2015年03月28日

蘇生ガイドライン2015版AHA教材発売予定

おとといあたり、AHAコースのG2015教材発売に関する話題が流れてましたね。

遅ればせながら、こちらのブログでも紹介させてもらいます。

以下、AHAから送られてきたメールの内容から、日本に関係ありそうな部分をピックアップして日本語化しました。

日本語で書きましたが、これらは基本的に英語版の発売予定です。

日本語教材については、まだ言及されていません。例年どおりだと概ね1年遅れくらいかなと思います。

今回は、前回までにくらべて全体的に半年くらい繰り上げの早めの予定が提示されています。
例えば、まっさきに改定されるのはBLSヘルスケアプロバイダーコースですが、これがガイドライン改訂の翌年の6月というのが常でした。それが今回は1−2月と提示されていますからね。

この勢いで1年遅れだった日本語化もスピードアップしてくれるといいのですが。



AHAガイドライン2015関連公開予定

2015年
10月15日


11月〜12月
2015ガイドラインハイライト発行(日本語版、無料PDF)
ECCハンドブック発売

11月6日
インストラクターアップデートカンファレンス(オーランド)

2016年
1月〜2月

BLSヘルスケアプロバイダーコース教材発売
ハートセイバーCPR AEDコース教材発売
ACLSプロバイダーコース教材発売

5月〜6月
ハートセイバー小児ファーストエイドCPR AED教材発売
ハートセイバー血液媒介病原体コース教材発売
ファミリー&フレンズCPR教材発売

7月〜8月
PALSプロバイダーコース教材発売
PEARSプロバイダーコース教材発売



この予定をみる中で、とても残念に感じたのは、結局、G2010では、Family & Friends First Aid for Childrenは発表されないまま終わるんだなということ。

そしてG2015の教材リストにもFamily & Friends First Aid for Childrenのタイトルはありません。

ファミリー&フレンズCPRと同じで、無料で開催できる子どもファーストエイドコースとして、珠玉のプログラムだっただけに残念です。





posted by めっつぇんばーむ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 最新の心肺蘇生ガイドライン2015速報
2015年03月20日

半ば自己否定に陥ったACLS、G2015ではいかに?

あちこちで耳にする指摘ですが、改めて書いてみます。

病院の急変対応研修といえば、BLSが基本で、一部先進的なところでは二次救命処置(ACLS)を取り入れているところもありますが、その医療安全体制についてAHAのACLS自体が自己否定(?)しているって知ってました?

まず、前提知識の確認です。

私たちは以下のように教わってきました。

『大人が倒れた場合、心電図モニターをつけると心室細動(VF)になっていることが多い。だから早期除細動が重要。BLSでもACLSでも心室細動にフォーカスした"VFハンター"になるべく訓練が必要。』

だからAEDがもてはやされて、猫も杓子も除細動、という教育がされてきました。

しかし、ガイドライン2010版のAHA-ACLSプロバイダーマニュアルを見ると、次のような驚くべき記述があるのです。

「VF/VT以外のリズムは院内心停止の75%以上を占めている」

ACLSプロバイダーマニュアルG2010
(ACLSプロバイダーマニュアル G2010 p.30)


あれ? 成人の心停止のほとんどはVFじゃなかったの?

って思っちゃいますよね。

これまでは「成人の心停止は前触れなく突然に起きるから、BLSが必要であり、ACLSが必要」という論調で"急変対応"が語られていたのは、間違いだった、みたいな驚愕の事実が書かれているわけです。(←この書き方、かなり恣意的です。批判は覚悟の上で。)

実はこの布石は、ひとつまえのガイドライン2005版の「ACLSプロバイダーマニュアル」にも書かれていて、院内心停止の8割くらいに予兆があったという点が示されています。だからこそ、患者急変対応コース for Nursesとかが作られたわけですけど、まあ、その方向性が再確認、強化されたって感じですね。

つまり、VFハンターというICLSの言葉に象徴されるような視座の起き方は、現在となっては不適切という認識にシフトしてきています。

これまでは、VFは突然に起きるものでしたから、心停止後の対応だけを考えていればよかったのですが、そうではなかったとなると、これは病院業界、大変な激震です。

だからこそ、ACLSプロバイダーマニュアルG2010では、次のように述べています。

「医療機関内で文化的な大きな転換が必要とされる」(p.31)

急変対応に関する文化大革命ですよ、と言ってるわけですね。

心停止は不可抗力。

ではなく、心停止は防げるもの、それがG2010では、明確に打ち出されているのです。
それをAHAは痛烈な言葉で表現しています。

「救助の失敗」

下記のように、病院での心停止は防ぎ得るものであるから、心停止になってしまったら、それは救助の失敗である、と。

ACLS Provider Manual G2010
(ACLSプロバイダーマニュアル G2010 p.31)


これ、現場としては痛いですよね。

でも、その潮流はG2010に始まったことではなく、G2005から引き継がれてきたこと。

これが今年10月に発表されるガイドライン2015では、どのように扱われるのか?

そして遅れること2年後くらいに出てくるG2015ACLSプロバイダーコースはどう変遷していくのか?

私たちは病院文化の担い手として、真摯に受け止めたいと思います。



病院内での心停止はBLSでは終わらず、そのままACLSに突入するわけですから、看護師としてACLSのアルゴリズムを知っておくことは必要です(受講が必要、ではなく)。

しかし、それは一般教養というか、たしなみであって、そこを一生懸命勉強するような時代は過去の話。

この先は、AHAでいうなら心停止予防コースPEARSのような、心停止以外の予兆に着目しなくちゃいけない、特にベッドサイドで患者の様態変化に気づける看護職にとっては、という方向性。

院内でも8割は、心室細動ではないとわかってるわけです。

人が死に至る原因は、呼吸障害か循環障害(ショック)。

そして、呼吸障害は、上気道閉塞、下気道閉塞、肺組織病変、呼吸調整機能障害の4つに分類されます。

ショックであれば、循環血液量減少性ショックと血液分布異常性ショックがほとんど。

これらの徴候を知っていれば防げるし、心停止にさせなくて済む。

そんなことが明らかになってるわけですから、そこを学ばないわけにはいかないですよね。

今は、小児分野でしか叫ばれていませんが、これはほぼそのまま大人にも言えます。
こんな方向が、これがますますはっきりしてくるのは間違いないと思います。



posted by めっつぇんばーむ at 16:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ACLS(二次救命処置)