ようやくアマゾンからも「BLSヘルスケアプロバイダーDVD AHAガイドライン2010準拠」の予約受付が開始されました。
1月31日発売開始です。
今回、DVDだけの単体販売が実現してうれしい反面、書店での取り扱いがなくなってシェパードだけの独占販売になってしまうのでは!? と危惧していましたが、DVDに関してもシナジーが一般書店へ卸してくれるようでほっと一安心。
これで、BLSヘルスケアプロバイダーコースに関しては、受講者マニュアル、インストラクターマニュアル、そしてDVDと全部揃ったことになります。
英語版に遅れること、、、、長かったですね。
すでに原稿は出来上がっているはずのハートセイバー・ファーストエイド CPR AEDとか、ECCハンドブック、AHAガイドライン2010はまだなんですかね?
これらより先にACLSが出るってことがないことを願います。
*ブログ記事の過去ログ一覧は こちら です*
2012年01月26日
2012年01月23日
プロ野球球団から依頼されたBLSヘルスケアプロバイダーコース
この週末、某プロ野球球団からの依頼で、チームのフィジカル・トレーナー全員を対象に2日間にわたり、BLS講習を開催してきました。
おかげさまで全員がG2010-BLSヘルスケアプロバイダーコースに合格。いつも選手と一緒にいる人たちが、医療者レベルでの救命スキルを身につけているというのは、とても頼もしいことです。
これまでも、プロサッカーチームのメディカルスタッフや、プロレーシングチームのトレーナーさんなどにもBLSを指導してきましたが、個人で申し込んできたそれらと今回大きく違うのはチームを挙げてスタッフ全員が同じ知識・スキルを身につけたという点。
G2010でも強調されているようにBLSは個人プレイからチームプレイへ思考が移り変わってきています。
チームワークも含めて緊急対応技術をトレーニングできるのは、職場でのon the job研修ならではのこと。
この仲間がいれば助けられる! そんな手ごたえを感じてもらえたんじゃないかと思います。
考えてみれば、公募講習の場合、いくら個人が高いスキルを身につけても、職場に戻ったときは一人ぼっち。そこで講習会場で体感したような即席でも手ごたえのあるチームワークが発揮されるかというと、かなりあやしいものがあるでしょう。
今回は、急変が起こりうる現場がみんなの共通認識として非常に具体的でした。球場のマウンドであり、トレーニングルームであり、練習グランドなど、また遠征先のスタジアム。
そこにどんなメンバーがいて、どこにAEDがあるのか?
具体的にどういう役割分担をして、どう行動すればいいか? そんなことを休憩時間にディスカッションし、具体的なイメージを膨らませていたのが印象的でした。
だからこそ、私も具体的なアドバイスができ、選手の服は前開きではなく、中にもアンダーシャツを着ていて生地は厚いという話であれば、ハサミは明日からでもすぐにAEDに入れてください、という話になりますし、外国人選手の胸毛の話になれば、やはりカミソリも必要でしょう、とはっきりいえる。そしてすぐに改善できる。
いつもだと抽象的な理想論的な話になりがちな部分が、今回は非常に具体的でリアルな提言となりました。
またこれは受講者さんたちが自らで気づいた点ですが、ポケットマスクをAEDと一緒に入れておいても人工呼吸ができるのは一人に限定される。だったらやはりバッグマスクを買うべきではないか? とか、胸骨圧迫はまわりにいる選手にやってもらった方がいいんじゃないか? その場で即興で指導するにはどうしたらいいか? など。
指導している私も、非常に手ごたえのある充実した講習を展開できたと感じています。
今度は実際にマウンドでシミュレーションをしたいとか、選手に胸骨圧迫を教える場を設定したいとか、1回きりの講習では終わらない今後につながる提案もありました。
このようにインストラクターが、単なるインストラクターではなく、ある意味危機管理アドバイザーとして機能できるというのも公募講習ではないon the jobトレーニングのいいところです。
指導に当たった側の勝手な自負ですが、今後、このチームが関わる試合で心停止者が出てもどうにか彼らが対応してくれるはず、と感じていますし、それがずっと長続きするように引き続き支援をしていけたらとも思っています。
今回の受講者さんたちがいざCPRをする場面に直面した場合、それが全国にTV中継される可能性は否定できません。そのときにポケットマスクなりバッグマスクを使って、ヘルスケアプロバイダーとしての蘇生を展開し、それが映像として全国に流れたときには、きっと社会的に大きなインパクトになるはず。(もちろん、そんな事態はないに越したことはないのですが)
BLSインストラクターとして、強く社会的側面を感じた貴重な体験でした。
おかげさまで全員がG2010-BLSヘルスケアプロバイダーコースに合格。いつも選手と一緒にいる人たちが、医療者レベルでの救命スキルを身につけているというのは、とても頼もしいことです。
これまでも、プロサッカーチームのメディカルスタッフや、プロレーシングチームのトレーナーさんなどにもBLSを指導してきましたが、個人で申し込んできたそれらと今回大きく違うのはチームを挙げてスタッフ全員が同じ知識・スキルを身につけたという点。
G2010でも強調されているようにBLSは個人プレイからチームプレイへ思考が移り変わってきています。
チームワークも含めて緊急対応技術をトレーニングできるのは、職場でのon the job研修ならではのこと。
この仲間がいれば助けられる! そんな手ごたえを感じてもらえたんじゃないかと思います。
考えてみれば、公募講習の場合、いくら個人が高いスキルを身につけても、職場に戻ったときは一人ぼっち。そこで講習会場で体感したような即席でも手ごたえのあるチームワークが発揮されるかというと、かなりあやしいものがあるでしょう。
今回は、急変が起こりうる現場がみんなの共通認識として非常に具体的でした。球場のマウンドであり、トレーニングルームであり、練習グランドなど、また遠征先のスタジアム。
そこにどんなメンバーがいて、どこにAEDがあるのか?
具体的にどういう役割分担をして、どう行動すればいいか? そんなことを休憩時間にディスカッションし、具体的なイメージを膨らませていたのが印象的でした。
だからこそ、私も具体的なアドバイスができ、選手の服は前開きではなく、中にもアンダーシャツを着ていて生地は厚いという話であれば、ハサミは明日からでもすぐにAEDに入れてください、という話になりますし、外国人選手の胸毛の話になれば、やはりカミソリも必要でしょう、とはっきりいえる。そしてすぐに改善できる。
いつもだと抽象的な理想論的な話になりがちな部分が、今回は非常に具体的でリアルな提言となりました。
またこれは受講者さんたちが自らで気づいた点ですが、ポケットマスクをAEDと一緒に入れておいても人工呼吸ができるのは一人に限定される。だったらやはりバッグマスクを買うべきではないか? とか、胸骨圧迫はまわりにいる選手にやってもらった方がいいんじゃないか? その場で即興で指導するにはどうしたらいいか? など。
指導している私も、非常に手ごたえのある充実した講習を展開できたと感じています。
今度は実際にマウンドでシミュレーションをしたいとか、選手に胸骨圧迫を教える場を設定したいとか、1回きりの講習では終わらない今後につながる提案もありました。
このようにインストラクターが、単なるインストラクターではなく、ある意味危機管理アドバイザーとして機能できるというのも公募講習ではないon the jobトレーニングのいいところです。
指導に当たった側の勝手な自負ですが、今後、このチームが関わる試合で心停止者が出てもどうにか彼らが対応してくれるはず、と感じていますし、それがずっと長続きするように引き続き支援をしていけたらとも思っています。
今回の受講者さんたちがいざCPRをする場面に直面した場合、それが全国にTV中継される可能性は否定できません。そのときにポケットマスクなりバッグマスクを使って、ヘルスケアプロバイダーとしての蘇生を展開し、それが映像として全国に流れたときには、きっと社会的に大きなインパクトになるはず。(もちろん、そんな事態はないに越したことはないのですが)
BLSインストラクターとして、強く社会的側面を感じた貴重な体験でした。
2012年01月02日
日本救急医学会BLSコース、ナース/救命士解禁に向けて
以前、このブログでも紹介させていただきましたが、ICLSでおなじみの日本救急医学会が認定BLSコースなるものを新設しました。
これでAHA-BLSコースは日本からおさらば!? と思いきや、その概要を見てがっかり。
BLSコースの認定基準
1.実技を中心としたコースで、コース時間を90分以上確保する。
2.1グループ6名以下を標準とする。
3.認定コースディレクターがコースディレクターとなり、コースの質を保証する。
4.各ブースに1名以上の認定インストラクターがつき、各ブースの質を保証する。
5.コース内容は、日本版ガイドラインの内容に準拠する。
この認定BLSコース、ICLSの認定コースディレクター、つまり医師免許を持った人しか開催できないんです。
こんなんでマジメに普及させるつもりでいるとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
日本版ガイドラインを作ってしまった以上、体面的にBLS制度を作ったはいいけど、その後、テストコース以外開催したって話は聞かないし、開催されることも期待してないんじゃないかと本気で思ってしまいます。
やっぱり各方面からそんな声が大きかったのでしょうか?
本日、認定BLSコースのあり方に関するアンケートが回ってきました。
アンケートの設問を見ると、認定ディレクター(医師)だけではなく、ICLS認定インストラクターなら誰でも認定BLSコースを開催させる方向性も検討されていることが伺えます。
BLSなんて普及させてなんぼのもんで、医師免許保持者でないと質の管理ができないなんてどんな石アタマなんでしょう?
医師なんかより救命士の方がよっぽど経験も長けているでしょうに。
そして、なにより人口が多くマンパワーがあるのは看護師。
救命士と看護師を活用しない限り、AHA-BLSに取って代わる日本救急医学会認定BLSの普及はあり得ません。
皆さんはどう考えるでしょうか?
ICLS認定インストラクター資格をお持ちの方は、下記のアンケートフォームから意見をぜひお願いします。
http://my.formman.com/form/pc/a8p5GA40TOWY5lNb/
みんなで救急医学会認定BLSを使える制度にしていきましょう。
アンケート締め切りは1月13日だそうです。
これでAHA-BLSコースは日本からおさらば!? と思いきや、その概要を見てがっかり。
BLSコースの認定基準
1.実技を中心としたコースで、コース時間を90分以上確保する。
2.1グループ6名以下を標準とする。
3.認定コースディレクターがコースディレクターとなり、コースの質を保証する。
4.各ブースに1名以上の認定インストラクターがつき、各ブースの質を保証する。
5.コース内容は、日本版ガイドラインの内容に準拠する。
この認定BLSコース、ICLSの認定コースディレクター、つまり医師免許を持った人しか開催できないんです。
こんなんでマジメに普及させるつもりでいるとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
日本版ガイドラインを作ってしまった以上、体面的にBLS制度を作ったはいいけど、その後、テストコース以外開催したって話は聞かないし、開催されることも期待してないんじゃないかと本気で思ってしまいます。
やっぱり各方面からそんな声が大きかったのでしょうか?
本日、認定BLSコースのあり方に関するアンケートが回ってきました。
アンケートの設問を見ると、認定ディレクター(医師)だけではなく、ICLS認定インストラクターなら誰でも認定BLSコースを開催させる方向性も検討されていることが伺えます。
BLSなんて普及させてなんぼのもんで、医師免許保持者でないと質の管理ができないなんてどんな石アタマなんでしょう?
医師なんかより救命士の方がよっぽど経験も長けているでしょうに。
そして、なにより人口が多くマンパワーがあるのは看護師。
救命士と看護師を活用しない限り、AHA-BLSに取って代わる日本救急医学会認定BLSの普及はあり得ません。
皆さんはどう考えるでしょうか?
ICLS認定インストラクター資格をお持ちの方は、下記のアンケートフォームから意見をぜひお願いします。
http://my.formman.com/form/pc/a8p5GA40TOWY5lNb/
みんなで救急医学会認定BLSを使える制度にしていきましょう。
アンケート締め切りは1月13日だそうです。
2011年12月30日
除細動の遅れが法的問題になる時代になった
法律事務所のウェブに興味深い記事がありました。
『院内での心室細動に対する早期除細動』
(原総合法律事務所ウェブ)
「入院中,心室細動を起こした患者に対する除細動が遅れたことを争った事件の訴状の抜粋」ということですが、、、
午前6時30分ころ,被告病院内のトイレで倒れているところを発見され,看護師が午前6時34分に心室細動を確認しながら,午前6時43分になって,ようやく除細動が行われている。
これが遅すぎる! というのが訴えの骨子。
ご存知のようにAHAガイドライン2005の時点で、院内では心室細動の認識から3分以内に除細動を行なえるべき、という勧告がされて、日本国内でも広くそのことは知られています。
病院側の主張としては、心臓だけでなく呼吸も停止していたので(あたりまえです!)、バッグマスク換気が必要で、その換気のために除細動器の準備が遅れた。除細動器は準備出来次第使えばいいので、今回は過失はない、とのこと。
まあ、いろいろ突っ込みどころはある内容ですが、私たち医療者は明日は自分の身として真剣に考えたほうがよさそうです。
日ごろ、早期除細動の大切さとか、質の高いCPR(強く速く、しっかり戻す、絶え間なく、過換気を避ける)とは言ってますが、それをどれだけ実践しているか? 中断は相当ありますよね? 除細動器もすぐに使える場所にはなかったり、、、
そのほか、自分たちとしては最大努力をしたつもりでも、客観的に評価されたらダメダメなことも往々にしてあるんじゃないでしょうか?
例えば心静止に除細動をかけるとか、、、今でもたまに聞きますよね。
心静止だったら、もともと助かる可能性は低いとは思いますが、そこでアルゴリズム的には推奨されていない除細動をしていたという事実が取りざたされた場合、無意味な除細動が死を決定付けたと言われたら否定するのは難しいかも。
たかだがガイドラインではありますが、いちおう最新の標準は知っておいたほうがいいし、医療者として恥ずかしくないスキルは身につけておきたいものです。
患者の命のためにも、自分の医療者人生のためにも。
『院内での心室細動に対する早期除細動』
(原総合法律事務所ウェブ)
「入院中,心室細動を起こした患者に対する除細動が遅れたことを争った事件の訴状の抜粋」ということですが、、、
午前6時30分ころ,被告病院内のトイレで倒れているところを発見され,看護師が午前6時34分に心室細動を確認しながら,午前6時43分になって,ようやく除細動が行われている。
これが遅すぎる! というのが訴えの骨子。
ご存知のようにAHAガイドライン2005の時点で、院内では心室細動の認識から3分以内に除細動を行なえるべき、という勧告がされて、日本国内でも広くそのことは知られています。
病院側の主張としては、心臓だけでなく呼吸も停止していたので(あたりまえです!)、バッグマスク換気が必要で、その換気のために除細動器の準備が遅れた。除細動器は準備出来次第使えばいいので、今回は過失はない、とのこと。
まあ、いろいろ突っ込みどころはある内容ですが、私たち医療者は明日は自分の身として真剣に考えたほうがよさそうです。
日ごろ、早期除細動の大切さとか、質の高いCPR(強く速く、しっかり戻す、絶え間なく、過換気を避ける)とは言ってますが、それをどれだけ実践しているか? 中断は相当ありますよね? 除細動器もすぐに使える場所にはなかったり、、、
そのほか、自分たちとしては最大努力をしたつもりでも、客観的に評価されたらダメダメなことも往々にしてあるんじゃないでしょうか?
例えば心静止に除細動をかけるとか、、、今でもたまに聞きますよね。
心静止だったら、もともと助かる可能性は低いとは思いますが、そこでアルゴリズム的には推奨されていない除細動をしていたという事実が取りざたされた場合、無意味な除細動が死を決定付けたと言われたら否定するのは難しいかも。
たかだがガイドラインではありますが、いちおう最新の標準は知っておいたほうがいいし、医療者として恥ずかしくないスキルは身につけておきたいものです。
患者の命のためにも、自分の医療者人生のためにも。
2011年12月21日
アメリカ国内でAHAインストラクター資格を取る意味
本記事は削除しました
American Medical Response AHA-TCの運営方針に関して、私は公言できる立場にはおりません。
情報が少ない、USインストラクターの活動に関して、わたしの知っている範囲で少しでも情報提供できればと考えておりましたが、私にはなんの権限もありませんし、責任も取れません。
今後、AMR-TCに関する情報提供は行ないません。また質問にも答えかねます。
必要な方は各自、情報収集をお願いします。
2011年12月09日
BLSインストラクターマニュアル【日本語版】の見どころ
できたてホヤホヤの日本語版のBLS-HCP教材、皆さんはもう手に入れたでしょうか?
今日は、BLSヘルスケアプロバイダーインストラクターマニュアル【日本語版】
の見どころをいくつかご紹介しようと思います。
まずいちばん注目すべきは32ページの「新しいインストラクターの採用と指導」という部分でしょうね。
簡単にいうと、
「プロバイダーコース終了後にインストラクターの勧誘をしなさい、16歳以上だったら誰でもなれるから」
といった趣旨のことが書かれています。
医療従事者相手に教えるAHAのBLSインストラクターになるのは難しいというイメージが流布していますが、AHAが求めているインストラクターの絶対条件は16歳以上であることと、BLSヘルスケアプロバイダーコースを修了していること、コアインストラクターコースを修了していることの3つだけ。
後はやる気と熱意ということだけが言及されています。
この点は、これまでもBLSファカルティガイド(英文)に書かれていた内容とほとんど変わっていませんが、インストラクターなら誰もが絶対に読むはずのBLSインストラクターマニュアルにあえて記載するようになったのは興味深いところです。
(そういえばファーストエイドステイタスについての言及がないのが気になるところ。要件が変更されたのでしょうか? 不詳です)
あと、リニューアルコースに関する記述も面白いです。4ページです。
2013年4月1日以降にヘルスケアプロバイダー資格を更新する人は、コースを受講しなくても実技試験と筆記試験に合格すればカードを発行してもよい、という内容のことが書かれています。
実際のところ、アメリカではそうなんですよね。スキルと実力があっても、資格更新をしなければ職務停止になる米国の医療従事者にとっては、有効期限内のカードを持っているという事実が大切。
そんなアメリカの実情が、マニュアルにも文章として載るようになりました。
いろいろ突っ込みどころはある新しいAHAのマテリアル日本語版。今日はこの辺で。
今日は、BLSヘルスケアプロバイダーインストラクターマニュアル【日本語版】
まずいちばん注目すべきは32ページの「新しいインストラクターの採用と指導」という部分でしょうね。
簡単にいうと、
「プロバイダーコース終了後にインストラクターの勧誘をしなさい、16歳以上だったら誰でもなれるから」
といった趣旨のことが書かれています。
AHAは、プロバイダーコースを無事終了した後インストラクターになることを希望するすべての受講者に対して、少し時間をとって以下の情報を伝えることをインストラクターに奨励している。
AHAインストラクターコースでは、蘇生コースで他者に効率的に指示を出せるようになるための方法を指導する。AHAでは、ハートセイバーインストラクターおよびBLSインストラクターコースの最低年齢制限を16歳としている。
AHAインストラクターコースでは、蘇生コースで他者に効率的に指示を出せるようになるための方法を指導する。AHAでは、ハートセイバーインストラクターおよびBLSインストラクターコースの最低年齢制限を16歳としている。
医療従事者相手に教えるAHAのBLSインストラクターになるのは難しいというイメージが流布していますが、AHAが求めているインストラクターの絶対条件は16歳以上であることと、BLSヘルスケアプロバイダーコースを修了していること、コアインストラクターコースを修了していることの3つだけ。
後はやる気と熱意ということだけが言及されています。
この点は、これまでもBLSファカルティガイド(英文)に書かれていた内容とほとんど変わっていませんが、インストラクターなら誰もが絶対に読むはずのBLSインストラクターマニュアルにあえて記載するようになったのは興味深いところです。
(そういえばファーストエイドステイタスについての言及がないのが気になるところ。要件が変更されたのでしょうか? 不詳です)
あと、リニューアルコースに関する記述も面白いです。4ページです。
2013年4月1日以降にヘルスケアプロバイダー資格を更新する人は、コースを受講しなくても実技試験と筆記試験に合格すればカードを発行してもよい、という内容のことが書かれています。
実際のところ、アメリカではそうなんですよね。スキルと実力があっても、資格更新をしなければ職務停止になる米国の医療従事者にとっては、有効期限内のカードを持っているという事実が大切。
そんなアメリカの実情が、マニュアルにも文章として載るようになりました。
いろいろ突っ込みどころはある新しいAHAのマテリアル日本語版。今日はこの辺で。
2011年11月30日
G2010-BLSヘルスケアプロバイダーマニュアル、アマゾンでも予約開始!
12月8日発売開始の BLSヘルスケアプロバイダーコース受講者マニュアル【G2010日本語版】の予約がアマゾンでも開始になりました。
シェパードの通販でしか買えなかったらどうしようと思いましたが、今回も変わらずシナジー社と二本立ての販売ルートの模様。
「シナジー社は書店販売専門に徹する」というのが今回のちょっとした契約変更点らしいです。(メーカー直販の廃止だけで、アマゾンやセブンアンドワイ等、ネット書店経由の販売は継続ですから、とりあえずよかったです)
インストラクターマニュアル【日本語版】も合わせて予約開始になっています。
値段はどちらで買っても同じですが、シェパードでは、以前と変わらなければ1回に送料が500円かかるので、送料無料のアマゾンの方がお得かも。
前回書いたDVDも同時発売というのは、誤報でした。スイマセン。
インストラクターマニュアルまで日本語になっても、肝心のDVDがないと、意味ないですよねぇ。
公式発売の8日に先駆けて、内容をチラ見する機会がありましたが、以前このブログでも話題に上った at least は「以上」ではなく「少なくとも」と正しく訳されていました。翻訳会社とAHAに言った甲斐があった、かな。
気になっていた rescue breathing は、補助呼吸と訳出。ただし、人工呼吸全般に補助呼吸という語を当てはめているため、非心停止時の5-6秒(成人)に1回の換気も、CPR中の30:2の換気も同じく補助呼吸と訳されているために、日本語版では両者の区別が完全になくなってしまいました。まあ、指導上、そう困ることはないかなとは思いますが、ちょっと気になるところ。
あと、childとpediatricも区別なく小児と訳されているのも以前と変わらず。受講者さんが混乱するところなんですよね。
シェパードの通販でしか買えなかったらどうしようと思いましたが、今回も変わらずシナジー社と二本立ての販売ルートの模様。
「シナジー社は書店販売専門に徹する」というのが今回のちょっとした契約変更点らしいです。(メーカー直販の廃止だけで、アマゾンやセブンアンドワイ等、ネット書店経由の販売は継続ですから、とりあえずよかったです)
インストラクターマニュアル【日本語版】も合わせて予約開始になっています。
値段はどちらで買っても同じですが、シェパードでは、以前と変わらなければ1回に送料が500円かかるので、送料無料のアマゾンの方がお得かも。
前回書いたDVDも同時発売というのは、誤報でした。スイマセン。
インストラクターマニュアルまで日本語になっても、肝心のDVDがないと、意味ないですよねぇ。
公式発売の8日に先駆けて、内容をチラ見する機会がありましたが、以前このブログでも話題に上った at least は「以上」ではなく「少なくとも」と正しく訳されていました。翻訳会社とAHAに言った甲斐があった、かな。
気になっていた rescue breathing は、補助呼吸と訳出。ただし、人工呼吸全般に補助呼吸という語を当てはめているため、非心停止時の5-6秒(成人)に1回の換気も、CPR中の30:2の換気も同じく補助呼吸と訳されているために、日本語版では両者の区別が完全になくなってしまいました。まあ、指導上、そう困ることはないかなとは思いますが、ちょっと気になるところ。
あと、childとpediatricも区別なく小児と訳されているのも以前と変わらず。受講者さんが混乱するところなんですよね。
2011年11月22日
待望のAHA-BLS日本語教材、12月8日発売!
ついに出ます!
BLSヘルスケアプロバイダーコース【G2010】の日本語教材。

リリースは12月8日
スチューデントワークブック(受講者マニュアル)、コースDVD、そしてインストラクターマニュアル、そろっての発売とのこと。
このお知らせは本日、米国AHAのアジア支局長からメールで配信されました。
日本の出版社サイドの情報ではありませんので、価格や販売ルート等、具体的な内容はまだ不明。
また情報が入ったら、お知らせします。
追記:
AHA代理店のシェパードで予約が開始になっていました。BLSヘルスケアプロバイダー受講者マニュアル G2010が3,675円、BLSヘルスケアプロバイダーインストラクターマニュアル G2010が6,825円。
DVDのアナウンスはまだの模様。
この調子だと、前回と違って、DVDだけの単体発売になりそう。すでに英語版のインストラクターマニュアルを持っている人は二重買いにならずに済みそうですね。
今回の日本語版出版が遅れた理由のひとつが、翻訳会社を以前と変更したことがあります。出版の代理店も変更という噂も。シナジーさんやレールダルさんからも出るのか出ないのか、、、気になるところです。
シェパードさんだと、一般書店への販売ルートがないようなのでちょっと心配。
BLSヘルスケアプロバイダーコース【G2010】の日本語教材。

リリースは12月8日
スチューデントワークブック(受講者マニュアル)、コースDVD、そしてインストラクターマニュアル、そろっての発売とのこと。
このお知らせは本日、米国AHAのアジア支局長からメールで配信されました。
日本の出版社サイドの情報ではありませんので、価格や販売ルート等、具体的な内容はまだ不明。
また情報が入ったら、お知らせします。
追記:
AHA代理店のシェパードで予約が開始になっていました。BLSヘルスケアプロバイダー受講者マニュアル G2010が3,675円、BLSヘルスケアプロバイダーインストラクターマニュアル G2010が6,825円。
DVDのアナウンスはまだの模様。
この調子だと、前回と違って、DVDだけの単体発売になりそう。すでに英語版のインストラクターマニュアルを持っている人は二重買いにならずに済みそうですね。
今回の日本語版出版が遅れた理由のひとつが、翻訳会社を以前と変更したことがあります。出版の代理店も変更という噂も。シナジーさんやレールダルさんからも出るのか出ないのか、、、気になるところです。
シェパードさんだと、一般書店への販売ルートがないようなのでちょっと心配。
2011年11月15日
心停止の対応しか知らないとバイスタンダーCPRの着手をためらう
蘇生ガイドライン2010でいちばん重要なポイントといえば、なんと言ってもimplementation(インプリメンテーション:実行性)でしょう。
(誰ですか? C-A-Bだなんて言ってるのは、、、)
蘇生行為への着手率を下げている原因はなにか?
そんな議論が世界蘇生連絡協議会ILCOR国際会議で真剣に話し合われました。
その結果は、つい先日、発売になった JRC蘇生ガイドライン2010
の"教育と普及のための方策 (Education, Implementation & Team) "の章で垣間見れます。
G2010の発表以来、私の中でもインプリメンテーション/実行性アップは一大テーマで、ずっと頭の中をぐるぐる巡っています。
講習会で教えるBLSが、講習会場でのスキル・トレーニングにとどまらず、現場で実行可能なパフォーマンスにつながらない理由はなんだろう? 指導をどう改善したら実行性が担保できるだろうか?
これは今後5年間かけて、誰もがぶち当たっていくG2010の本質的テーマだと思います。
そんなことを四六時中考えている私なりのひとつの方向性、というか仮説があります。それは次のようなもの。
「心停止の対応しか知らないと、バイスタンダーCPRの着手をためらう」
道端で倒れている人を見つけました。周囲の安全を確認してから、肩を叩き声をかけました。「大丈夫ですか?」
そうしたらうめき声を上げていて反応があった!
もしくは呼吸確認をしたら、息はちゃんとしていた。
こんなとき、BLSしか知らないと何も出来ることがない! という事態に陥りがち。
呼吸さえしていなければ、、、心臓さえ停まっていれば出来ることがあるのに、、、
心停止なんて長い人生の中でもそうそう出くわすものではありません。
心臓が停まっていない場合の対応を知らない。だから怖くて手が出せない。
そんな傾向ってないでしょうか?
特にG2000以来、BLSが爆発的に広まりました。それ自体はこの上なく善いこと。そこに疑問の余地はありません。
でも逆に心停止以外の緊急事態への意識が希薄となり、緊急時対応=心停止対応という図式になってしまい、それ以外がすっぽり抜けてしまったのが今の現状な気がします。
はっきり言ってしまえば、反応があったり呼吸があれば、超緊急事態ではありませんから、落ち着いて救急車を待てばいいというただそれだけなのですが、そんなことすらBLS講習では教えられないので、不安要素として講習受講者の潜在意識に残ってしまっているということはないでしょうか?(非心停止の場合は、ABCDEを評価し、生命危機がないことを確認しつつ応援を待つ)
そこで私がG2010のインプリメンテーション(実行性)向上を目指して進めているのが、非心停止の対応をランダムなシュミレーションとして受講者に提示する、ということです。
リトルアンなどのBLSマネキンを使った練習では、反応も呼吸もないのは当たり前。
「大丈夫ですか?」なんて呼びかける練習をしても、返事があることなんてこれっぽっちも期待していないのです。
これが予定調和で儀式的な「お作法」となる原因のひとつ。
だから、ここをあえて生体を使って(受講者同士で傷病者役と救助者役にわかれて)反応確認部分を練習することで、観念的な練習にリアルを感じてもらうことができます。
なにより、呼吸があったらどうするか? 返事があったらどうするか、をシミュレーションの中で対応し、困ってもらい、その後のディスカッションで、どう振る舞ったらいいのかを納得してもらう。
実は非心停止の対応はCPRではなく、ファーストエイドの範疇なのですが、いざというときにホントにCPRを実行してもらうためにも、半歩くらい足を踏み出してもらって知ってもらうことは意味があること。
特にBLSなんて常識、と思っている医療従事者が「反応あり」「呼吸あり」の対応を知っていれば、結果的にはバイスタンダーCPRの着手率が伸びるはず、と私は考えているのですが、皆さんはどう思われるでしょうか?
(誰ですか? C-A-Bだなんて言ってるのは、、、)
蘇生行為への着手率を下げている原因はなにか?
そんな議論が世界蘇生連絡協議会ILCOR国際会議で真剣に話し合われました。
その結果は、つい先日、発売になった JRC蘇生ガイドライン2010
G2010の発表以来、私の中でもインプリメンテーション/実行性アップは一大テーマで、ずっと頭の中をぐるぐる巡っています。
講習会で教えるBLSが、講習会場でのスキル・トレーニングにとどまらず、現場で実行可能なパフォーマンスにつながらない理由はなんだろう? 指導をどう改善したら実行性が担保できるだろうか?
これは今後5年間かけて、誰もがぶち当たっていくG2010の本質的テーマだと思います。
そんなことを四六時中考えている私なりのひとつの方向性、というか仮説があります。それは次のようなもの。
「心停止の対応しか知らないと、バイスタンダーCPRの着手をためらう」
道端で倒れている人を見つけました。周囲の安全を確認してから、肩を叩き声をかけました。「大丈夫ですか?」
そうしたらうめき声を上げていて反応があった!
もしくは呼吸確認をしたら、息はちゃんとしていた。
こんなとき、BLSしか知らないと何も出来ることがない! という事態に陥りがち。
呼吸さえしていなければ、、、心臓さえ停まっていれば出来ることがあるのに、、、
心停止なんて長い人生の中でもそうそう出くわすものではありません。
心臓が停まっていない場合の対応を知らない。だから怖くて手が出せない。
そんな傾向ってないでしょうか?
特にG2000以来、BLSが爆発的に広まりました。それ自体はこの上なく善いこと。そこに疑問の余地はありません。
でも逆に心停止以外の緊急事態への意識が希薄となり、緊急時対応=心停止対応という図式になってしまい、それ以外がすっぽり抜けてしまったのが今の現状な気がします。
はっきり言ってしまえば、反応があったり呼吸があれば、超緊急事態ではありませんから、落ち着いて救急車を待てばいいというただそれだけなのですが、そんなことすらBLS講習では教えられないので、不安要素として講習受講者の潜在意識に残ってしまっているということはないでしょうか?(非心停止の場合は、ABCDEを評価し、生命危機がないことを確認しつつ応援を待つ)
そこで私がG2010のインプリメンテーション(実行性)向上を目指して進めているのが、非心停止の対応をランダムなシュミレーションとして受講者に提示する、ということです。
リトルアンなどのBLSマネキンを使った練習では、反応も呼吸もないのは当たり前。
「大丈夫ですか?」なんて呼びかける練習をしても、返事があることなんてこれっぽっちも期待していないのです。
これが予定調和で儀式的な「お作法」となる原因のひとつ。
だから、ここをあえて生体を使って(受講者同士で傷病者役と救助者役にわかれて)反応確認部分を練習することで、観念的な練習にリアルを感じてもらうことができます。
なにより、呼吸があったらどうするか? 返事があったらどうするか、をシミュレーションの中で対応し、困ってもらい、その後のディスカッションで、どう振る舞ったらいいのかを納得してもらう。
実は非心停止の対応はCPRではなく、ファーストエイドの範疇なのですが、いざというときにホントにCPRを実行してもらうためにも、半歩くらい足を踏み出してもらって知ってもらうことは意味があること。
特にBLSなんて常識、と思っている医療従事者が「反応あり」「呼吸あり」の対応を知っていれば、結果的にはバイスタンダーCPRの着手率が伸びるはず、と私は考えているのですが、皆さんはどう思われるでしょうか?
2011年11月06日
介護業界の窒息解除法から考えた【掃除機】
ちょっと前に Twitter で取り上げた話題ですが、本屋で何気なく手に取った雑誌をみて驚きました。
喉にモノが詰まったときの解除法:
1.ガーゼを巻いた指で口の中を掻き出す
2.それでダメなら掃除機のノズルを口に入れる
3.それでもダメなら背中を叩く
4.それでもダメなら腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行う
立ち読みだけだったので一語一句はあってませんが、こんな感じ。
日ごろ、最新のエビデンスに基づいたBLSやファーストエイドを教えている者として、昔の雑誌ならいざ知らず最新情報としてこんなことを載せてしまうなんて!と驚きました。
出元は介護専門職の総合情報誌「おはよう21」10月号増刊 「急変時の対応ガイドブック」
という本、というか雑誌(Mookというんでしょうか)

介護界の総合情報誌ということですから、それなりに影響力のある雑誌なんでしょうね。
同誌の別のページを見ると、心肺蘇生法に関しては、日本国内では普及してないにもかかわらずきちんとG2010で紹介されています。
なんだろう? このギャップ。
これが考えるきっかけになりました。まあ、心肺蘇生と窒息解除を書いているのは別の人なので、単に私の考えすぎかもしれませんが、思うところをいくつか。
窒息解除法については、日本では昔からあれこれ言われています。
エビデンスド・ベースの国際コンセンサスで推奨されているのは、腹部突き上げ法(ハイムリック法)/胸部突き上げ法と背部叩打のふたつ。AHAでは腹部突き上げしか教えてませんが、どちらも優劣はないということになっています。
私もAHA講習で、腹部突き上げを教えていますが、受講者からの質問で、「餅も取れるんですか?」と聞かれると、「はい」とは即答できません。
つまり、肉塊など固形物を意識した欧米の窒息解除法がそのまま日本の食文化にマッチするかというと、ここに大きな問題があります。
ですから、エビデンスがないからといって、日本で俗説的に言われている窒息解除法を排除することはできないと私は考えています。
そう考えると、初めて目にしたこの介護業界標準(?)の4段階窒息解除法もそれなりに考えられたものなのではないかと思ったのです。
介護業界での食べ物による窒息といえば必ずしも固形物ではありません。むしろ刻み食など軟食や流動形のものが多いのではないでしょうか?
ご存知のとおり、ハイムリック法(腹部突き上げ法)は、腹部を圧迫することで気道内圧を上げて豆鉄砲みたいに喉に詰まった食塊を飛ばして出す手技です。流動食に対して、これがどこまで有効か? と、効果を考えると第一選択にはなりにくいことは想像に難くありません。
また腹腔内損傷のリスクを抱えたハイムリック法を第一選択にするのは、老人には厳しいかなぁ、だから背部叩打というのもまあ、妥当。
でも、効果を考えれば、やっぱり吸引?
でも、そもそも流動物で完全閉塞というのも考えにくいので、まずはかきだして量を減らせば、自発呼吸や咳で、ある程度閉塞が解除されるんじゃないか、と考えるのも分かる。
ということで、考えてみたら、4段階法は、それなりに現実を考えた方法という気がしてきました。
ただやっぱり引っかかるのは掃除機の使用。
本文中では、掃除機につける専用の吸引ノズルがあることも示唆されているのですが、その詳細が示されていないという点で、不適切なのは間違いありません。
手近な吸引機ということで、掃除機を使うことは意味がないとは言いませんが、それなりに手技は難しいです。そもそもノズルが口に入る径なのか、舌をよける工夫、陰圧を保つために鼻をつまむなど、注意すべきポイントはあり、闇雲に口に入れてうまくいく可能性がそれほど高いとは思えません。

きちんと使用法を指導し、練習してこそ意味があるかもしれない掃除機を使った窒息解除。
いちばん怖いのは、窒息=掃除機、というセンセーショナルな図式が一人歩きして、ハイムリック法や背部叩打を第一選択で試みるべきときであっても、掃除機を探しに走って、救命の機を逸するという事態。
実際にこれは、報道されただけでも保育園等で発生しています。
コンセンサスを外れることを指導するのであれば、簡略化しないでもうすこしきっちりと教える責任があると思います。
日本での窒息解除法は、国際コンセンサスで推奨される方法だけでは不十分な可能性大。
本当は日本独自にエビデンスを打ち出して、きちんと体系化してくれるといいのですが。心肺蘇生法のエビデンスを出すことにやっきになっている印象がありますが、窒息解除法こそ、日本ががんばるべきところじゃないかなという気がします。
喉にモノが詰まったときの解除法:
1.ガーゼを巻いた指で口の中を掻き出す
2.それでダメなら掃除機のノズルを口に入れる
3.それでもダメなら背中を叩く
4.それでもダメなら腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行う
立ち読みだけだったので一語一句はあってませんが、こんな感じ。
日ごろ、最新のエビデンスに基づいたBLSやファーストエイドを教えている者として、昔の雑誌ならいざ知らず最新情報としてこんなことを載せてしまうなんて!と驚きました。
出元は介護専門職の総合情報誌「おはよう21」10月号増刊 「急変時の対応ガイドブック」

介護界の総合情報誌ということですから、それなりに影響力のある雑誌なんでしょうね。
同誌の別のページを見ると、心肺蘇生法に関しては、日本国内では普及してないにもかかわらずきちんとG2010で紹介されています。
なんだろう? このギャップ。
これが考えるきっかけになりました。まあ、心肺蘇生と窒息解除を書いているのは別の人なので、単に私の考えすぎかもしれませんが、思うところをいくつか。
窒息解除法については、日本では昔からあれこれ言われています。
エビデンスド・ベースの国際コンセンサスで推奨されているのは、腹部突き上げ法(ハイムリック法)/胸部突き上げ法と背部叩打のふたつ。AHAでは腹部突き上げしか教えてませんが、どちらも優劣はないということになっています。
私もAHA講習で、腹部突き上げを教えていますが、受講者からの質問で、「餅も取れるんですか?」と聞かれると、「はい」とは即答できません。
つまり、肉塊など固形物を意識した欧米の窒息解除法がそのまま日本の食文化にマッチするかというと、ここに大きな問題があります。
ですから、エビデンスがないからといって、日本で俗説的に言われている窒息解除法を排除することはできないと私は考えています。
そう考えると、初めて目にしたこの介護業界標準(?)の4段階窒息解除法もそれなりに考えられたものなのではないかと思ったのです。
介護業界での食べ物による窒息といえば必ずしも固形物ではありません。むしろ刻み食など軟食や流動形のものが多いのではないでしょうか?
ご存知のとおり、ハイムリック法(腹部突き上げ法)は、腹部を圧迫することで気道内圧を上げて豆鉄砲みたいに喉に詰まった食塊を飛ばして出す手技です。流動食に対して、これがどこまで有効か? と、効果を考えると第一選択にはなりにくいことは想像に難くありません。
また腹腔内損傷のリスクを抱えたハイムリック法を第一選択にするのは、老人には厳しいかなぁ、だから背部叩打というのもまあ、妥当。
でも、効果を考えれば、やっぱり吸引?
でも、そもそも流動物で完全閉塞というのも考えにくいので、まずはかきだして量を減らせば、自発呼吸や咳で、ある程度閉塞が解除されるんじゃないか、と考えるのも分かる。
ということで、考えてみたら、4段階法は、それなりに現実を考えた方法という気がしてきました。
ただやっぱり引っかかるのは掃除機の使用。
本文中では、掃除機につける専用の吸引ノズルがあることも示唆されているのですが、その詳細が示されていないという点で、不適切なのは間違いありません。
手近な吸引機ということで、掃除機を使うことは意味がないとは言いませんが、それなりに手技は難しいです。そもそもノズルが口に入る径なのか、舌をよける工夫、陰圧を保つために鼻をつまむなど、注意すべきポイントはあり、闇雲に口に入れてうまくいく可能性がそれほど高いとは思えません。

きちんと使用法を指導し、練習してこそ意味があるかもしれない掃除機を使った窒息解除。
いちばん怖いのは、窒息=掃除機、というセンセーショナルな図式が一人歩きして、ハイムリック法や背部叩打を第一選択で試みるべきときであっても、掃除機を探しに走って、救命の機を逸するという事態。
実際にこれは、報道されただけでも保育園等で発生しています。
コンセンサスを外れることを指導するのであれば、簡略化しないでもうすこしきっちりと教える責任があると思います。
日本での窒息解除法は、国際コンセンサスで推奨される方法だけでは不十分な可能性大。
本当は日本独自にエビデンスを打ち出して、きちんと体系化してくれるといいのですが。心肺蘇生法のエビデンスを出すことにやっきになっている印象がありますが、窒息解除法こそ、日本ががんばるべきところじゃないかなという気がします。










