気づけば、いつの間にか「救急蘇生法の指針医療従事者用 2010」が出てました。
日本蘇生協議会版蘇生ガイドライン2010に基づいた実際の医療者向け運用法をまとめたのが本書。
国際会議で決まった蘇生の国際コンセンサス(CoSTR 2010)に、各国の事情を加味して、各国が作るのがガイドライン。そのガイドラインに基づいて、実際にどうやったらいいのか、どう教えたらいいのかをまとめたのが、日本では「救急蘇生法の指針」。
これの市民向け版はちょっと前に出版されて、それに準拠して総務省消防庁とか日本赤十字社がガイドライン2010講習プログラムを作っています。
その指針の医療者版がついに刊行、というわけです。
BLS、成人のALS、小児のALS、さらには新生児蘇生や蘇生技術普及の方策まで、一通り国際コンセンサスの見出しは網羅されていて、ICLSやNCPRを教える人には原典といえる資料です。
ガイドラインはあくまでガイドラインで、あーでもないこーでもないという記述が目立ってどっちつかずな部分がある中、この指針ではいちおう、ズバッと方針が示されている、、、はず。
まだ、パラパラ程度にしか読んでいませんが、小児二次救命処置のアセスメント手法などは、AHAのPALSプロバイダーマニュアルが1万5千円と異様に高いことを考えると、日本における資料として秀逸かも。
それにしても日本版ガイドライン準拠なのに、小児二次救命での意識レベルは米国式にAVPUスケールなのは、ふーん、という感じでした。
*ブログ記事の過去ログ一覧は こちら です*
2012年05月05日
2012年04月05日
新人研修医向け急変コース- 気づき〜BLS〜ACLS
先日、かねてから頼まれていた新人研修医向けの急変対応研修企画が無事終了しました。
持ち時間は3時間。新入職研修医は12名、最初の1時間は全員でBLSを終わらせて、後の2時間は二部屋にわかれてACLSと非心停止の対応と急変の「気づき」を交代で、という3部構成。
気づき(安定化) → BLS → ACLS
今回初めてこんな編成にしてみましたが、これが非常に良かったです。
やっぱ、非心停止の対応と心停止以前の「気づき」がポイント。ここまでやって初めて急変対応の全体像が見えてきます。
BLS〜ACLSの限界を最初から知っておくというのは大事。BLS/ACLSは最後の切り札ではあるけど、あくまでツールのひとつに過ぎません。
急変の気づきと非心停止の対応、そして心停止になってしまったときのBLS、ACLS。
この3つをまとめて有機的に学ぶのって大事だなと、やってみてつくづく実感。
どうしてもダイジェストにはなってしまいますが、今後学んでいく方向性を示す上で新人研修医の最初に触れる急変対応研修としては良かったんじゃないかと思います。
せっかくなので、それぞれの内容をざっと紹介しておきます。なにかの参考になりましたら。
1.BLS
これは基礎中の基礎なので、最初に全員で。12名に対してマネキンは6体。胸骨圧迫の練習部分はAHAファミリー&フレンズCPRのDVDを使って1分間のHands only CPRとして手技の練習。
その後、一人法CPRの流れはヘルスケアプロバイダーコースのやり方を採用。つまり、反応と呼吸を同時に確認してから通報、脈を確認して胸骨圧迫開始、という流れ。ただしこの段階では人工呼吸は行わず、胸骨圧迫のみを続けるという流れ。
だって、病院内でポケットマスクを携帯してもらっているわけではないので、発見段階で人工呼吸は不可能。口対口はありえませんし。
ここまでを数回練習してもらって、その後、バッグマスクの使い方練習。
最後にPut it all togetherということで、第二救助者がAEDとバッグマスクをもって到着した設定で、一人法〜二人法CPRの通し練習。
この通し練習では3人一組にして、一人はオブザーバー役。チェックリストを渡して第一救助者、第二救助者役の手技を観察、チェック。その後、3人でチェックリストをもとに手技を振り返るという受講者主体のデブリーフィング形式にしてみました。
基本、BLSの素養はある医学生上がりの研修医ですから、活発に意見交換ならびに改善策が出てとっても有効。少ないインストラクターでも無理なく進められました。
2.非心停止の対応と急変の「気づき」、アセスメント
これは参加者を半分にわけて6名で進行。
まずはマネキンではなく、研修医同士で救助者役と傷病者役に別れてもらい、生体でBLSの手順を再確認。
ここでは「反応なし、呼吸あり」という設定だけど、救助者役にはナイショ。
「胸の動きをみて呼吸確認」、さっきのマネキン練習でちゃんとやっていたかどうかが露呈する場面です(笑)
ここで呼吸があった場合、どうしたらいいのか? たいてい皆さん、困った顔をしてインストラクターを見つめてきます。
ここは考えてもらう場面。
ちょっと知った人は、回復体位にしようとするのですが、すんなりとできる人はそうそういません。
日本の古典的な救急法では、ここで「回復体位」がいちおう正解ではあるんですが、ホントにその必要性があるのか? 回復体位のリスクは? そんなことを考えてもらいました。
結論からいうと「回復体位」って、適応場面はほとんどないです。街中であってもそうですし、ましてや病院内なら。
って、ことで必要な技術として、「頭部後屈あご先挙上」と「下顎挙上」を研修医同士の体を使って練習。
こんなBLS/ACLSの限界を認識するところから始まって、後半は急変アセスメントの講義。これはPALS/PEARSプロバイダーコースでおなじみのACDAサイクルと、パッと見の迅速評価、ABCDEの一次評価、SAMPLE聴取と全身観察の二次評価の流れを説明しました。



演習としてはAHA-PEARSプロバイダーコースDVDの症例を見てもらって、みんなで迅速評価と一次評価を体験。
これがなかなか面白かったです。
カテゴライズということで心停止にいたりかねない呼吸と循環のトラブルはかなり体系化されて整理されています。
だから、問題が循環か呼吸かをざくっと判断して、分類さえできれば、安定化の方法は決まっている。
もちろんすべてがそこに当てはまるわけではありませんが、ある程度パスウェイが出来ているという安心感。
そこを出発点にすれば、少なくとも手も足も出ないという状態は避けられる。それが米国の医学系教育のすごいところだと思います。
日本だと職人芸的に経験を踏まなければ身につけられないとされているコツを合理的に体得できるように工夫しているところ、さすがです。
研修医ですから、きっと医学部で診断学とでもいうでしょうか? 診察・アセスメントは訓練を受けていると思いますが、それでも映像を使ってアセスメントの模擬体験をするというのは新鮮だったみたいです。
3.ACLS
このパートはACLSインストラクターの救急部長に丸投げでお願いしちゃったので、どんな風にやってたのかはわかりません。おそらく、除細動器の使い方から始めて、VFの対応、その後心静止・PEAを体験しながら学んでもらったのだと思うのですが、、、、
ということで、今年度、それなりに工夫してやってみた研修医向け急変対応プログラムの概要をかいつまんでご紹介しました。
ガイドライン2010のこの時代、皆さんの施設ではどんな工夫をしているでしょうか?
ほんとはこんな感じで新人看護師向けの急変研修も組み立てたいのですが、いかんせん人数が70名と多くて、ファシリテーターの数がぜんぜん追いつかず。それとACLSのパートなど、ナース向けには1時間でざっと動けるようになるまでの訓練は無理、、、 ということで今度5月にあるナース向けプログラムでは頭を悩ましているところです。
持ち時間は3時間。新入職研修医は12名、最初の1時間は全員でBLSを終わらせて、後の2時間は二部屋にわかれてACLSと非心停止の対応と急変の「気づき」を交代で、という3部構成。
気づき(安定化) → BLS → ACLS
今回初めてこんな編成にしてみましたが、これが非常に良かったです。
やっぱ、非心停止の対応と心停止以前の「気づき」がポイント。ここまでやって初めて急変対応の全体像が見えてきます。
BLS〜ACLSの限界を最初から知っておくというのは大事。BLS/ACLSは最後の切り札ではあるけど、あくまでツールのひとつに過ぎません。
急変の気づきと非心停止の対応、そして心停止になってしまったときのBLS、ACLS。
この3つをまとめて有機的に学ぶのって大事だなと、やってみてつくづく実感。
どうしてもダイジェストにはなってしまいますが、今後学んでいく方向性を示す上で新人研修医の最初に触れる急変対応研修としては良かったんじゃないかと思います。
せっかくなので、それぞれの内容をざっと紹介しておきます。なにかの参考になりましたら。
1.BLS
これは基礎中の基礎なので、最初に全員で。12名に対してマネキンは6体。胸骨圧迫の練習部分はAHAファミリー&フレンズCPRのDVDを使って1分間のHands only CPRとして手技の練習。
その後、一人法CPRの流れはヘルスケアプロバイダーコースのやり方を採用。つまり、反応と呼吸を同時に確認してから通報、脈を確認して胸骨圧迫開始、という流れ。ただしこの段階では人工呼吸は行わず、胸骨圧迫のみを続けるという流れ。
だって、病院内でポケットマスクを携帯してもらっているわけではないので、発見段階で人工呼吸は不可能。口対口はありえませんし。
ここまでを数回練習してもらって、その後、バッグマスクの使い方練習。
最後にPut it all togetherということで、第二救助者がAEDとバッグマスクをもって到着した設定で、一人法〜二人法CPRの通し練習。
この通し練習では3人一組にして、一人はオブザーバー役。チェックリストを渡して第一救助者、第二救助者役の手技を観察、チェック。その後、3人でチェックリストをもとに手技を振り返るという受講者主体のデブリーフィング形式にしてみました。
基本、BLSの素養はある医学生上がりの研修医ですから、活発に意見交換ならびに改善策が出てとっても有効。少ないインストラクターでも無理なく進められました。
2.非心停止の対応と急変の「気づき」、アセスメント
これは参加者を半分にわけて6名で進行。
まずはマネキンではなく、研修医同士で救助者役と傷病者役に別れてもらい、生体でBLSの手順を再確認。
ここでは「反応なし、呼吸あり」という設定だけど、救助者役にはナイショ。
「胸の動きをみて呼吸確認」、さっきのマネキン練習でちゃんとやっていたかどうかが露呈する場面です(笑)
ここで呼吸があった場合、どうしたらいいのか? たいてい皆さん、困った顔をしてインストラクターを見つめてきます。
ここは考えてもらう場面。
ちょっと知った人は、回復体位にしようとするのですが、すんなりとできる人はそうそういません。
日本の古典的な救急法では、ここで「回復体位」がいちおう正解ではあるんですが、ホントにその必要性があるのか? 回復体位のリスクは? そんなことを考えてもらいました。
結論からいうと「回復体位」って、適応場面はほとんどないです。街中であってもそうですし、ましてや病院内なら。
って、ことで必要な技術として、「頭部後屈あご先挙上」と「下顎挙上」を研修医同士の体を使って練習。
こんなBLS/ACLSの限界を認識するところから始まって、後半は急変アセスメントの講義。これはPALS/PEARSプロバイダーコースでおなじみのACDAサイクルと、パッと見の迅速評価、ABCDEの一次評価、SAMPLE聴取と全身観察の二次評価の流れを説明しました。



演習としてはAHA-PEARSプロバイダーコースDVDの症例を見てもらって、みんなで迅速評価と一次評価を体験。
これがなかなか面白かったです。
カテゴライズということで心停止にいたりかねない呼吸と循環のトラブルはかなり体系化されて整理されています。
だから、問題が循環か呼吸かをざくっと判断して、分類さえできれば、安定化の方法は決まっている。
もちろんすべてがそこに当てはまるわけではありませんが、ある程度パスウェイが出来ているという安心感。
そこを出発点にすれば、少なくとも手も足も出ないという状態は避けられる。それが米国の医学系教育のすごいところだと思います。
日本だと職人芸的に経験を踏まなければ身につけられないとされているコツを合理的に体得できるように工夫しているところ、さすがです。
研修医ですから、きっと医学部で診断学とでもいうでしょうか? 診察・アセスメントは訓練を受けていると思いますが、それでも映像を使ってアセスメントの模擬体験をするというのは新鮮だったみたいです。
3.ACLS
このパートはACLSインストラクターの救急部長に丸投げでお願いしちゃったので、どんな風にやってたのかはわかりません。おそらく、除細動器の使い方から始めて、VFの対応、その後心静止・PEAを体験しながら学んでもらったのだと思うのですが、、、、
ということで、今年度、それなりに工夫してやってみた研修医向け急変対応プログラムの概要をかいつまんでご紹介しました。
ガイドライン2010のこの時代、皆さんの施設ではどんな工夫をしているでしょうか?
ほんとはこんな感じで新人看護師向けの急変研修も組み立てたいのですが、いかんせん人数が70名と多くて、ファシリテーターの数がぜんぜん追いつかず。それとACLSのパートなど、ナース向けには1時間でざっと動けるようになるまでの訓練は無理、、、 ということで今度5月にあるナース向けプログラムでは頭を悩ましているところです。
2012年03月24日
BLS〜ACLSの時代は終わった【集合教育の限界】
だいぶ時間が経ってしまってからのご報告になりますが、、、
3月1日から東京で開催されていた日本医療教授システム学会総会に参加してきました。
日本医療教授システム学会(JSISH)は、医療教育を考える学会。特にシミュレーション教育とかインストラクショナル・デザインといった教育のサイエンスを使って患者安全を実現していこうという趣向で展開されています。
毎年、参加していて感じるのは、発表内容のトレンドの変化。
数年前までは、病院内でBLS教育システムを構築しました、的な発表が多かった気がしますが、今はほとんど見かけず。
逆に目立つのが心停止以前の対応にフォーカスした内容。
心臓が停まってしまってからじゃ遅いので、その兆候に気づいて早く手を打とうよ、という考え方、以前もなくはなかったけど、「珍しい」感じでした。それが、いまではさも当たり前のごとく語られているのが不思議なくらい。
時代とともに考え方はすっかり心停止から、非心停止(心停止前)にシフトしてきているのを感じました。
ガイドライン2005発効当時は、BLSやACLS教育のあり方が大きなテーマで、学会でもよく語られていました。でも、その辺はもう答えが出たんでしょうね。ある意味、テクニカルスキルがやたらとフォーカスされていた時代でした。
運動スキルなんだから、つべこべ言わずに体を動かせ、的な。
それに対して、いま話題になっている急変の「気づき」と安定化は、テクニカルスキルだけでは到底太刀打ちできないまったく別のフェーズの話。
そこで出てくる教育手法が、フィードバックではなくデブリーフィング。
体験学習理論に基づいて、体験 → 失敗 → 客観的事実の抽出 → 概念化 → 次の体験へ、という一連の行動の中から、学んでいくというスタイル。
つまり、教えられない、んですよね。
学んでもらうしかない。
その学びの場を作り、方向をうまく導いていくのがファシリテーター(インストラクター)の役割。
そんな学びの構造を理解したうえで、教材設計をし、デブリーフィングやフィードバックという手法を使い分けて、学習をデザインしていく時代。
既存のインストラクター像や手法からは、かなり進んできた気がします。
考えてみればBLSにしたって、CPRというテクニカル・スキルだけでは「使えない」ということもだいぶ知られてきた気がします。ACLSしかり。
結局、テクニカル・スキルだけで構成される研修プログラムは、手技習得に特化したパーシャル・タスクに過ぎず、パフォーマンスとは直結しないんですよね。
パフォーマンス訓練は一連の「物語」の中で展開しないと効果を発揮しない。でもいきなりパフォーマンス訓練をしても、一切の行動指針がなければまったく動けず効果は期待できない。
だから、理想化された条件下での標準行動基礎訓練が必要なわけで、それがAHA-BLSやACLS。
ホントはAHA-BLS/ACLSを履修したあとは、実際に働いている病棟などなるべくリアルな状況下で、行動シミュレーションをする必要があるはずです。本来は現場でのシミュレーショントレーニングの下準備としてAHA-BLS/ACLSが存在していると言っていい気がします。(実際、米国ではそのようですし)
だから、逆説的にいうと、AHA-BLS/ACLSを受講しても役に立たなかったというのは至極あたりまえの話。
もともとBLS教育もACLSも借り物文化なわけですけど、その教育構造を含めて私たちはもっと考えたほうがよさそうです。
○○トレーニングサイトにいくらインストラクターがいても、その集団では講習会場内での満足度であるLevel 2(Kirkpatrick)しか保障できません。その先、現場でのパフォーマンスに昇華するための教育システムが日本にはないのです。
つまり、ホントにパフォーマンスを考えたら、現場にインストラクターがいなくちゃダメ。それがこの先の時代だろうと思います。
先日、Twitterで虎ノ門病院の「救急リンクナース」の取り組みについて少し書きました。6月に「週刊医学界新聞」紙に取り上げられる予定ですが、虎ノ門病院では蘇生インストラクターを各病棟に配備しているのです。
これって、今後の患者安全の取り組みとして大きな意味があると思っています。
虎ノ門病院の取り組みも途上ではありますが、大きな可能性を感じています。
今後の病院の患者安全対策には、教育学的な戦略は欠かせません。
そんな最先端を感じた医療教授システム学会。早くも来年が楽しみです。
3月1日から東京で開催されていた日本医療教授システム学会総会に参加してきました。
日本医療教授システム学会(JSISH)は、医療教育を考える学会。特にシミュレーション教育とかインストラクショナル・デザインといった教育のサイエンスを使って患者安全を実現していこうという趣向で展開されています。
毎年、参加していて感じるのは、発表内容のトレンドの変化。
数年前までは、病院内でBLS教育システムを構築しました、的な発表が多かった気がしますが、今はほとんど見かけず。
逆に目立つのが心停止以前の対応にフォーカスした内容。
心臓が停まってしまってからじゃ遅いので、その兆候に気づいて早く手を打とうよ、という考え方、以前もなくはなかったけど、「珍しい」感じでした。それが、いまではさも当たり前のごとく語られているのが不思議なくらい。
時代とともに考え方はすっかり心停止から、非心停止(心停止前)にシフトしてきているのを感じました。
ガイドライン2005発効当時は、BLSやACLS教育のあり方が大きなテーマで、学会でもよく語られていました。でも、その辺はもう答えが出たんでしょうね。ある意味、テクニカルスキルがやたらとフォーカスされていた時代でした。
運動スキルなんだから、つべこべ言わずに体を動かせ、的な。
それに対して、いま話題になっている急変の「気づき」と安定化は、テクニカルスキルだけでは到底太刀打ちできないまったく別のフェーズの話。
そこで出てくる教育手法が、フィードバックではなくデブリーフィング。
体験学習理論に基づいて、体験 → 失敗 → 客観的事実の抽出 → 概念化 → 次の体験へ、という一連の行動の中から、学んでいくというスタイル。
つまり、教えられない、んですよね。
学んでもらうしかない。
その学びの場を作り、方向をうまく導いていくのがファシリテーター(インストラクター)の役割。
そんな学びの構造を理解したうえで、教材設計をし、デブリーフィングやフィードバックという手法を使い分けて、学習をデザインしていく時代。
既存のインストラクター像や手法からは、かなり進んできた気がします。
考えてみればBLSにしたって、CPRというテクニカル・スキルだけでは「使えない」ということもだいぶ知られてきた気がします。ACLSしかり。
結局、テクニカル・スキルだけで構成される研修プログラムは、手技習得に特化したパーシャル・タスクに過ぎず、パフォーマンスとは直結しないんですよね。
パフォーマンス訓練は一連の「物語」の中で展開しないと効果を発揮しない。でもいきなりパフォーマンス訓練をしても、一切の行動指針がなければまったく動けず効果は期待できない。
だから、理想化された条件下での標準行動基礎訓練が必要なわけで、それがAHA-BLSやACLS。
ホントはAHA-BLS/ACLSを履修したあとは、実際に働いている病棟などなるべくリアルな状況下で、行動シミュレーションをする必要があるはずです。本来は現場でのシミュレーショントレーニングの下準備としてAHA-BLS/ACLSが存在していると言っていい気がします。(実際、米国ではそのようですし)
だから、逆説的にいうと、AHA-BLS/ACLSを受講しても役に立たなかったというのは至極あたりまえの話。
もともとBLS教育もACLSも借り物文化なわけですけど、その教育構造を含めて私たちはもっと考えたほうがよさそうです。
○○トレーニングサイトにいくらインストラクターがいても、その集団では講習会場内での満足度であるLevel 2(Kirkpatrick)しか保障できません。その先、現場でのパフォーマンスに昇華するための教育システムが日本にはないのです。
つまり、ホントにパフォーマンスを考えたら、現場にインストラクターがいなくちゃダメ。それがこの先の時代だろうと思います。
先日、Twitterで虎ノ門病院の「救急リンクナース」の取り組みについて少し書きました。6月に「週刊医学界新聞」紙に取り上げられる予定ですが、虎ノ門病院では蘇生インストラクターを各病棟に配備しているのです。
これって、今後の患者安全の取り組みとして大きな意味があると思っています。
虎ノ門病院の取り組みも途上ではありますが、大きな可能性を感じています。
今後の病院の患者安全対策には、教育学的な戦略は欠かせません。
そんな最先端を感じた医療教授システム学会。早くも来年が楽しみです。
2012年02月28日
コースディレクターの育て方
これまでいくつかの病院から頼まれて、院内でAHA-BLSコースを自主開催できるようにインストラクターの育成事業に関わってきました。
これまで独立支援をしてきた医療施設は合わせると5施設。
そこでAHA公認BLSコースを自主開催できる権限を持ったインストラクター、俗に言うコースディレクターを輩出してきましたが、このように目的を持ってインストラクター支援を行なう場合のセオリーも自分のなかでだいぶ固まってきた気がします。
そんな話を少しばかり。
病院単位でAHA-BLSを教育に取り入れようと思ったとき、まず大切なのはコースディレクターを一人確保することです。
もともとAHA-BLSインストラクターは、そのライセンスさえあれば誰でも公認コースを開催して自分の名前でプロバイダーカードを発行できる存在ですが、日本ではAHAルールとは別に内規で「コース・ディレクター」というステイタスを設定していることが多いようです。
とにかく自分で修了カードを出せる権限を持ったインストラクターがいないことには始まりません。
インストラクター人数を増やすことより、まずはディレクターです。
ということで、院内でAHAコースを確立させるためには、コースディレクターをどこかから引き抜いてくるか、ゼロから育成するか、という話になります。
ディレクターを育てるのに有効なのは、ミニコースを繰り返すこと。
インストラクター1名で、受講者2名を相手に教えるミニコース、これは鍛えられます。司会進行から実技指導まで、基本全部自分で進めていく。TCFは臨席しますが、最初の数回以外はほとんど手出しをせず、自主的に進んでいくようになります。
ということで、自分でコース開催できるインストラクターになりたい、または育てたいと思ったら、ミニコースをたくさん設定することが近道です。
もちろん、ミニコースだけでは身につけられないスキルもあります。他のインストラクターとの連携や、多ブース管理など。そこはおいおい強化していけばいいことで、まずは少ない人数であっても自分ひとりでコースをマネージメントできる能力、そこから始まると思っています。
誰かの何かの参考になれば幸いです。
これまで独立支援をしてきた医療施設は合わせると5施設。
そこでAHA公認BLSコースを自主開催できる権限を持ったインストラクター、俗に言うコースディレクターを輩出してきましたが、このように目的を持ってインストラクター支援を行なう場合のセオリーも自分のなかでだいぶ固まってきた気がします。
そんな話を少しばかり。
病院単位でAHA-BLSを教育に取り入れようと思ったとき、まず大切なのはコースディレクターを一人確保することです。
もともとAHA-BLSインストラクターは、そのライセンスさえあれば誰でも公認コースを開催して自分の名前でプロバイダーカードを発行できる存在ですが、日本ではAHAルールとは別に内規で「コース・ディレクター」というステイタスを設定していることが多いようです。
とにかく自分で修了カードを出せる権限を持ったインストラクターがいないことには始まりません。
インストラクター人数を増やすことより、まずはディレクターです。
ということで、院内でAHAコースを確立させるためには、コースディレクターをどこかから引き抜いてくるか、ゼロから育成するか、という話になります。
ディレクターを育てるのに有効なのは、ミニコースを繰り返すこと。
インストラクター1名で、受講者2名を相手に教えるミニコース、これは鍛えられます。司会進行から実技指導まで、基本全部自分で進めていく。TCFは臨席しますが、最初の数回以外はほとんど手出しをせず、自主的に進んでいくようになります。
ということで、自分でコース開催できるインストラクターになりたい、または育てたいと思ったら、ミニコースをたくさん設定することが近道です。
もちろん、ミニコースだけでは身につけられないスキルもあります。他のインストラクターとの連携や、多ブース管理など。そこはおいおい強化していけばいいことで、まずは少ない人数であっても自分ひとりでコースをマネージメントできる能力、そこから始まると思っています。
誰かの何かの参考になれば幸いです。
2012年02月05日
「サイト長になりませんか?」
勤務先の系列病院に出張BLSで行ってきました。
先方の病院には2名のBLSインストラクターさんがいましたが、トレーニングセンターの所属が違うということで、今回は見学のみ。
私的には所属なんてどうでもいい話なので、お手伝いいただければと思ったのですが、まあ、先方の所属ITCの兼ね合いがあるようで、、、
2名のインストラクターのうち、一人は救急認定看護師さん。いろいろお話しさせていただいたのですが、最後は「病院の中で、ご自身の手でAHA-BLSコース、開催しませんか?」とお誘いして帰ってきました。
やや大げさにいうと、病院内にトレーニングサイトを作って、サイト長に就任しませんか? という提案です。
「えっ、ナースだけでそんなことできるんですか!?」
と驚かれましたが、もちろんできます。医師免許をもった人間が責任者をしなくちゃいけないなんて決まりはありませんし、さらにいえば看護師免許だって不要です。
トレーニングサイトになっちゃえば、病院としても大きなメリットですよね。
世間でいう1万8千円という高い受講料を払わなくても数千円の事務手数料でAHA公認BLSライセンスが出せるようになりますし、なにより病院の売りになる。
研修医や看護師募集のときのセールスポイントになりますし、患者さん向けにも患者安全対策に取り組んでいます、という強力なアピールになるはず。特にいま、病院も競争しなくては生き残れない時代に、AHAトレーニングサイトとしての独自権限を病院として持ってます、というのは大きいでしょう。
逆に言うと、自分でAHA-BLSコースを開催できるインストラクターが病院内にいるのに、それを登用しないというのは考えられないほどもったいない話です。
安いとはいえどうしても発生するカード発行手数料、そこが問題になる場合は確かにありますが、病院としても今回わざわざ私たちを呼んでAHA-BLSコースを開催しているわけですから、今回ほど手間をかけずに自分たちでOKとなれば反対する理由はありません。
問題は、サイト長候補者さんが今所属しているトレーニングセンター側が、別系統のITCでの活動を認めるかという話。
穏便に話が進めばいいですが、これがきっかけでこれまでの地域での人間関係が壊れてしまうのも勿体ない話。
最終的には個人的な人間関係が問題なんですよね。
先方の病院には2名のBLSインストラクターさんがいましたが、トレーニングセンターの所属が違うということで、今回は見学のみ。
私的には所属なんてどうでもいい話なので、お手伝いいただければと思ったのですが、まあ、先方の所属ITCの兼ね合いがあるようで、、、
2名のインストラクターのうち、一人は救急認定看護師さん。いろいろお話しさせていただいたのですが、最後は「病院の中で、ご自身の手でAHA-BLSコース、開催しませんか?」とお誘いして帰ってきました。
やや大げさにいうと、病院内にトレーニングサイトを作って、サイト長に就任しませんか? という提案です。
「えっ、ナースだけでそんなことできるんですか!?」
と驚かれましたが、もちろんできます。医師免許をもった人間が責任者をしなくちゃいけないなんて決まりはありませんし、さらにいえば看護師免許だって不要です。
トレーニングサイトになっちゃえば、病院としても大きなメリットですよね。
世間でいう1万8千円という高い受講料を払わなくても数千円の事務手数料でAHA公認BLSライセンスが出せるようになりますし、なにより病院の売りになる。
研修医や看護師募集のときのセールスポイントになりますし、患者さん向けにも患者安全対策に取り組んでいます、という強力なアピールになるはず。特にいま、病院も競争しなくては生き残れない時代に、AHAトレーニングサイトとしての独自権限を病院として持ってます、というのは大きいでしょう。
逆に言うと、自分でAHA-BLSコースを開催できるインストラクターが病院内にいるのに、それを登用しないというのは考えられないほどもったいない話です。
安いとはいえどうしても発生するカード発行手数料、そこが問題になる場合は確かにありますが、病院としても今回わざわざ私たちを呼んでAHA-BLSコースを開催しているわけですから、今回ほど手間をかけずに自分たちでOKとなれば反対する理由はありません。
問題は、サイト長候補者さんが今所属しているトレーニングセンター側が、別系統のITCでの活動を認めるかという話。
穏便に話が進めばいいですが、これがきっかけでこれまでの地域での人間関係が壊れてしまうのも勿体ない話。
最終的には個人的な人間関係が問題なんですよね。
2012年01月26日
AmazonでBLSヘルスケアプロバイダーコースDVD[日本語版]予約受付開始!
ようやくアマゾンからも「BLSヘルスケアプロバイダーDVD AHAガイドライン2010準拠」の予約受付が開始されました。
1月31日発売開始です。
今回、DVDだけの単体販売が実現してうれしい反面、書店での取り扱いがなくなってシェパードだけの独占販売になってしまうのでは!? と危惧していましたが、DVDに関してもシナジーが一般書店へ卸してくれるようでほっと一安心。
これで、BLSヘルスケアプロバイダーコースに関しては、受講者マニュアル、インストラクターマニュアル、そしてDVDと全部揃ったことになります。
英語版に遅れること、、、、長かったですね。
すでに原稿は出来上がっているはずのハートセイバー・ファーストエイド CPR AEDとか、ECCハンドブック、AHAガイドライン2010はまだなんですかね?
これらより先にACLSが出るってことがないことを願います。
1月31日発売開始です。
今回、DVDだけの単体販売が実現してうれしい反面、書店での取り扱いがなくなってシェパードだけの独占販売になってしまうのでは!? と危惧していましたが、DVDに関してもシナジーが一般書店へ卸してくれるようでほっと一安心。
これで、BLSヘルスケアプロバイダーコースに関しては、受講者マニュアル、インストラクターマニュアル、そしてDVDと全部揃ったことになります。
英語版に遅れること、、、、長かったですね。
すでに原稿は出来上がっているはずのハートセイバー・ファーストエイド CPR AEDとか、ECCハンドブック、AHAガイドライン2010はまだなんですかね?
これらより先にACLSが出るってことがないことを願います。
2012年01月23日
プロ野球球団から依頼されたBLSヘルスケアプロバイダーコース
この週末、某プロ野球球団からの依頼で、チームのフィジカル・トレーナー全員を対象に2日間にわたり、BLS講習を開催してきました。
おかげさまで全員がG2010-BLSヘルスケアプロバイダーコースに合格。いつも選手と一緒にいる人たちが、医療者レベルでの救命スキルを身につけているというのは、とても頼もしいことです。
これまでも、プロサッカーチームのメディカルスタッフや、プロレーシングチームのトレーナーさんなどにもBLSを指導してきましたが、個人で申し込んできたそれらと今回大きく違うのはチームを挙げてスタッフ全員が同じ知識・スキルを身につけたという点。
G2010でも強調されているようにBLSは個人プレイからチームプレイへ思考が移り変わってきています。
チームワークも含めて緊急対応技術をトレーニングできるのは、職場でのon the job研修ならではのこと。
この仲間がいれば助けられる! そんな手ごたえを感じてもらえたんじゃないかと思います。
考えてみれば、公募講習の場合、いくら個人が高いスキルを身につけても、職場に戻ったときは一人ぼっち。そこで講習会場で体感したような即席でも手ごたえのあるチームワークが発揮されるかというと、かなりあやしいものがあるでしょう。
今回は、急変が起こりうる現場がみんなの共通認識として非常に具体的でした。球場のマウンドであり、トレーニングルームであり、練習グランドなど、また遠征先のスタジアム。
そこにどんなメンバーがいて、どこにAEDがあるのか?
具体的にどういう役割分担をして、どう行動すればいいか? そんなことを休憩時間にディスカッションし、具体的なイメージを膨らませていたのが印象的でした。
だからこそ、私も具体的なアドバイスができ、選手の服は前開きではなく、中にもアンダーシャツを着ていて生地は厚いという話であれば、ハサミは明日からでもすぐにAEDに入れてください、という話になりますし、外国人選手の胸毛の話になれば、やはりカミソリも必要でしょう、とはっきりいえる。そしてすぐに改善できる。
いつもだと抽象的な理想論的な話になりがちな部分が、今回は非常に具体的でリアルな提言となりました。
またこれは受講者さんたちが自らで気づいた点ですが、ポケットマスクをAEDと一緒に入れておいても人工呼吸ができるのは一人に限定される。だったらやはりバッグマスクを買うべきではないか? とか、胸骨圧迫はまわりにいる選手にやってもらった方がいいんじゃないか? その場で即興で指導するにはどうしたらいいか? など。
指導している私も、非常に手ごたえのある充実した講習を展開できたと感じています。
今度は実際にマウンドでシミュレーションをしたいとか、選手に胸骨圧迫を教える場を設定したいとか、1回きりの講習では終わらない今後につながる提案もありました。
このようにインストラクターが、単なるインストラクターではなく、ある意味危機管理アドバイザーとして機能できるというのも公募講習ではないon the jobトレーニングのいいところです。
指導に当たった側の勝手な自負ですが、今後、このチームが関わる試合で心停止者が出てもどうにか彼らが対応してくれるはず、と感じていますし、それがずっと長続きするように引き続き支援をしていけたらとも思っています。
今回の受講者さんたちがいざCPRをする場面に直面した場合、それが全国にTV中継される可能性は否定できません。そのときにポケットマスクなりバッグマスクを使って、ヘルスケアプロバイダーとしての蘇生を展開し、それが映像として全国に流れたときには、きっと社会的に大きなインパクトになるはず。(もちろん、そんな事態はないに越したことはないのですが)
BLSインストラクターとして、強く社会的側面を感じた貴重な体験でした。
おかげさまで全員がG2010-BLSヘルスケアプロバイダーコースに合格。いつも選手と一緒にいる人たちが、医療者レベルでの救命スキルを身につけているというのは、とても頼もしいことです。
これまでも、プロサッカーチームのメディカルスタッフや、プロレーシングチームのトレーナーさんなどにもBLSを指導してきましたが、個人で申し込んできたそれらと今回大きく違うのはチームを挙げてスタッフ全員が同じ知識・スキルを身につけたという点。
G2010でも強調されているようにBLSは個人プレイからチームプレイへ思考が移り変わってきています。
チームワークも含めて緊急対応技術をトレーニングできるのは、職場でのon the job研修ならではのこと。
この仲間がいれば助けられる! そんな手ごたえを感じてもらえたんじゃないかと思います。
考えてみれば、公募講習の場合、いくら個人が高いスキルを身につけても、職場に戻ったときは一人ぼっち。そこで講習会場で体感したような即席でも手ごたえのあるチームワークが発揮されるかというと、かなりあやしいものがあるでしょう。
今回は、急変が起こりうる現場がみんなの共通認識として非常に具体的でした。球場のマウンドであり、トレーニングルームであり、練習グランドなど、また遠征先のスタジアム。
そこにどんなメンバーがいて、どこにAEDがあるのか?
具体的にどういう役割分担をして、どう行動すればいいか? そんなことを休憩時間にディスカッションし、具体的なイメージを膨らませていたのが印象的でした。
だからこそ、私も具体的なアドバイスができ、選手の服は前開きではなく、中にもアンダーシャツを着ていて生地は厚いという話であれば、ハサミは明日からでもすぐにAEDに入れてください、という話になりますし、外国人選手の胸毛の話になれば、やはりカミソリも必要でしょう、とはっきりいえる。そしてすぐに改善できる。
いつもだと抽象的な理想論的な話になりがちな部分が、今回は非常に具体的でリアルな提言となりました。
またこれは受講者さんたちが自らで気づいた点ですが、ポケットマスクをAEDと一緒に入れておいても人工呼吸ができるのは一人に限定される。だったらやはりバッグマスクを買うべきではないか? とか、胸骨圧迫はまわりにいる選手にやってもらった方がいいんじゃないか? その場で即興で指導するにはどうしたらいいか? など。
指導している私も、非常に手ごたえのある充実した講習を展開できたと感じています。
今度は実際にマウンドでシミュレーションをしたいとか、選手に胸骨圧迫を教える場を設定したいとか、1回きりの講習では終わらない今後につながる提案もありました。
このようにインストラクターが、単なるインストラクターではなく、ある意味危機管理アドバイザーとして機能できるというのも公募講習ではないon the jobトレーニングのいいところです。
指導に当たった側の勝手な自負ですが、今後、このチームが関わる試合で心停止者が出てもどうにか彼らが対応してくれるはず、と感じていますし、それがずっと長続きするように引き続き支援をしていけたらとも思っています。
今回の受講者さんたちがいざCPRをする場面に直面した場合、それが全国にTV中継される可能性は否定できません。そのときにポケットマスクなりバッグマスクを使って、ヘルスケアプロバイダーとしての蘇生を展開し、それが映像として全国に流れたときには、きっと社会的に大きなインパクトになるはず。(もちろん、そんな事態はないに越したことはないのですが)
BLSインストラクターとして、強く社会的側面を感じた貴重な体験でした。
2012年01月02日
日本救急医学会BLSコース、ナース/救命士解禁に向けて
以前、このブログでも紹介させていただきましたが、ICLSでおなじみの日本救急医学会が認定BLSコースなるものを新設しました。
これでAHA-BLSコースは日本からおさらば!? と思いきや、その概要を見てがっかり。
BLSコースの認定基準
1.実技を中心としたコースで、コース時間を90分以上確保する。
2.1グループ6名以下を標準とする。
3.認定コースディレクターがコースディレクターとなり、コースの質を保証する。
4.各ブースに1名以上の認定インストラクターがつき、各ブースの質を保証する。
5.コース内容は、日本版ガイドラインの内容に準拠する。
この認定BLSコース、ICLSの認定コースディレクター、つまり医師免許を持った人しか開催できないんです。
こんなんでマジメに普及させるつもりでいるとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
日本版ガイドラインを作ってしまった以上、体面的にBLS制度を作ったはいいけど、その後、テストコース以外開催したって話は聞かないし、開催されることも期待してないんじゃないかと本気で思ってしまいます。
やっぱり各方面からそんな声が大きかったのでしょうか?
本日、認定BLSコースのあり方に関するアンケートが回ってきました。
アンケートの設問を見ると、認定ディレクター(医師)だけではなく、ICLS認定インストラクターなら誰でも認定BLSコースを開催させる方向性も検討されていることが伺えます。
BLSなんて普及させてなんぼのもんで、医師免許保持者でないと質の管理ができないなんてどんな石アタマなんでしょう?
医師なんかより救命士の方がよっぽど経験も長けているでしょうに。
そして、なにより人口が多くマンパワーがあるのは看護師。
救命士と看護師を活用しない限り、AHA-BLSに取って代わる日本救急医学会認定BLSの普及はあり得ません。
皆さんはどう考えるでしょうか?
ICLS認定インストラクター資格をお持ちの方は、下記のアンケートフォームから意見をぜひお願いします。
http://my.formman.com/form/pc/a8p5GA40TOWY5lNb/
みんなで救急医学会認定BLSを使える制度にしていきましょう。
アンケート締め切りは1月13日だそうです。
これでAHA-BLSコースは日本からおさらば!? と思いきや、その概要を見てがっかり。
BLSコースの認定基準
1.実技を中心としたコースで、コース時間を90分以上確保する。
2.1グループ6名以下を標準とする。
3.認定コースディレクターがコースディレクターとなり、コースの質を保証する。
4.各ブースに1名以上の認定インストラクターがつき、各ブースの質を保証する。
5.コース内容は、日本版ガイドラインの内容に準拠する。
この認定BLSコース、ICLSの認定コースディレクター、つまり医師免許を持った人しか開催できないんです。
こんなんでマジメに普及させるつもりでいるとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
日本版ガイドラインを作ってしまった以上、体面的にBLS制度を作ったはいいけど、その後、テストコース以外開催したって話は聞かないし、開催されることも期待してないんじゃないかと本気で思ってしまいます。
やっぱり各方面からそんな声が大きかったのでしょうか?
本日、認定BLSコースのあり方に関するアンケートが回ってきました。
アンケートの設問を見ると、認定ディレクター(医師)だけではなく、ICLS認定インストラクターなら誰でも認定BLSコースを開催させる方向性も検討されていることが伺えます。
BLSなんて普及させてなんぼのもんで、医師免許保持者でないと質の管理ができないなんてどんな石アタマなんでしょう?
医師なんかより救命士の方がよっぽど経験も長けているでしょうに。
そして、なにより人口が多くマンパワーがあるのは看護師。
救命士と看護師を活用しない限り、AHA-BLSに取って代わる日本救急医学会認定BLSの普及はあり得ません。
皆さんはどう考えるでしょうか?
ICLS認定インストラクター資格をお持ちの方は、下記のアンケートフォームから意見をぜひお願いします。
http://my.formman.com/form/pc/a8p5GA40TOWY5lNb/
みんなで救急医学会認定BLSを使える制度にしていきましょう。
アンケート締め切りは1月13日だそうです。
2011年12月30日
除細動の遅れが法的問題になる時代になった
法律事務所のウェブに興味深い記事がありました。
『院内での心室細動に対する早期除細動』
(原総合法律事務所ウェブ)
「入院中,心室細動を起こした患者に対する除細動が遅れたことを争った事件の訴状の抜粋」ということですが、、、
午前6時30分ころ,被告病院内のトイレで倒れているところを発見され,看護師が午前6時34分に心室細動を確認しながら,午前6時43分になって,ようやく除細動が行われている。
これが遅すぎる! というのが訴えの骨子。
ご存知のようにAHAガイドライン2005の時点で、院内では心室細動の認識から3分以内に除細動を行なえるべき、という勧告がされて、日本国内でも広くそのことは知られています。
病院側の主張としては、心臓だけでなく呼吸も停止していたので(あたりまえです!)、バッグマスク換気が必要で、その換気のために除細動器の準備が遅れた。除細動器は準備出来次第使えばいいので、今回は過失はない、とのこと。
まあ、いろいろ突っ込みどころはある内容ですが、私たち医療者は明日は自分の身として真剣に考えたほうがよさそうです。
日ごろ、早期除細動の大切さとか、質の高いCPR(強く速く、しっかり戻す、絶え間なく、過換気を避ける)とは言ってますが、それをどれだけ実践しているか? 中断は相当ありますよね? 除細動器もすぐに使える場所にはなかったり、、、
そのほか、自分たちとしては最大努力をしたつもりでも、客観的に評価されたらダメダメなことも往々にしてあるんじゃないでしょうか?
例えば心静止に除細動をかけるとか、、、今でもたまに聞きますよね。
心静止だったら、もともと助かる可能性は低いとは思いますが、そこでアルゴリズム的には推奨されていない除細動をしていたという事実が取りざたされた場合、無意味な除細動が死を決定付けたと言われたら否定するのは難しいかも。
たかだがガイドラインではありますが、いちおう最新の標準は知っておいたほうがいいし、医療者として恥ずかしくないスキルは身につけておきたいものです。
患者の命のためにも、自分の医療者人生のためにも。
『院内での心室細動に対する早期除細動』
(原総合法律事務所ウェブ)
「入院中,心室細動を起こした患者に対する除細動が遅れたことを争った事件の訴状の抜粋」ということですが、、、
午前6時30分ころ,被告病院内のトイレで倒れているところを発見され,看護師が午前6時34分に心室細動を確認しながら,午前6時43分になって,ようやく除細動が行われている。
これが遅すぎる! というのが訴えの骨子。
ご存知のようにAHAガイドライン2005の時点で、院内では心室細動の認識から3分以内に除細動を行なえるべき、という勧告がされて、日本国内でも広くそのことは知られています。
病院側の主張としては、心臓だけでなく呼吸も停止していたので(あたりまえです!)、バッグマスク換気が必要で、その換気のために除細動器の準備が遅れた。除細動器は準備出来次第使えばいいので、今回は過失はない、とのこと。
まあ、いろいろ突っ込みどころはある内容ですが、私たち医療者は明日は自分の身として真剣に考えたほうがよさそうです。
日ごろ、早期除細動の大切さとか、質の高いCPR(強く速く、しっかり戻す、絶え間なく、過換気を避ける)とは言ってますが、それをどれだけ実践しているか? 中断は相当ありますよね? 除細動器もすぐに使える場所にはなかったり、、、
そのほか、自分たちとしては最大努力をしたつもりでも、客観的に評価されたらダメダメなことも往々にしてあるんじゃないでしょうか?
例えば心静止に除細動をかけるとか、、、今でもたまに聞きますよね。
心静止だったら、もともと助かる可能性は低いとは思いますが、そこでアルゴリズム的には推奨されていない除細動をしていたという事実が取りざたされた場合、無意味な除細動が死を決定付けたと言われたら否定するのは難しいかも。
たかだがガイドラインではありますが、いちおう最新の標準は知っておいたほうがいいし、医療者として恥ずかしくないスキルは身につけておきたいものです。
患者の命のためにも、自分の医療者人生のためにも。
2011年12月21日
アメリカ国内でAHAインストラクター資格を取る意味
本記事は削除しました
American Medical Response AHA-TCの運営方針に関して、私は公言できる立場にはおりません。
情報が少ない、USインストラクターの活動に関して、わたしの知っている範囲で少しでも情報提供できればと考えておりましたが、私にはなんの権限もありませんし、責任も取れません。
今後、AMR-TCに関する情報提供は行ないません。また質問にも答えかねます。
必要な方は各自、情報収集をお願いします。









