2016年06月27日

筆記試験、資料持ち込み可になったのはG2015正式版だけです。(not暫定版)

知ってる人は知っている話ですが、ガイドライン2015正式版のBLS/ACLSプロバイダーコースの筆記試験は、テキスト持ち込み可となりました。

ただし、これはG2015正式版だけの話です。暫定コースは引き続き、持ち込み不可なのでご注意を。

これはインストラクター向けのメッセージですが、筆記試験が持ち込み可に変わったというのは、AHAコースの教材設計がガラリと変わったことを意味します。

テキストや参考書を見てはいけないとされる筆記試験で問われるのはなにか?

知識、ですよね。

それに対して、テキスト持ち込みOKの筆記試験で問われるものは何か? 少なくとも「知識」ではありません。

そう考えると、G2015正式版はG2010やG2015暫定コースに比べて、ゴール設定が大きく様変わりしたといえます。そこに向かってフォーカスした教材設計がされているのがG2015正式版。そこが暫定版ではまったく反映されていません。

と、考えれば、暫定コースで筆記試験持ち込みにするのはナンセンス。

わかりますよね?


ということで、インストラクター側も暫定コースと正式コースの違いを、教育学の観点からきちんと考える必要があります。中途半端なG2015化は浅はかとしか言えません。





posted by めっつぇんばーむ at 23:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の心肺蘇生ガイドライン2015速報
2016年06月26日

G2015 Interim(暫定)コースとG2015正式コースは別物です

情報が錯綜しているので、整理しておきます。

2015年10月にAHAガイドライン2015が発表されて、日本国内のAHA講習は基本的にG2015準拠に切り替わっていますが、いま開催されているのはG2015正式講習ではありません。

G2015 Interim Course、つまり暫定版です。

Interim(暫定)コースとは何かというと、古いガイドライン2010のDVDとテキストを使いつつ、G2015の変更を加味した展開をする講習のこと。

新しい教材が出来るまでの「繋ぎ」としてAHAが公式に認めた措置です。

実技試験も筆記試験もG2015準拠に変更されていますので、学ぶ内容はG2015といって間違いありません。


しかし、暫定コースはあくまでも暫定コースであって、正式なG2015講習ではありません。

暫定コースで整合性が図られているのは、蘇生科学に基づく変更だけです。

今回のG2015の改訂の多くは、蘇生科学の部分ではなく、教育工学の部分です。そこがまったく反映されていないという点では、G2015正式版とは「相当違う」と言わざるを得ません。

暫定コースの教材設計のベースはG2010であって、そこからはみ出して齟齬が出てしまう部分だけをどうにか修正したという最低限ギリギリG2015と言える内容です。

いま、日本で開催されているG2015講習というのは、基本的に全部G2015暫定コースです。

米国ではすでにG2015暫定コースの開催は禁止されていて、G2015正式版に全面的に切り替わっています。
日本では特例措置として日本語DVDとテキストが出るまでは、暫定コースの開催が認められています。

秋から冬くらいになると、G2015正式教材が日本語化されるのではないかと思います。

そのタイミングで日本でもホンモノのG2015時代が始まります。


技術を必要としている人にとっては、必要と感じた時が受講すべき時です。
暫定版でも正式版でも習得する技術には変わりません。

しかしAHA講習から教材設計や教授システム学(インストラクショナル・デザイン)を学びたいという人にはG2015正式版をお勧めします。

日本語正式版のDVDとテキストが発売されても、地域のトレーニングサイトが正式版に移行するまでにはタイムラグがあります。それを狙って受講する人は、申込時に主催者にきちんと問い合わせたほうがいいでしょう。

日本語テキストが発売されてから半年くらいは、古いコースが残っている可能性がありますから、来年の夏くらいまでは要注意です。




posted by めっつぇんばーむ at 23:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の心肺蘇生ガイドライン2015速報
2016年06月12日

「これは米国の講習プログラムですから」という言い訳はもう通用しない




リアリティと、現場に合わせた柔軟な実行性


これがAHAガイドライン2015講習の最大の特徴です。

これまでのAHA講習では、指導内容のアレンジに関しては寛容性が低く、日本の医療現場ではそぐわない内容であっても、「これは米国の講習プログラムですから」といって、強引にアメリカのやり方を押し付けたり、日本事情に関する説明はご法度とされるような態度が横行していました。

しかし、G2015正式版講習からは、それが変わります。

指導内容の中に"Local Protocols Discussion"というセクションが正式に導入されました。

AHAガイドラインではこういっているけど、日本ではどう? あなたの職場では、この通りにできる? なにか別のルールがあるんじゃない? 実際どうしたら良い?

ということをディスカッションするような時間がコース中に設けられたのです。

ローカル・プロトコル・ディスカッション


ここでAHAインストラクターに求められている基本的態度は、「ローカルルールに従うべき」ということです。

AHA ECCプログラム講習はAHAガイドライン準拠です。そこをコース中に変えることは許されていませんが、学んだことを、自分の国や地域、またメディカルコントロールや病院の業務指針に反しない範囲でどのように活かすか?  その実行性へのアレンジメントの手助けがAHAインストラクターに求められているのです。

そのため、AHAインストラクターはAHAガイドラインを熟知していればいいという時代は終わりました。

このセクション自体はオプション扱いですが、日本国内でAHA講習をやる限りは絶対に外しちゃいけない部分です。
ということで、日本で活動している私たちは、少なくとも日本版のJRC蘇生ガイドラインについても熟知していなければなりません。

そして、日米のガイドラインの違いを把握しておく必要があります。


今までも実行性を意識したインストラクションをしてきたインストラクターにとっては当たり前の話かもしれませんが、今後はすべてのインストラクターに日米両方のガイドラインの勉強が求められるようになったわけです。

幸い、日本のJRC蘇生ガイドライン2015は出版もされていますが、ネット上で無料で読むこともできます。

日本蘇生協議会ウェブ JRC2015オンライン版ダウンロードページ

PDF形式で章ごとに配信されていますので、スマートフォンやタブレット端末に入れておくと便利です。

また、市民向け講習(ハートセイバーシリーズやファミリー&フレンズ)を手掛ける人は、JRCガイドライン2015を元に作られた講習指導要項である「救急蘇生法の指針〈2015〉市民用・解説編」の精読は欠かせません。

解説編を含まない、ただの「救急蘇生法の指針<2015> 市民用」(39MB:PDF直リンク)だけなら、厚生労働省からPDFで無料配信されています。


今回のLocal Protocols Discussionのお陰で、借り物に過ぎなかったAHAガイドライン講習が日本社会で活かせるようになったといえます。

ぜひ、日本のインストラクターは勉強を重ね、より日本社会で意味がある講習展開をしていって欲しいと思います。






posted by めっつぇんばーむ at 16:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | AHA-BLSインストラクター
2016年06月08日

G2015コースへの移行準備、進めてますか?

G2015版のBLS Provier Cousrseの英語教材がリリースされて4ヶ月になります。

旧来のBLSヘルスケアプロバイダーコースとは、名前が変わっただけではなく、中身も相当変わりましたよ、という話は以前に書きました。


『G2015のBLSプロバイダーコース、すっごく変わりました。』(2016年4月5日付)


インストラクターに求められるスキルも変わりましたので、インストラクターとして新コースへの移行には相当時間がかかりそうな気がします。

だからこそ、日本語版が出てからとは言わず、今からでも準備を進めておくべきだと思います。


特にDVDは買ったほうがいいですね。

これを見れば、英語がわからなくても、「変わった! スゴイ!」というのが一目瞭然。

百聞は一見にしかずですので、サイト内で購入した人がいたら、みんなで勉強会を兼ねた試聴会などをすべきでしょうね。


新しいスキルチェックシートは AHA Instructor Network にアップされていますので、英語であっても目を通しておくべきと思います。

AHA公認インストラクターなら誰でもアクセスできます。

ゴールオリエンテッドなAHA講習では、このスキルチェックシートに合格するように講習を進行していく必要があります。

新しい教材設計では、なにが求められているのか? ここも何気に変わっています。

例えば、成人のBLS試験では、バッグバルブマスク換気技術は求められなくなりました。代わりにポケットマスクやフェイスシールドを使った1人法の人工呼吸が出来る必要があります。(受講者の方はビックリかもしれませんが、G2010やG2015暫定版までのスキルチェックでは、ポケットマスク換気は1度も胸が上がらなくても合格する仕様でした)

バッグマスクスキルが求められるのは、乳児だけになりましたので、きっと実技試験の難易度としては、易しくなったといっていいかなと思います。(成人マネキンへのBVM換気で苦労する人はよくいますが、乳児のBVM換気ができない人は見たことありません)

また、呼吸確認や脈拍確認、通報のあたりでは、順番が問われなくなったというのも、今回の変更点では大きいですね。このあたりは、きちんとインストラクターマニュアルを買って読み込まないと書かれていない部分ですが、チェックシートの体裁を見てみれば、わかるとは思います。


ということで、全国のAHA-BLSインストラクターさん、せめて、Instrctor Networkで無料公開されている最新コース情報くらいは目を通して、日本語教材がリリースされたらすみやかに移行できるような準備を各自しておくことをお勧めします。

聞くところによると、サイト長によっては、新しい英語教材がリリースされていることすら知らない人がいるという嘘のような話も聞きますので、TCやTSレベルのローカルな指示系統とは別に、AHAインストラクターとしての米国直下の指示・連絡系統に敏感であることを、強くお勧めします。





posted by めっつぇんばーむ at 15:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の心肺蘇生ガイドライン2015速報