虚に意見を受け止め、質の高い光州を目差したいと思います。

来年もよろしくお願いいたします。
Posted by Kim at 2009年12月31日 10:14
ご無沙汰しております、静岡空港の火消し、コンバットナースです!年末の気候大荒れで、フライトに多々支障が出てますが、何とか仕事はこなしてます。消防車の乗車待機は、底冷えしますが、航空機の万が一の時に、1番やりになるべく奮闘してます!
私も、MFAインストコースを受講した時に、”専門用語を医療関係のインストさんは無意識に使うために、講習時は特に気をつけて下さい”と言われたのを今でも心に残ってます。AEDが一般に開放されてからは”除細動””心室細動”等を分かりやすく噛み砕いて、一般の方に伝える方法は、今でも日々勉強中です!
ナース時代に覚えた用語は、意外とみんなが使っていたからとか、単語・言葉でしか知らず、大体こんな意味かなと独りよがりに覚えたしまった用語が多々あり、大いに反省したことを今でも覚えています。
今では、私も、特殊警備員として、同僚やお客様にAEDや応急手当の指導やアドバイスをする時は専門用語抜きに話をするのが板に付いてきましたが、まだまだと思っております。
メッツエンさんの日記は、毎日は拝見しており、大いに参考にさせていただいております。来年も、時々書き込ませていただきますので宜しくお願いします。
良いお年をお迎え下さい!
Posted by コンバットナース at 2009年12月31日 21:14
消防も含めてどの団体も一長一短があると思います。
JAA-ITCですが、BLS-HCPの講習自体はそれほど問題ではないように思います。
確かにマネキンが2対1だったり、モニタと思しきスタッフが多過ぎる点は
否めませんが。。。
それとインストラクター希望者にとっては敷居が高過ぎることもありますかね。

赤十字や消防はインストラクタの言葉遣いや医学的な知識が劣ってますし、
MFAはわかりませんが、AHAはテキストなどの費用が高いですから一般人には
入りづらい点はありますね。
CPRの習得という点ではAHAのコースは優れていると思います。

ま、めっつぇんばーむ様にはほかの団体には目もくれず世界最高の
CPRに関する講習を目指していただきたいです。
私もガンガン受講させていただきますのでよろしくお願いします。

某協会系の通販会社で「EP」の日本語版が発売されました。
秋くらいにAMRで「EP」を開いてもらえませんか?
Posted by サブ at 2010年01月01日 00:45
mimimiさん、AHAとMFAをよく知る立場からのコメントありがとうございました。
MFAの受講者を傷病者に見立てて練習するというのはいいなと思っています。
やっぱりマネキンではなく、生体での「見て、聞いて、感じて」を体験するのとしないのとでは大違い。マネキン相手に手袋を装着するのはなんとなく空々しいですが、実際の人間の顔に触れる体験をすると手袋の重要性も理解しやすいと思います。正式なコースカリキュラムとしては、ハートセイバーファーストエイドには受講者同士で意識確認する内容が含まれていますが、他のコースでも実践力を重んじる場合は是非入れるべきだと思っています。


Kimさん、いつもメッセージありがとうございます。あまりコメントをさせていただくことはないかもしれませんが、Kimさんの記事にも大いに刺激をいただいています。今年はガイドライン2010に向けて動きが活発化する年。お互いに有意義な情報交換ができるといいなと思っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


コンバットナースさん、立ち上げから始まり、お仕事も軌道に乗ってきたようで。「特殊警備員」という職種、なんだかかっこいいですね。内ポケットからなにか飛び出してきそうな感じ(笑) コンバットナースさんもMFAのイントラ、されていたんですね。私の身の回りのAHAインストラクターで、MFAとダブルライセンスな方は、、、6名ほど。


サブさん、お久しぶりです。サブさんもいろいろな救急法講習を見てこられたんですね。日赤や消防は「官」の文化ですから、、、、世代交代が進むとまた違ってくるんでしょうね。諸刃の剣ではありますが、映像教材を使わずに講習を勧めるノウハウは見習うべきところが多いと思います。私も久しく消防・日赤系に顔を出していないので、応急手当普及員資格の更新に合わせていくつかの自治体に勉強にいこうと思っています。

ACLS-EPコースの話ですが、ACLS協会がプレスリリースした前後ですこし話題に上ったこともありましたが、具体的な目途はたっていないような気がします。

ハワイのAMRではEPコースは何度も開催されていて、日本人のプロバイダーもそれなりにいますが、結局誰かがハワイに行ってインストラクターコースを企画してもらって受講して、さらにモニターを受けてある程度経験を積まなければ日本で開催できないわけで、、、、

組織的に費用を捻出してハワイに「派遣」できればいいのですが、いまのBLS/ACLS/PALSもぜんぶ費用は個人持ちで、定職がある個人が休暇をつぶしてわざわざハワイにまで行って資格取得しているのが現状。

EPコースも日本で開催するという強い意志と時間とお金と個人の犠牲がなければ無理です。ガイドライン改定でまた出費がかさむこの時期、どうかなぁ。


ちなみに日本循環器学会でも、現時点ACLS-EPコースを開催するということは考えていないようです。
Posted by めっつぇんばーむ at 2010年01月03日 01:39
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