2009年10月12日

心肺蘇生ガイドライン2010を待つにはまだ早い!

思えば2009年も残すところ2ヶ月弱。

巷でもそろそろAHAガイドライン2010の動向についてささやかれるようになってきました。

最近目立つのは、「来年ガイドラインが変わるからAHAコースを受けるのはもうちょっと後にしよう」という先送り派の意見。

もし、皆さんがそんな相談をされたらどう答えますか?

ガイドライン2010対応教材のリリース時期に関するAHAからのアナウンスはまだ出ていませんが、少なくともはっきりしているのは、ガイドライン2010の発表は、2010年10月予定であるという点。

前回は確か2005年11月28日だったと記憶しています。

で、ヘルスケアプロバイダーコースの新教材がリリースされたのが、2006年6月。

今回もこんな流れだとすると、少なくともガイドライン2010のHCPが開催されるのは、2011年半ば。

AMR-JAPANでは、英語版発表直後から、それほど時間をおかず日本でも新ガイドラインコースを開催すると思いますが、日本のITCが対応するのは、英語の教材のままであっても諸準備で時間がかかって、安定供給は2011年暮れ以降になることでしょう。

ACLSはもっと遅れますから、完全に2012年に入るのでは、というのが私の予想。また最初は関係者の受講で枠はいっぱいになっちゃいますし、初めての方が英語で勉強するのはかなり困難。ですから、一般受講生の方が普通に受けられるのは日本語版がでてからということで、下手したら2013年近くになるのかも。

そんなことから、冒頭の問いに対しては「ガイドライン2010を待ってたら、あと2−3年後だよ」というのが私の答え方です。(つまり、興味があったら今受けたほうがいいよの意)

少なくとも今現在、受講を踏みとどまる決定的な理由はなさそうです。

ただ今年になってからAHA ECCの公式日本語ウェブサイトができたり、 AHAとしても日本のマーケットを無視できない状況になってきてますから、 前回に比べてきっと幾分かは早くなるような気もします。

下手すると、英語版/日本語版同時リリース?

というのは極端かもしれませんが、2011年内にはどうにかなるような気もします。

このあたりはひそかに期待しながら楽しみにしたいところです。



以上、過去のケースからの類推でした。

アメリカ本国からの内部情報によると、2011年春にはアメリカ国内TCでの、HCPテストコースを開催するよ、という通達が来ているという話も聞いています。

前回にくらべてちょっとは早まるのかも知れませんが、大枠では前回通りなのかなぁ。
posted by めっつぇんばーむ at 20:36 | Comment(3) | TrackBack(0) | AHAガイドライン2010
この記事へのコメント
自分の受講は英語テキストでしか経験がないんですが、日本語化にあたっては次の版では配慮してもらえないだろうかという点がいくつか。


まずは、自然な日本語に、という点。
もうひとつは、英語原文でのmay、should、shold notなどのニュアンスは忠実に、という点。


ま、難しいのは重々承知しておりますが…。



話は変わりますが、そのテキストを実際のコースで使用する上では、
テキストにはmayと書かれているのに、コースではshold/mustなニュアンスで伝える(または受講者がそう受けとる)インストラクターがいるらしいです。
まあ、このことは、TCの方針だったりするのかもしれませんが。



複数のコースに関与した経験のあるかたが、
前は、AHAはこう言っているからこうしなさいと言われて、言われたようにしないとパスさせてあげないと言われたんですけど…と困惑していたことがあります。
そのかたにはテキストガイドラインを一緒に確認して、納得してもらいました。
そういう例はひとつではありません。
AHAの名を語り、インストまたはTCなりのドメスティックなやりかた(=これが『お作法』と呼ばれるものかもしれません)を押し付けているのかもしれませんね。


ACLSに限らず、医療全般かもしれませんが、米国マンセーなかたは少なからず存在していて、それだけなら許容範囲ですが、EBMっぽい部分にも口を出してきて、たかだかひとつの研究で得られた事実が他のすべてにも当てはまるみたいな傍迷惑な事実誤認を語り痛痒感ないかたもいますんで、極端な話、全てをcritical appraisalしていかないとうっかり真に受けてしまうかもですね。自己防衛は大事です。

純粋まっすぐ君にも要注意。


Posted by 熱病 at 2009年10月13日 00:36
私も、良く考えたら、BもAも教材は英語でした!
(コースはもちろん日本語です。)

確かに、アメリカ発信ですから、
日本できちんとしたコース開催ができるまでには
タイムラグが生じますよね。

それより、いつ取るのが得か、という
損得勘定でコースを受けるのではなく、
今の自分の技術を磨きたいからうけるという
気持ちで受講してくれると嬉しいですねぇ。
Posted by まち at 2009年10月14日 15:14
熱病さん

> 英語原文でのmay、should、shold notなどのニュアンスは忠実に、という点。

ほんとそうですね。日本語だとかえってわかりにくいというか、誤解を生じているケースがありますよね。英語原文に立ち返った方が語調というか強めの度合いがわかったり。このあたりは意識的に訳してほしいなって思いますね。

なんて言いますが、このまえファミリー&フレンズのテキスト(小冊子)一冊訳してみて、そんなところまで考えてやってられない! というのも重々承知。


まちさん、インストラクターの場合、ガイドライン切り替わり時は英語版で勉強・受講しなくちゃいけないというのは、アメリカ心臓協会という海外組織に属する以上、避けては通れないことだとあきらめています。

外資系企業に就職すると、社内通達が英文でくるようなもの??

そういう特別な事情がない人の場合の受講時期のタイミングは難しいなぁと思います。

HCPくらいなら、運動領域の話がメインですからテキストを読まなくてもコース中のインストラクターの説明を聞けばどうにかなりますが、ACLS、PALSになったら予習無しというのは無謀。

少なくとも英語アレルギーがない人だったらがんばる価値はありますが、私も含め一般的なナースの場合、英語は食わず嫌いの人が圧倒的多数な気が、、、そう考えると、日本語版まで待った方が効果的な気もするし、正直、私は人によって勧める時期は違ってくるかなと思います。

まちさんは当然、日本で英語版使用コースが開催されたら、まっさき、ですよね?
Posted by めっつぇんばーむ at 2009年10月16日 01:44
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